BRAHMS SYMPHONIE NO.4 2011年10月31日 22時28分14秒 | ブログ C・クライバーは50歳の時にブラームスの4番をウィーン・フィルと録音しています。稀有の名演でしたね。このDVDはそれから16年を経た演奏で、オケがバイエルンに変わっています。目立つのはテンポがとても遅くなったこと。第一楽章の漂うような弦の響き、第二楽章の主題は最初は抑え目でむしろピチカートの方を際立たせ、後半の同じ主題が強く印象に残る仕掛け、第三楽章は一番これまでのクライバーのイメージに近く、トライアングルは新鮮‥。年とともに同じ指揮者でこうも違う演奏になるというだけでなく、どちらがより良いと言わせないところはさすがにクライバーです。
JAM SESSIONS AT COMMODORE 2011年10月30日 22時00分47秒 | ブログ ハーレムのレコード店主だったM・ゲイブラーが趣味で始めたコモドア・レコードの初レコーディングを含む、1938年から42年までのE・コンドンのジャム・セッションをまとめたもの。いまどきディキシーランド・ジャズを聴こうという人もあまりいないでしょうが、J・T・ガーデン、B・ハケット、P・W・ラッセルといった往年の名プレイヤーの優れた演奏が聴けるレコード。録音年にしては音質も素晴らしいです。
WHISTLE STOP 2011年10月28日 23時11分05秒 | ブログ 同時代の作品群と比べてひけをとらない演奏だし、メンバーもとびきり(ドーハム、モブレイ、ドリュー、チェンバース、フィリー・ジョー)で、録音も良い。その割にはあまり知られていませんね。決定的なトラックがないんだな。このへんがドーハムらしい。しかしこのアルバムでのドーハムは思う存分吹いていて素晴らしいです。テナーが気心が知れているH・モブレイというのも良かったのかも‥。もうひとりのケニー、ドリューも特筆モノです。
WE INSIST! 2011年10月27日 22時16分28秒 | ブログ M・ローチが60年に録音したプロテスト色の強い作品。キャンディドの希少性からかなり高値で取引されていたレコードですね。こういう音楽が好きか?と言われれば「別に好きじゃない」わけですが、さすがにローチのプレイは見事だし、A・リンカーンの声も力強い。B・リトルも素晴らしいプレイを展開しています。ちゃんと聴けば聴きどころはたくさんあります。「ALL AFRICA」のパーカッションのアンサンブルは惹きこまれてしまいますね。
WARNE MARSH 2011年10月26日 21時42分55秒 | ブログ W・マーシュを最初に知ったのはL・コニッツと共演したアトランティック盤。T・ブラウンの「FREE WHEELING」でのプレイも印象に残りますね。彼の参加したアルバムは傑作ばかりですが、リーダー作である本作は隠れた名盤。ピアノは僚友R・ボール。そして私にP・チェンバースというベーシストの偉大さを教えてくれた作品でもあります。市場で見つけることはほとんど出来ないレコードですが、是非ジャズ喫茶でリクエストして聴いてください。
FAIR AND WARMER ! 2011年10月25日 22時35分57秒 | ブログ ケントン・ガールズの中で(アニタには一目置くとして)J・クリスティにはとても愛着があります。ジャズ・ヴォーカルの実力云々よりも、この人のしっとりとした声がとても好きです。このアルバムはあの名盤「SOMETHING COOL(モノラル盤)」の4年後に同じようにP・ルゴロのアレンジで録音されたもので、バックの演奏もとてもジャズっぽい。こちらも白人女性ヴォーカル・ファンには見逃すことのできない傑作だと思います。
THE NEW MILES QUINTET 2011年10月24日 23時47分54秒 | ブログ マイルスの歴史的オリジナル・クインテットの割には存在感の薄いアルバムですね。ご存じのようにコロムビアの「ROUND~」より後の録音ですが、いまいちグッとこないのはコルトレーンの出来があまり良くないことと、細かいところでのアナが結構目立つこと。でもマイルスのソロは抜群ですし、R・ガーランドが絶好調。この頃のガーランド、ホントに良かったな。それにしてもこのジャケット、ショボいです。
BALLADS AND BLUES 2011年10月20日 22時33分44秒 | ブログ M・ジャクソンの駄作ってあるんでしょうか?私は彼のプレイで今までがっかりした記憶がないですね。この作品は1956年のメンバーの異なる3回のセッションを一枚にしたものです。最初から聴いていくとスタンダードのバラードが続くので、「いいなぁ」と思いながらも年のせいかだんだんと眠くなってきたところに、絶妙のタイミングでブルースが入るという構成?秋の夜にお酒でも飲みながら‥には最適の一枚かも知れません。
THE SELDON POWELL SEXTET 2011年10月19日 23時05分08秒 | ブログ ルーストから廉価盤で出ていた頃買い逃していたアルバムがCDで再発されていました。しかも1000円!嬉しいですね。S・パウエルは抜群の名手であったにもかかわらず、リーダー作が少ない人でした。この作品は彼のベストとも言えるもので、スィンギーでリラックスした快演です。ギターにF・グリーンが加わっていて心地よいサウンドを演出しています。こういうジャズを「いいなぁ!」と思える年になったような気がしますね。←昔のルーストのセレクション盤のジャケットはこれでした。覚えてますか?
HANK MOBLEY SEXTET 2011年10月18日 22時41分08秒 | ブログ H・モブレイ(モブリー?モブレー?A・ブレイキーはカフェ・ボヘミアで「モゥブレィ」と言っています)はこの頃、録音が多いですね。このアルバムはちょっとギョッとするようなジャケット写真で印象に残ります。C・ポーターがアルトとテナーを吹いていて聴き分けも楽しい、上出来のハードバップです。もうひとつ注目はブルーノート初登場のS・クラーク。ちょっと遠慮気味に聴こえるのは気のせいでしょうか?