L アームストロングの数ある録音の中で、個人的には最も親しみがあり、好きなアルバムです。50年代のオールスターズで、何といってもB ビガードの存在が嬉しい。サッチのトランペットも若いころのハイスピード感は少ないとはいえまだまだ健在。CDになってボーナストラック(オリジナルのトラックよりも多い!)が加えられましたが、同じ曲が何回も出てきても全く飽きないです。数少ない「ずっと聴いていたい」と思えるレコードです。「Black &Blue」は必聴!
先日入手したヴェルディの「運命の力」のハイライト盤。この録音は歴史に残る名盤、いわゆる“神盤”ですね。録音は古いですがアナログ盤なので「声」が実に生々しく、名歌手たちの競演が大迫力です。テバルディ、デル モナコ、バスティアニーニ、シエピ、コリーナ、シミオナート…まぁ今では望めない超豪華キャスト。デル モナコとバスティアニーニの二重唱は本当に素晴らしい。50年代のイタリアオペラ、凄かったなぁ。
少し前に買ったフランチェスカッティのチャイコフスキー。ミンシュ~ボストンと共演した録音が有名です。本作はそれよりもかなり前、1950年代と思われます。10インチ盤ですから…。指揮はミトロプーロス、オケはニューヨークフィル。フランチェスカッティは、フランス人で、1902年生まれです。ジャズでいえばルイ・アームストロングと同世代。豊かな音量と美しい音色は言うまでもなく、録音の古さを感じさせない圧倒的な演奏に魅了されます。
車の定期点検で手広まで出かけたので、暇つぶしにJUNKレコードを探したらこんなに10インチ盤を入手。しかも1枚50円!(ジャンク品半額セールだった)。フランチェスカッティのチャイコフスキーやオイストラフのブラームス、ギレリスのアメリカ初録音など、なかなかの成果。クリーニングして聴いてみたらどれも素晴らしい音質で、疵もほとんどなく、大切に聴かれていたことがわかります。1枚に1曲、第一楽章を聴いたら裏返す…というのも、味わい深いものでした。
近年は素晴らしい女流ヴァイオリニストが次々と登場しなかなか追い切れないくらいですが、イザベル・ファウストもその一人。ブラームスのヴァイオリン協奏曲は素晴らしいディスクです。かつてこの曲は若くして飛行機事故で亡くなったヌヴ―とイッセルシュテットの録音が白眉で、今回並べて聴き比べてみました。とても違うタイプの演奏で、こうやって聴き比べるも楽しい。やはり第一楽章のオケの後に入ってくるヌヴ―のヴァイオリンには圧倒されます。ファウストは最新録音ならではの緻密な演奏。半世紀の録音技術の進歩に感動でした。
1960年のマイルスグループのヨーロッパツアーが、CD4枚組で発売されました。「KIND OF BLUE」のグループ(エヴァンスとアダレイはいないクインテット。ピアノはケリー)によるライブ録音ですから、貴重な音源です。1960年のパリ、ストックホルム、コペンハーゲンの各公演からセレクトされています。整理すると次のようになります。
①どのトラックをとっても素晴らしい。例によってマイルスグループのレベルの高さに驚嘆!
②コルトレーンがキレッキレ!凄いです。
③さすがにCD4枚組は通して聴くのは厳しい。
マイルスとコルトレーンの最後の共演ということで、聴き逃せないですね。もうひとつ付け加えるなら、P・チェンバースって凄かったんだなぁ。
ブランデンブルグ協奏曲、最初に聴いたのは当時(学生時代)名盤とされていたミュンヒンガー~シュトゥットガルト室内管弦楽団でしたが、全曲盤を通して聴いたせいか全貌がつかみきれず、若造の耳にはよくわからず仕舞。その後、かのリヒター盤の重厚な演奏を経て、このレオンハルト盤に至っています。何といっても錚々たるピリオド楽器の豪華メンバー!レオンハルトを筆頭に、クイケン兄弟、A ビルスマ、L ファンダール、ブリュッヘン…。こんなメンバーの演奏はもう望めません。御多分に漏れずいつもは3番と5番くらいしか聴かないのですが、通して聴いてみると、それぞれの楽器の聴かせどころなどもよくわかるものです。名手たちの明るく澄み切ったアンサンブルに拍手でした。ちなみに今人気のゲーベル盤ですが、ちょっと私はテンポについていけず😢やはり年でしょうか…。
アイラ―の音楽を聴いていると「フリージャズってこういう音楽なんだなぁ」と強く感じます。自由にやることの難しさをなんなくクリアしているというか…「JAZZってこういうもんだろう」って言っているような…。何かうまく言えないけれども、わかりますかね。そしてこの激しい演奏と異様ともいえる音色から伝わる暖かさや哀愁もアイラ―の魅力。このアルバムは1967~68年、インパルスでの録音。32歳でした。彼だけの持つ世界が繰り広げられていますが、アイラ―のレコードの中では比較的親しみやすいかもしれません。