Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

電話番号とメールアドレスを持つフォトスタンド

2009-05-20 23:17:11 | Thinkings

 デジタルフォトスタンドが、いつの間にか市場にあふれるようになりました。Sonyや富士フイルムと言った大手だけでなく、セガトイズのようなおもちゃメーカーや無名のPC周辺機器メーカーまで・・・売り場に行ってみると様々な種類のフォトスタンドがひしめき合っており驚かされます。最近ではUFOキャッチャーの景品にまで登場しており、見つけたときには冗談かと思いました。

 さて、私もくだんのUFOキャッチャーで取ったフォトスタンドを持っています。画質や視野角は安物だけに論外ですが、スライドショーで画像が切り替わっていくのは確かに楽しいものがあります。また、デジタルカメラが、携帯電話やはたまた一眼レフと言った裾野の拡大も含めて普及しきっているという背景から、手軽に「見るもの」を用意でき、プリントするよりも便利という点が受けているのではないでしょうか。

 このように、確かに需要が存在し、市場も拡大しているデジタルフォトフレームに、今度は少々変わり種が登場した模様。何しろ、販売元は携帯キャリアのソフトバンクなのですから。

電話番号アリのフォトフレーム「Photo Vision HW001」を眺める ITmedia

 無線LANやBluetoothではなく、携帯電話の通信機能を内蔵したデジタルフォトフレームが、ソフトバンクモバイルの「Photo Vision HW001」(Huawei製)。携帯電話などから画像付きメールを送信すると、自動的に受信して画面へ映し出す。

-中略-

 最大の特徴は通信機能(W-CDMA)の搭載だ。本製品はその外観こそデジタルフォトフレームそのものだが、一般的な携帯電話と同じく電話番号とメールアドレスをもっており、このメールアドレスへ画像付きメールを送信すると、自動的に受信し、写真を表示する。テキストで本文が添えられていた場合には、その文章も表示できる。

 PCやSDカードを介さず、メールに画像添付して直接送ることで簡単に画像を更新できるというのは確かに面白いかも。例えば「遠方に住んでいる親類縁者への贈り物にし、孫の写真を定期的に送信する」とか、「高いところ等のメンテが難しい場所へ設置し、画像の入れ替えにメールを利用する」と言ったことが思い浮かびます。もっと単純に、ケータイで撮った画像をお手軽に表示したい、と言う用途を想定しているんでしょうけど。

 ただ、このフォトフレームはあくまで「携帯電話」。当然毎月の固定費がかかります。先に挙げた「遠隔で使う」という用途以外、つまり、通常のフォトフレームと同じような使い方をする場合、毎月980円の固定費を払い続けるメリットを見いだせるかは、正直微妙なところじゃないでしょうか。多少面倒でも、SDカードを差せば使えるんだから普通のフォトフレームのが良いと思うのですが・・・

 さて、音楽やムービーが流せるものに続いて、とうとう「携帯電話入り」まで出現したフォトフレーム事情。次は、「ネットもできるフォトフレーム」と称して、タブレットタイプのネットブックを投入してくるメーカーが出てきそうな気がしてなりません。


クラウドのブラックボックスな未来

2009-05-19 17:55:54 | Thinkings

  クラウドという新しいサービス用語がIT業界に出現してから1年弱。この間に、IT業界界隈でのネットワークサービスの枠組みが大きく変わりました。
 具体的に言うと、先進性をアピールしたいのか、はたまたマーケティングの問題なのか、ASPやSaaSという、従来型のネットワークサービスの「名前」がネットニュースの新着情報から消えたことです。これは、クラウドサービスがそれら従来のサービスをすべて取り込むような、非常に大きな守備範囲を持つとされることにも一因があります。

 ただ、逆に言うならば、クラウドサービスは「ネットの向こう側にある何か」を使うという考え方に名前を付けているだけで、実際には曖昧で統一的なイメージがなく、名前のとおり掴みどころがないものだと言えるでしょう。これはクラウドサービス提供企業における事業形態がまちまちで、それぞれが独自色を打ち出そうと躍起になって(あるいは手探りして)いることからもうかがえます。

