Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ソフトバンク、通信速度制限を導入へ

2009-05-27 18:18:27 | Thinkings

 今時の携帯電話に必須・・・とは言えないけれど、契約しておいた方が安全なものとして、「パケット通信定額サービス」というものがあります。基本的に、携帯電話でのパケット通信は単価が高く、PCと同じ感覚で使っているとあっという間にとんでもない金額が請求されることになります。具体的に言うと、着うたフルを一曲300円で落としたときに、その5倍くらいの通信料がかかっている感じですね。しかしながら、そのような比較的”重い”データを扱うサービスが多くなってきたのを踏まえ、各社が初期費用を抑えたパケット通信定額性サービスを導入しているため、「後でびっくり」という悲しい事件は少なくなってきています。

 逆に言えば、今、世の中には、パケット通信が使い放題の端末があふれているということになります。ですので、今回のソフトバンクの発表は、驚きよりも、「ついに来たか」という感覚が強いです。

通信品質確保対策の試験導入について softbankプレスリリース

 ソフトバンクモバイル株式会社(本社:東京都港区、社長:孫正義)は、通信品質およびネットワーク利用の公平性確保のために、パケット定額サービスに加入し一定期間に大量の通信をご利用される一部のお客さまに対して、通信速度を制御する試験を実施します。なお、通信の切断は行いません。

 今回のような通信制限をソフトバンクが行うことについて、実はすでに予兆はありました。

iPhone 3G+無線LAN 快適無線LANでiPhone 3Gフル活用

 iPhoneを始めとする、Wifiを搭載しているスマートフォンを契約している顧客に対して、無線LANルータを特価で提供するというキャンペーンです。ソースではPlanexのルータですが、FONのルータも扱っていたようです。これらの対策は、基本的にネットワークでの使用が主となっているスマートフォンユーザーに既存のインターネット回線を使ってもらうことで、ソフトバンクの3G回線の負荷を軽減しようとして導入された「苦肉の策」でした。元々、ドコモ、auに比べて回線網が弱かったソフトバンクにとって、パケット定額性は非常に負担になっていたはず。未だにPCの常時接続サービスを導入していないのも、その当たりの事情があるのではないでしょうか。

 導入は良いとして、気になるのは「どの当たりから大量の通信と見なされるのか」について。PCと違い、携帯電話で大量のデータをダウンロードすると言う使用方法はあまり考えにくいのです。メールのやりとり程度ではとてもじゃないけれど帯域制限がかかるとも思えないんですが、強いて言うならば動画のストリーミングが挙げられるでしょうか。ニコニコ動画やYouTubeの携帯向けサービスを四六始終使っているなら分かるのですが・・・実際の本稼働は11月からと言うことで、そのときには制限される下限も発表されるでしょうから、とりあえずはそれ待ちですね。

 それにしても、このような制限を掛けると言いつつも、iPhoneの実質0円キャンペーンを続けたり、定額サービスをドコモに合わせて引き下げたり、迷走に見られても仕方がないような施策がちょっと目立ちます。今後通信網の強化が、ソフトバンクにとって大きな課題になってくるのではないでしょうか。・・・それとも、4Gまで待ちですか?