Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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ドコモの一斉同報サービスは危機管理の福音となるか

2009-05-11 18:36:42 | Thinkings

 情報の共有というのは、組織を動かしていく上で大変重要なファクターです。それも、置かれた状況が悪ければ悪いほど、迅速且つ確実なものが求められます。

 例えば、先日のテポドン発射に伴う情報共有手法は非常に稚拙なものでした。国から発信された警報を秋田県が受け取り、それをプリントアウトした上で、離れた部屋にあるFAXで各市町村に流す。受け取った各自治体は同胞無線で放送をかけるという、とても一分一秒を争うような伝達システムとは思えません。

 それは極端な例だとしても、連絡網や、あるいはメールの一斉送信という形で緊急時の連絡経路を整備している場合が多いかと思いますが、連絡網はなにぶん手間や時間がかかりますし、メールも含めて即時性・確実性に欠けるところがあります。

 今回ドコモが提供した一斉同報サービス(仮称)は、それら連絡経路に追加できる新たな手段を提供するものです。

NTTドコモ、緊急時の同報ASPサービス「一斉同報サービス(仮称)」を開発 CNET

 一斉同報サービス(仮称)は、広域、多拠点間での情報共有を、音声、FAX、メールの複数の手段により迅速に可能にするもの。最大200ユーザーが参加可能になる予定という。

 防災用途など緊急時の通信手段の確保を検討している官公庁や自治体、グループ通話などの同報機能を必要とする法人向けに2010年4月からの提供を目指す。

 一斉送信だけではなく、最大10端末までなら双方向通話に対応しているところがポイントで、災害時や作業時などに、各自の状況を迅速に共有することができます。言わば大規模なトランシーバーですね。

 問題は、他キャリアの端末でも使用できるかどうかですが・・・とりあえず、企業で一括導入している場合などは、非常に強力なツールになると思います。また、とりあえず、幹部のみ支給という形でも、緊急時の意志決定がスピードアップして行えるようになるのでは?

 あとは、官公庁を中心にどこまでユーザーを増やせるか・・・ミサイルやインフルエンザが話題になっている昨今、このサービスにとって非常に追い風なんじゃないでしょうか。