 例えば、Googleがクラウドと呼んでいるものは、実際にはGoogleの提供している独自アプリケーションの集合体を各企業ごとにカスタマイズして提供しているものですし、Amazonは自社サーバーから仮想化によって環境を切り出して、顧客がOSからサービスを構築できるスペースを提供できるもの。富士通が提供しようとしているのは、従来型のメインフレームのノウハウを最大限利用したもの・・・というように、各自が提供するウェブサービスを勝手にクラウドと呼んでいるに等しい状況です。

 しかも、一般的にクラウドと聞いて思い浮かべるような、データセンターから小割りしてサービスを提供するようなタイプではなく、情報漏洩やネットワーク遮断に対応するため、自社内にサーバーを持つ「プライベートクラウド」に至っては、従来型のクライアント・サーバーサービスとやっていること自体はなにも変わりません。ここまで来ると、一体全体どこをどう区分けしていいのやらわかりませんね。そんなわけで、クラウドサービスのことをWeb2.0と同じバズワード、つまり、売り込み側にとって都合のいい、実態のない言葉だとする向きもあるのです。

 ネットの向こうのブラックボックスを利用するというコンセプトは、各クラウドサービスとも共通ですが、このままいくとその言葉の意味するところそのものまでがブラックボックスに向かっていきそうです。

 ただ、クラウドサービスの大きな潮流として、データセンター投資がクラウドプロバイダや単独サーバーを持てるような大規模事業者へと集約されること。そして、これまで自社サーバーを運営できなかったSOHOや個人事業者のサーバー利用が促進されることは、間違いなく見込めることでしょう。
 これは、クラウドが注目されたことによって、ネットワークサービス提供形態に対するメリットやデメリットが洗い出され、選択肢も増えたことで、導入や採用検討が促進された面も間違いなくありますから、たとえバズワードだとしても、Web2.0とは違ってビジネス的には十分意味があったのではないでしょうか。

 そして、日本の企業の状況としては、NECや富士通といった、これまでメインフレームやサーバーを扱っていた業者が相次いで参入を表明しています。確かに、サーバーベンダーにしてみれば、事業の大きな転換期の到来といえるでしょう。有る意味チャンスだと思いますので、今後、日立などの参入も含め、躍進に期待したいとことです。

 結局のところ、クラウドという言葉自体にはウェブサービスの大きな枠組み以上の意味はないと思います。さらに言えば、クラウドの未来は、タイトル通りブラックボックスでしょう。今後、クラウド事業者がコスト削減にしか訴求力を注げないのなら未来は暗澹としているでしょうが・・・

 コストと機能の両面において、プロバイダはクラウドという旗の元、どのようなサービスを提案していくかという努力を強いられるでしょう。今の時点で、コストだけ、機能だけで、ましてクラウドであると言うだけで話題性を集められる段階は過ぎ去ってしまいました。
 そして、各社ごとに全く違うサービスに対して、ユーザーは自社の事業形態にもっともマッチするサービスをいかにしてチョイスするか。要するに、クラウド前と考えるべきことは何も変わっていません。しかし、ウェブサービスという選択肢としての”重み”は、クラウド前に比べてずいぶんと重くなったのではないでしょうか。


毛色の違う検索エンジン「Wolfram|Alpha」は成功するか

2009-05-18 19:37:04 | Technology

 このブログを開設してから、せいぜいMSNがどうのとか百度の進出がとか、Cuil始動くらいしかエントリーのない、実はかなりレアな話題である「新しい検索エンジン」そのものの話。目の前にそびえ立つのは、Google(日本だとYahoo!も)の高いシェアの壁。それを超えるか、とネットニュースの新着記事であおられるも、今現在の状態は・・・と言うところは共通していますね。

 つまり、GoogleやYahoo!がツールとして浸透しきってしまった今、よほど画期的でないと「新検索エンジンで天下を取ろう!」というビジネスモデルは実にリスキーってことです。少なくとも、従来型の単語一致検索式エンジンではよほどの事がない限り、大きなシェアを取ることは絶望的でしょうね。

 では、「単語一致式ではない検索エンジン」ならどうでしょうか?

