NATURAL SOUND

音楽の話を中心に、日々のできごと‥

SOLO ON VOGUE

2013年06月30日 14時24分25秒 | ブログ
P1080290モンクが麻薬所持でB・パウエルと連座して、ミュージック・カードを取り上げられていた時期のソロ・ピアノ。1954年の6月にパリで録音されました。モンク37歳。おぉ、今気づいたけど、マイルスとのプレスティッジ・クリスマスセッションの年ですね。彼の最初のソロ・ピアノとして知られていて、古くからいろいろなカタチで繰り返し再発されています。個人的にはモンクの最も優れたソロ作品だと思います。何度聴いても飽きない。不遇の時代を感じさせない、ユニークで楽しく、美しい演奏。モンクのソロを‥という方には、まずこれからおススメしたいですね。ちなみにSJゴールドディスク。傑作です。




【BEST TRACK】 PRAYING WITH ERIC

2013年06月29日 22時11分48秒 | ブログ

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YouTube: Charles Mingus - Praying With Eric - Town Hall Concert (1964)

ドルフィーがヨーロッパで客死したのは、今から49年前の今日でした。彼の演奏を初めて知ったのはコルトレーンのグループでした。ヴィレッジ・ヴァンガードでの演奏やファイヴ・スポットでのリーダー作も素晴らしいけれど、私が若いころドルフィーの演奏で最も驚かされたのは、ミンガスの「Presents Mingus」でした。ドルフィーはミンガス・グループの居心地が良かったのでしょう。そんな気がします。このタウンホールでの演奏は、グループ全員が乗りに乗っており、初めて聴いたときの興奮は今でも忘れられません。30分にも及ぶ演奏ですが、是非聴いてみてください。




【BEST TRACK】 DONNA LEE

2013年06月27日 23時36分46秒 | ブログ

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YouTube: Clifford Brown Quartet in Philadelphia - Donna Lee

昨夜はブラウン忌でした。一日遅れですが、「DONNA LEE」について。かつては彼のラスト・レコーディングとされていた三曲のうちの最後のトラックです。その後、どうやらラストレコーディングではないことが判明して、伝説がひとつなくなってしまいましたが、それにしてもここでの三曲はどれをとってもブラウンの天才ぶりが伝わってくる演奏。とりわけこのC・パーカーの名曲は、ほとんどほかの人のソロが入らず、最初から最後まで縦横無尽にトランペットを吹きまくっています。最後の短いアナウンスも、彼の人柄の現れたメッセージで、観客の温かい拍手も良いですね。




SYMPHONY NO.94 “SURPRISE”

2013年06月24日 23時48分54秒 | ブログ
P1080293_2巨匠P・カザルスがマルボロ音楽祭でハイドンの「驚愕」を指揮したのは、1967年の夏。もう半世紀近く前の演奏ということになります。このレコードを買ったのは、1972年。当時は5年前の演奏でした(笑)。ハイドンは最近のマイブームなので、ひっぱり出して聴いたわけです。この演奏は本当に凄い!なんとこのときカザルスは90歳なのですから‥。知っている「驚愕」とはかなりイメージが違う演奏ですが、フレッシュで若々しく、聴き終わって思わず拍手してしまいました。




MAKOTO OZONE & GARY BURTON

2013年06月23日 21時16分25秒 | ブログ
P1080296今日は午後からみなとみらい大ホールへ、小曾根真とG・バートンのデュオを聴きに出かけました。二人が客席から登場するサプライズで、G・バートンが私の横を通ってステージへ。私の目を見てニッコリ!したような気がします。一曲目はなんと「アフロ・ブルー」!もう感涙モノでした。ゲイリーの四本マレットは全く衰え知らず。小曾根自身がMCで「まだまだ及ばない‥」と言っていましたが、ゲイリーの音色は特筆もので、アーティキュレーションの素晴らしさは、やはり超一流のミュージシャンの証でした。至福の週末。




BOBBY JASPAR

2013年06月23日 11時59分53秒 | ブログ
P1080287まだジャズを聴き始めて初期の廉価盤が売り出されたころに、CBSソニーから出た「DIAL JJ5」というアルバムで、テナーとフルートを吹いていたのがB・ジャスパーです。私自身の彼との出会いは、かなり前のことですね。若くして亡くなったジャスパーのリーダー作は極めて少なく、このリヴァーサイド盤は、彼の代表作です。G・ウォーリントン、W・ウェア、E・ジョーンズ(なんだか「OVERSWEAS」みたい‥)のリズム・セクションが好調で、ジャスパーの趣味の良いソロが際立っています。




LESTER LEAPS IN

2013年06月22日 23時28分21秒 | ブログ
P1080282このアルバムを聴いていて、やはり自分はこの頃のジャズが一番好きだなぁ、と実感しました。音源はコロンビアの「レスター・ヤング・メモリアル・アルバム」と同じで、2枚組のLPからのベストチョイス。CD化で音質もアップです。レスターのベイシー楽団時代の絶頂期の記録。ベイシー楽団のドライブ感も素晴らしく、向かうところ敵なし!という演奏です。これを聴かずしてレスターは語れないでしょう。ジャケットのイラストも愛蔵モノです。




A DROP OF THE HARD STUFF

2013年06月22日 00時48分18秒 | ブログ
P1080285自分自身が酒をあまり飲まないので、「飲んだくれ」の心理というやつがよくわかりません。今回のM・スカダーは一滴も酒を飲みませんが、それでもテーマは「酒」。それも「禁酒」。本編は、スカダーの思い出というカタチでストーリーが展開します。事件そのものは、これといった緊張感ある話ではなく、謎解きがどうのこうのというところは主眼ではないのでしょう。それよりも全編に漂うこの哀感、素晴らしいですね。極上のミステリ、と断言できます。英語で読むと、もっと面白味が深いかも知れません。翻訳も難しいでしょう。ところで、ローン・レンジャーの従者は「トント」ですよね。




BAVARIAN RADIO SYMPHONY ORC.

2013年06月16日 23時31分43秒 | ブログ
__バイエルン放送交響楽団が昨秋来日した時のベートーヴェンの交響曲全曲演奏会、のうち今夜は3、4、5番。三曲のうちでは4番が最も良い出来、と聴きました。おそらく指揮者(マリス・ヤンソンス)の持ち味だと思います。その分、5番には、あまり熱狂というものは感じられず、むしろかなり端正な印象。オケのメンバーは、クライバーと来日したころに比べると、随分若返ったようで、オーボエのイケメン君、ヴァイオリンの美女二人は気になりました。




CHI-NO-SOKO-NO-YAMA

2013年06月15日 23時45分40秒 | ブログ
P1080281私たちの世代が若いころに起きた事件をテーマにした作品は、フィクション、ノンフィクションを問わずたくさんあります。本作もは三井三池争議を背景に描かれた物語。二段組800余ページと、読みごたえがあります。三池炭鉱の争議や炭塵爆発事故のニュースは覚えていますが、当時は小学生ですからもちろん詳しくは知りませんでしたので、「こういう時代だったんだな」という面白さもありました。物語は一人の警官と亡くなったその父(こちらも警官で殉職)をめぐるミステリです。その中にさらに複雑な事件と人間模様を織り込みながら、ここまで構築した作者に脱帽!