Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

新型インフルエンザのおさらい

2009-05-03 23:59:59 | Thinkings

 今年のゴールデンウイークは、大方の予想通り高速道路が大混雑。近くに乗り口があるのですが、30kmの渋滞とかありえませんから。ETCのおかげで料金所はスムーズでも、道中のキャパが足りなければ同じ事ですよねえ。あ、もちろん私は遠出なんてしていませんとも。・・・行くところも無いですしね。

 さて、このような外出ラッシュの一方で、世間様では気になると言うか、不安をあおるニュースが繰り返し報道されていますね。そう、新型インフルエンザの話題です。

 SARSの流行からこっち、伝染病に関するニュースが毎年のように報じられており、そのたびにマスクなどの予防用品が飛ぶように売れています。・・・ああ、他意はないですよ。念のため。ここ数年のトレンドは「インフルエンザ」。おきまりの文句は「大流行の場合、犠牲者は最大で数十万人」。
 しかし、インフルエンザの日本名は流行性感冒、つまり風邪です。また、世間的にも「冬に流行るものの、数日寝ていれば直るやっかいな風邪」程度の認識なのに、なぜそこまで騒がれるのでしょうか。

 まず、インフルエンザはただの風邪ではありません。「感冒=風邪」とは、のどの痛みや発熱、関節の痛みと言った、世間一般で風邪とされる症状をひっくるめたおおざっぱなもので、通常は単なるのどや扁桃腺などの炎症であることが多いです。その場合、人への感染はしませんし、もちろん流行もしません。対してインフルエンザは、インフルエンザウイルスが空気感染することによって広がっていくれっきとした感染症であり、過去に何度も大流行を巻き起こし、数千万人単位の死者を出した病気なのです。症状は風邪に似ている・・・というよりも風邪の症状を示しますが、その症状は段違いに重くなります。

 また、インフルエンザウイルスには「型」、つまり種類があります。よく言われる「香港A型」とかがそれで、毎年どんな型が流行るかを予想してワクチンを用意することになるのですが・・・この予想が外れたり、全く新しい型にウイルスが「変異」したりすると、抗体やワクチンが効かずにパンデミック(大流行)が起こると言うわけです。
 そして、型によっては高確率で死に至るような強毒性を示すものがあり、過去に猛威をふるってきました。要するに、インフルエンザウイルスが全部死に至ることもある病ではないのです。ただ、最近話題の「鳥インフルエンザ」が強毒性を示しており、この鳥インフルエンザが人から人へ感染できるよう変異すると大変なことになる、と恐れられているのです。

 幸いにも、鳥インフルエンザが変異して、人から人へと感染すると言うことは確認されていませんし、豚インフルエンザ改めインフルAは香港A型と同じ弱毒性です。しかしながら、豚や鳥という身近な動物がキャリアとなっている以上、いつ強毒性インフルエンザウイルスの変異によってパンデミックが起こるか分かりません。人混みや不特定多数が出入りするところへは予防をしていく、体調管理に注意するなどの対策を立てることは、せめてやっておいた方が良いかもしれませんね。