Googleを超えるか? 新検索エンジン「Wolfram|Alpha」公開 ITmedia

 Googleキラーと期待される検索エンジン「Wolfram|Alpha」が一般公開された。現時点では日本語には対応していない。

 Wolfram|Alphaは従来の検索エンジンとは異なり、事実に関する質問に答えるナレッジエンジン。理論物理学者で数学ソフトを扱う米Wolfram ResearchのCEO、スティーブン・ウルフラム氏が開発した。

 事実に関する質問に答えるとは、その文言の通り、

「円周率の300けた目は?」
「obama birthday(オバマ大統領の誕生日)」

と言った質問や知りたいことを入力する事で、その答えを知ることができるというもの。

検索エンジンの専門家ノバ・スピバック氏は3月にWolfram|Alphaのデモに参加した際に、Wolfram|Alphaは幅広い質問への答えを提供し、データベースから答えを探すのではなく回答を計算するという点でGoogleよりもずっとスマートだと評価していた。

という意見もありますが、Wolfram|Alphaはあくまで「答え」を表示するのみ。関連するページに導いてくれる訳ではありません。つまり、Googleや、他の検索エンジンのように「目的のウェブページを探す」という使い方とは一線を画しています。逆に言えば、そういう使い方はできません。Googleキラーとかたいそうな見出しで元記事は書いてありますが、全く別のベクトルの検索エンジン・・・というか、ナレッジベースのゲートウェイなのです。

 と言うわけで、コンセプトを額面通りPRしていけたなら、確かに全くスマート且つ便利な道具になり得ます。自然言語解析を行っている関係上、他言語対応が難しいという面があるにせよ、数学的なものや一般的な「調べ物」をする際には大きな武器になるのではないでしょうか。


楽天の「あす楽」はAmazonには真似できない

2009-05-17 23:57:49 | Thinkings

 最近はネットショッピングに対する敷居が・・・物理的には大して昔と変わったわけではないですが、一般に浸透することによって精神的な障壁がだいぶ低くなったような気がします。やっぱり代引きという制度は偉大だと思いますよ。

 私もネット経由、と言ってもほとんどがAmazonなんですけれど、買い物がそれなりに増えてきました。買いに行くのが面倒なときや、予約商品を買うときには便利ですし、店頭にない商品でもAmazonならあるいは、という安心感がありますし。Amazon以外でも、一部の電化製品等は店頭よりもずいぶんお安く買えますので、とりあえず価格.comで値段を調べてから・・・という買い方が定着してしまいました。

 しかしながら、便利である反面、ネットでの購入には実際の店舗にはない不便な点もそれなりにあるのは周知のところ。まず、商品が手にとって見られない、そもそも商品が届かないかもしれない、返品や保障修理が面倒・・・といったことの他に、「買ってすぐ商品を受け取れない」というところがります。

 通常Amazonのようなネット店舗の場合、購入手続きを済ませた次の日に発送手続きをし、その翌日、もしくは翌々日には運送会社の手によって購入者の元に商品が届けられます。タイムラグは中1日から2日。いくら安くても、「すぐ使いたい」と言うときにはいろんな意味で妥協が必要な点があります。
 このような不便を少しでも解消するため、Amazonでは「お急ぎ便」というサービスを用意しています。別料金を払うことで当日、もしくは翌日に商品を受け取れるというものなのですが、Amazonの日本での配送拠点は千葉県に二カ所のみ。お急ぎ便にして翌日、確実に荷物を受け取れるのは関東圏のみです。今後大阪の拠点が稼働すれば状況が多少変わるでしょうが、どちらにしろ地方には縁のないサービスですね。

 ところが、楽天の場合はその事情がちょっと異なるみたいです。

楽天、翌日配送サービス「あす楽」の対象商品を拡大 INTERNET Watch

 楽天は15日、「楽天市場」で展開している翌日配送サービス「あす楽」の対象ジャンル・商品を拡大した。
 楽天では2008年10月、楽天市場の翌日配送サービスを統合し、「あす楽」という名称でサービスを開始。「あす楽」では、全国を10地域に分け、該当エリア内に登録されている商品の購入手続きを正午までに行えば、商品が翌日に配達される。

 楽天とAmazonの一番の違いは、Amazonが単一店舗である事に対して、楽天は専門店の集まりであるショッピングモールであること。小売店に対して、楽天ショップとして統一された決済システムや店舗横断の検索を提供する、言わば大家と店子の関係であるわけです。ですので、実際の店舗は全国津々浦々に存在しますので、ユーザーと店舗のエリアが重なれば翌日配送ができるという訳です。これは、拠点を絞っているAmazonには真似のできないメリットです。もっとも、自分の求める商品を扱う店が、必ずしも翌日配送のエリアにあるわけではない、という悩みも当然あるわけですが。

