P・マッカートニーは来年74歳になりますね。このアルバムは、タッグ・オブ・ウォー(82年)、パイプス・オブ・ピース(83年)に続いて三年連続で発表されたもので、全英1位。G・マーティンプロデュース作です。同名映画のサウンドトラックだそうですが、映画は全然知りません。「イエスタディ」や「ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア」など、ビートルズナンバーの再録音が聴けるのも魅力。J・P・ジョーンズやR・スター、D・ギルモアといったゲストの参加もまた魅力。
Stan Getz / Dizzy Gillespie / Sonny Stitt - For Musicians Only - Bebop
ジャケット写真の左からS・ゲッツ、D・ガレスピー、S・スティット。ヴァーヴお得意の大物セッションです。しかしこのアルバムは屈指の作品ではないかしらね。みなさん絶好調!特にスティットが素晴らしく、ここではアルトを吹いているので、ガレスピーとの共演も興味深いです。ガレスピーも上手いなぁ。1956年、ジャズのベルエポックですね。
50年代半ばのT・ファーロウの素晴らしさは良く知られています。とりわけ1956年の「タル」と「スウィンギング・ギター・オブ・タル・ファーロウ」はジャズ・ギターのバイブルですね。彼はその後長い隠遁生活に入ってしまいますが、本作はその復帰第一作。ピアノ・トリオと共演したカルテットです。マンドリンから入ってC・クリスチャンの影響を受けたという独特のスタイルや音色は健在で、見事な演奏です。個人的にはドラムがいないところで、ピアノの後ろで刻むタルのリズムが聴けないのが少し残念。というようなことを考えながら映像を漁っていたら凄いモノが見つかりました。「Fascinating Rhythm(魅惑のリズム)」T・ファーロウ、T・フラナガン、R・ミッチェルのギタートリオ。これぞジャズ!是非見てください。
朝から雨。ずっとスピーカーの前に座っています。録画しておいたアルゲリッチ~広島響の「平和への祈り」コンサートで聴いたのはベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。初期の作品ですが出版が遅かっただけで実は「2番」の位置づけ。なかなか聴く機会のない曲ですが傑作。第一楽章はベートーヴェンらしい長い導入部。広島響の演奏も上出来と思って聴いていたら、アルゲリッチの音が鳴り始めた途端、やはり世界が変わりますね。凄いな。緩徐楽章は独壇場です。第三楽章のオケをグイグイと引っ張る力も凄い。今年74歳。髪は真っ白になりましたが、超一流です。演奏の前にアルゲリッチが「被爆ピアノ」で弾いたマズルカの素晴らしいこと、そして詩の朗読をした娘さんがデュトワにそっくりなことにもびっくりしました。
Art Tatum's Tea for Two (1933)
A・テイタム、1933年。テイタムの最も初期の録音じゃないでしょうか。MCAの三枚組以前。こういう演奏を前に、言うことはないですね。