ボブ・ラングレーの『北壁の死闘』を読みました。


シュュペングラーは、ドイツでも有名なクライマーでした。友人の山岳事故でトラウマを抱えることになり、登山をやめていました。第二次世界大戦末期、イタリアの戦線にいた彼は、軍上層部から呼び出されました。山岳での極秘任務を担当する部署に抜擢されたというのです。ミッションに向けて訓練する施設に連れて行かれた彼を待っていたのは、アルプスでの過酷な訓練でした。


かつて彼が挑戦しようとしていたのは、多くのクライマーを惹きつけてやまないアイガー北壁でした。友人が事故で亡くなったのもここでした。トラウマを抱える彼は、訓練に際してこのトラウマを克服する必要がありました。一緒に訓練に臨んでいる女医のヘレーネにトラウマを打ち明け、話をしたりするうちに、彼は彼女に惹かれて行きます。ヘレーネの夫は弁護士で、ナチスに反対する言動が問題視されて殺されたのでした。
ミステリーというよりは山岳冒険小説でした。アイガー北壁がいかに困難な場所なのか、そして人々をなぜ惹きつけるのかよくわかりました。
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