 Amazonにしろ楽天にしろ、その形態は大きく違うけれど、利用するユーザーからしたら決済方法が一本化されており、かつそのネームバリューによる安心感という付加価値を受けるところは一緒です。どちらが良いという議論は置いておいて、それぞれの運営形態にしかできないサービスを、今後も模索し、提案していっていただきたいものです。

 ・・・Amazonの配送拠点、名古屋あたりにもできないでしょうかねえ。


これも一つのきっかけとして 「けいおん!」で楽器に注目

2009-05-16 17:56:42 | Thinkings

 最近、私にとってチト困ったことが起きました。事の発端は私がギターを買ったことにあります。

 実は、私の地元の連れが結婚することになりまして、仲間内でも何か余興をやろうと言う雰囲気に。そこで、半ば強引に私が「バンドやろうぜ!」という流れに持って行ったのです。元々、私はドラムをやっておりましたが、他のメンバーは一からのスタート。そこで、当日やらないにせよ、良い機会だから私もギターを初めてみるか、と思い立ったわけですよ。

 そのような経緯をばっさりはしょって、大学の連れに「ギターを買った」とだけ伝えたところ、「けいおん!の見過ぎ!」と返されたわけでございます。私はここ最近、全くアニメ・・・どころかテレビもろくに見ていないため、当然けいおん!なんて知るよしもなく、「けいおん!ってなんだよ?」と小首をかしげつつ、経緯を説明することになりました。

 よくよく話を聞いてみますと、けいおん!というガールズバンドを題材にしたアニメがあり、元々それを見ている人たちがバンド活動とはあまり重ならなかったため、楽器の潜在的なユーザーに対して大きなマーケティング効果があったみたいです。そこで、Amazonやネット展開している楽器店にページビューが殺到。普段からは考えられないくらい、楽器界隈にユーザーが殺到しているとのこと。
 ついには、ヤマハ音楽教室にまで影響が波及していると言うからちょっと驚きですが・・・

ヤマハ音楽教室も「けいおん!」人気にあやかりたい? ITmedia

 京都の音楽関連ショップ「JEUGIA」(ジュージヤ)が展開しているヤマハ音楽教室の紹介ページのうち、「エレキベース」「エレキギター」「ドラム」「キーボード」「ボーカル」に「けいおん」が登場。

 例えばエレキベースなら、「『けいおん』の秋山澪が好きな方にもオススメ」、ドラムなら「けいおんの田井中律が使っているヒップギグのヤマハでドラムを習っちゃおう!」といった調子。けいおん好きで楽器を購入したが、独学ではなかなか演奏できない……と悩むファンにはぴったりかもしれない。

 地元の今度バンドをやる仲間内からも同じようなことを言われたなあ、と思いつつ、今後もこういう弁解を続けるのは面倒だと思った次第です。

 ただ、どんなきっかけであれ、楽器を・・・というか新しい何かを始めるきっかけになっているというのは良い傾向です。私だって別の連れの披露宴の余興が無ければドラムなんて叩いていませんでしたし、ギターにも興味を持つことは無かったでしょう。けいおん!だって経緯が違うだけで十分なきっかけです。それから続いていくかというは別問題としても、趣味の間口を広げると言うことは良いことだと思いますよ。

 楽器というのは、それが何であっても、できればそれだけでも楽しいものです。今回始めた人たちの中で、できるだけたくさんの人が趣味として続いていったらいいなあ、と個人的には思うのですけれどね。


HDMI 1.4の規格が判明 双方向通信を強化サポート

2009-05-15 19:38:42 | Technology

 デジタル通信方式は、なんだかんだ言って電化製品との親和性が高いですね。音質は諸説ありますけれど、オーディオケーブルをデジタルに交換すると、今まではLとRで二本のケーブルが必要だったところが一本にまとめられたり、テレビやラジオで、よりクリアな映像や音質を得られたりしますからね。

 そして、もう一つ。テレビを中心としたAV家電を使っていく中で、HDMIケーブルの存在を忘れてはいけません。ただでさえ大混雑するテレビの裏側・・・レコーダーにCSチューナー、AVアンプ、PS3にWiiにXBOX360・・・それらのケーブルが縦横無尽に這い回って、もう本当にカオスですよ。接続の相関関係はたいしたことないんですが、電源ケーブルも機器間のケーブルも物理的なものなので、とにかくかさばってしまうのですね。もう、本当に大掃除のことなんか考えたくないですよ?

 HDMIケーブルは、映像と音声をまとめて送れますので、レコーダーからテレビの接続時にわずか一本のケーブルをつなぐだけでOK。テレビやレコーダー裏の端子部は大渋滞になりがちですが、これだけでもずいぶんとすっきりします。
 そして、バージョンアップしたHDMI 1.4では、さらにケーブルの数を減らせるみたいですよ?

HDMI 1.4、IPデータ通信や双方向の音声通信をサポートへ engadget

 一番の目玉機能は、イーサネット規格のデータ通信サポート。名称はHDMI Ethernet Channel(HEC)となる模様です。たとえば現在はネットワーク対応のテレビとゲーム機、レコーダーがあればそれぞれにLANケーブルを繋ぐ必要がありましたが、HDMI 1.4ではテレビをインターネットに接続しておけば、そこからHDMI一本で繋がったゲーム機もネットへ繋がります。通信速度は100Mbps。残念ながら利用には新しいケーブルが必要とのこと。

 つまり、基幹となる機器、例えばTVにLANケーブルをつないでおけば、後はHDMIでつなぐだけでネットワークが構築できると言うこと。これでハブとケーブルがごっそり減らせます。無線LAN使えばいいって話ですが、パスワード設定の面倒くささが無くなるのはうれしいところですね。
 それから、音声の双方向通信にも対応。スピーカーで音を鳴らしながら、マイクで会話を受けるといった使い方ができますね。あとは、フルHDまで対応だった動画解像度を4096×2160まで拡張するとか。

 改良点を挙げながら思ったんですけど、まあ、一般的な使い方だとあんまり恩恵は受けられないか、まだもうちょっと環境整備に時間がかかるという印象です。しかしながら、ケーブル一本とっても、こっちの技術は日々進歩していくんだなあとぼんやり考えた次第。

 とりあえず、4k対応の映像機器が出てくるまでは、搭載機器も普及しないでしょうから、当面の間は未来の規格って事になりそうですねえ。


電気自動車の「電池交換」をスタンドで

2009-05-14 19:00:17 | Technology

 近頃、ハイブリット車がずいぶんと普及してきています・・・といっても、プリウス他トヨタ車数車種とホンダのインサイトくらいの話なのですが。

 これらのハイブリット車は、普通車に比べて燃費が良く、一回の給油で普通車の1.2倍から2倍程度の航続距離を稼ぐことができますが、これが電気自動車ともなると話はがらりと変わります。現在の電気自動車は、一回の満充電で150km程度の航続距離がスタンダードです。日常だと問題ないですが、いざ遠乗りを考えるととたんに心許なくなりますので、この部分が解決されないことには一般への普及は難しそうです。

 さて、そこでアメリカのベンチャー企業「ベタープレイス」が考えたのはこんな手法です。

電気自動車の電池交換わずか90秒 米企業が実演 中日新聞

 電気自動車の内蔵電池を自動交換するシステムを、米国のベンチャー企業「ベタープレイス」が13日、横浜市内で報道陣に公開した。電気自動車は1回の充電による航続距離の短さが難点だが、専用ステーションで素早く電池交換できれば、普及に弾みがつくと期待されている。

 つまり、航続距離が切れたときに電池を「充電」するのではなく、「交換」するという考え方です。正に発想の転換!充電池の交換が素早く行えるステーションが点在していれば、今よりも手軽に電気自動車に乗れるようになるという寸法です。ユーザーに取っても、充電池を常に交換していくため、ヘタリをあまり気にしなくて良いという利点があります。

 ただ、そのヘタリをどう吸収していくかと言う問題と、そして何より、このベンチャー企業が想定するように、電池を交換できる車種ばかりが計画されているわけではないと言うこと。なにぶんベンチャーですから、今後よりよいプランを示していけなければ規格に対して影響力も無いでしょうし、これの事業化は難しいんじゃないでしょうか・・・

 ただ、自動車各社が音頭をとるなら話は別・・・とはいえ、なにぶん150kmの制限はつきまといますので、都心部に限定し、かつ車とセットで展開していくならば、まだ普及の目はあるかもしれませんね。要するに、一般家庭にはこのシステムは合いそうにないでしょうね、ってことです。


予想の斜め上を行く 乾電池駆動のノートPC

2009-05-13 23:20:15 | Thinkings

 最近、ちょっと探しているものがありまして。
 私はiPhoneの他に、CreativeのMuvo N200というプレイヤーを日常的に使っています。初代iPod Shuffleと同時期に発売された、今となっては骨董品なのですが、ドラッグドロップでの曲転送に対応していることと、単四電池駆動でバッテリーのヘタリを気にしなくて良いことから今でも現役です。

 ところが、床に落とした拍子に電池ボックスの蓋の爪が折れてしまうと言うアクシデントが発生。閉まらないことはないですが、やっぱり問題です。あと、経年劣化で外装が反ってきまして、接合部分にすき間ができたために瞬間接着剤で補修しているなど満身創痍の状態。と言うわけで、単四電池駆動のMP3プレイヤーを捜しているのですが・・・これがなかなか見つからないんです。上海問屋で見つけた999円プレイヤーはさすがに、と思っていたらこれも在庫切れになってしまいましたし。いまは安いプレイヤーでも充電池がスタンダードなんですね。

 これはポータブルゲーム機でもそうですし、最近ではポータブルスピーカーなども充電池を搭載しているものが増えてきました。乾電池から充電池への流れはもはや止められないのか、と思っていたら、意外なところから伏兵が現れました。

乾電池で動く200ドルのミニノートPC ITmedia

 NorTecの「Gecko EduBook」は8.9インチディスプレイを搭載した小型で安価なノートPC(Netbook)。過酷な環境でも長期間使えるように設計されている点が通常のNetbookとは異なるという。

 EduBookは、クロックスピード1GHz、消費電力1.2ワットの省電力CPU「Xcore86」を採用し、冷却ファンを省いている。OSは Ubuntu Remixがプリインストールされるが、ほかのLinuxディストリビューションやWindows XPにも対応する。ストレージは2.5インチHDDかフラッシュメモリを選択可能。バッテリーは単3電池8本(駆動時間4時間)あるいはリチウムイオンバッテリーを使用できる。

 そう、ノートPCです。黎明期からほぼすべての機種が充電池を採用してきたノートPCに、まさかの乾電池駆動モデルが登場。たしか、まだラップトップと呼ばれていた頃に、そんな機種があったような気がしないでもないですが、Windows7がリリースされようかとするこの時代になってまさかの復活ですよ。

 そして、採用OSはWindowsXPかubuntu、正真正銘x86マシンです。価格も200ドルからと激安で、しかもファンレスという点がすばらしい。タイの底力を見た気がします。

 ちなみに、使われているXcore86というのは、Xcore社の製品で、ホームページはこちら。内容を見る限りでは、「低消費電力であること」「オールインワンプラットフォームを提供すること」「新興企業であること」が読み取れますが、どうやらAtomやEdenのような立ち位置の製品みたいです。処理性能には期待できませんが、ファンレスのジュークボックスや普通のネットブックの使い方なら問題なさそうです。

 いざとなったらコンビニに駆け込んで延命できるというのは地味に利点になりそうですが面白い製品ですが、これに限らず、近頃はおもしろいネットブックがいろいろ出てきて、ますます混迷を極めているように感じます。こういう市場の中では、この製品の様にインパクトを持っている製品というのはどうしても目立ちますから、是非とも各メーカーさんには「一芸に秀でた」ネットブックを検討していただきたいところです。


Windows 7は年内発売に

2009-05-12 23:59:59 | PC

 意外と早かったかなあ、と言うのが素直な感想です。もちろんWindows 7の発売時期の話ですよ?

 元々「2010年」と、アナログ放送の停波よりも一年早い時期に発売が予定されていたWindows 7ですが、予定が半年ほど前倒しされ、2009年の第3から第4四半期に発売されるとか。

Windows 7の2009年内の発売が確定 PC Watch

 米Microsoftは11日(現地時間)、Windows 7の年内の出荷がほぼ確実であるとの見通しを明らかにした。

 現在、Windows 7は製品候補版が公開され、最終的な検証とそのフィードバックに基づく改善などが行なわれている。同社のスタッフがWindows 7公式ブログで明らかにしたところによると、進捗は順調であり、今後3カ月以内に開発が完了(RTM)し、年末商戦の時期の発売がほぼ確実という。ただし、最重要課題は品質の確保であり、この見通しが崩れる可能性もゼロではないとしている。

 なお、価格についてはまだ情報は公開されていない。

 もとのソースが短かったため、久々の全文引用です。これまでのβ版やRC版の評価によってだいたいの概要はしれていますので、あくまで販売時期が決まっただけというアナウンスになっています。

 ちなみに、元々はマイクロソフトが言い出したことではなく、某台湾のPCメーカーが「プリインストール版が年内に発売できそうだ」と公の場でぽろっと言ってしまったことから、渋々正式なアナウンスを出したと思われます。・・・と、そういう効果を狙ったとも考えられますが、層じゃなかった場合、もうちょっとメーカーに対する情報規制を強化した方が良いと思うんです。iPodの情報がだだ漏れになっているAppleもそうですけどね。

 ところで、ちまたで不評のVistaの”最新バージョンでいられた期間”は短かったのでしょうか?歴代のWindowsと比較してみましょう。

発売年

バージョン

次までの年数

1992

Windows 3.1

3

1995

Windows 95

3

1998

Windows 98

1

1999

Windows 98 SE

1

2000

Windows ME

1

2001

Windows XP

6

2007

Windows Vista

2

2009

Windows 7

-

 実際には、Vistaは年頭、そして7は年末近くに発売予定ということで、だいたい3年のスパンがとれています。よって、Meを”無かったこと”にすると、XPが例外的に2期任期をつとめただけで、基本的には標準的な流れであったと言えます。むしろ、見るべきは98からMeの流れの様な気が・・・。

 実際、この説明は何度もしているんですけれど、やっぱりXPが長く君臨しすぎたせいか、Vistaを「擁護」している私自身、Meのような扱いという印象はぬぐえないのが現実です。前バージョンの方が人気があり、且つ、次期バージョンに大きな期待がかかっているところまでそっくりです。・・・うーん、不憫。最近のハードウェアで使う限りはXPよりも快適だと思うし、次の7はVistaをベースにしているわけで、不評なインターフェイス周りはそんなに大きくは変わらないと思うんですけど・・・やっぱり第一印象は大事って事でしょうか。

 さて、これらを踏まえてWindows7はどれくらい”保つ”か。とりあえず3年後が楽しみですね。


ドコモの一斉同報サービスは危機管理の福音となるか

2009-05-11 18:36:42 | Thinkings

 情報の共有というのは、組織を動かしていく上で大変重要なファクターです。それも、置かれた状況が悪ければ悪いほど、迅速且つ確実なものが求められます。

 例えば、先日のテポドン発射に伴う情報共有手法は非常に稚拙なものでした。国から発信された警報を秋田県が受け取り、それをプリントアウトした上で、離れた部屋にあるFAXで各市町村に流す。受け取った各自治体は同胞無線で放送をかけるという、とても一分一秒を争うような伝達システムとは思えません。

 それは極端な例だとしても、連絡網や、あるいはメールの一斉送信という形で緊急時の連絡経路を整備している場合が多いかと思いますが、連絡網はなにぶん手間や時間がかかりますし、メールも含めて即時性・確実性に欠けるところがあります。

 今回ドコモが提供した一斉同報サービス(仮称)は、それら連絡経路に追加できる新たな手段を提供するものです。

NTTドコモ、緊急時の同報ASPサービス「一斉同報サービス(仮称)」を開発 CNET

 一斉同報サービス(仮称)は、広域、多拠点間での情報共有を、音声、FAX、メールの複数の手段により迅速に可能にするもの。最大200ユーザーが参加可能になる予定という。

 防災用途など緊急時の通信手段の確保を検討している官公庁や自治体、グループ通話などの同報機能を必要とする法人向けに2010年4月からの提供を目指す。

 一斉送信だけではなく、最大10端末までなら双方向通話に対応しているところがポイントで、災害時や作業時などに、各自の状況を迅速に共有することができます。言わば大規模なトランシーバーですね。

 問題は、他キャリアの端末でも使用できるかどうかですが・・・とりあえず、企業で一括導入している場合などは、非常に強力なツールになると思います。また、とりあえず、幹部のみ支給という形でも、緊急時の意志決定がスピードアップして行えるようになるのでは?

 あとは、官公庁を中心にどこまでユーザーを増やせるか・・・ミサイルやインフルエンザが話題になっている昨今、このサービスにとって非常に追い風なんじゃないでしょうか。