Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

Google Waveのもたらすもの

2009-05-29 23:59:59 | Technology

 最初にこのニュースを見たときは、正直言ってなんのことか分かりませんでした。そして、そのデモの内容を追っていくうちに、実はとんでもない可能性を秘めたツールじゃないのか、いやそうに違いないと思うようになりました。なんのことかと言いますと、Google Waveのことです。

 【詳報】Google Waveとは何なのか? @IT

 米グーグルは5月28日、米国サンフランシスコで開催中のイベント「Google I/O 2009」で、まったく新しいメッセージングおよびコラボレーションのためのプラットフォーム、「Google Wave」を発表した。同日、開発者向け早期プレビューとして公開。限定的にアカウントを発行して、外部の意見を取り入れながら開発を進める。

 はっきり言って、ここでGoogle Waveの詳細を書き記すのは非常に難しいです。概念的には、「メール+メッセンジャー+Wikiをリアルタイムで共有するもの」・・・と言うのが近いでしょうか。
 何でも、そこで行われている”会話”全体を一つのオブジェクトとして扱い、それを会話に参加している全員で共有すると言うところがキモのようです。それによって、普通のIMとは違い、過去の発言に誰もが注釈を入れたり、履歴付きで変更を掛けることができたり、文字入力の過程が逐一見えるくらいリアルタイムに情報を共有できるようです。他にも、Webベースのツールにもかかわらずドラッグドロップを採用していたり、メンバーという形でボットと呼ばれる拡張ツールを導入することで外部のブログと連動できたり、同じくボットを使うことで、例えば英語とフランス語を同時翻訳しながらチャットができたり・・・

 つまり、既存のツールをミックスして、メールやIMの次のコミュニケーションツールを目指すための機能がてんこ盛りになっているため、文章だけでは恐ろしく分かりづらくなっています。やはり、引用元に一度目を通されることをおすすめします。読んでいけば、いかに今までの常識から外れたツールかというのを感じ取ることができるのではないでしょうか。

 そして、このWaveを、これまでGoogleが提供してきたツールと違ってオープンソースで公開すると言います。他社でWaveサービスが運営されることよりも、Waveの裾野を広げること、機能をより拡張していくことのほうが大切だという判断ですが・・・WaveにかけるGoogleの意気込みが透けてくるようです。

 確かに、電子メールは、IMは、登場からずいぶんと長い時間が過ぎ、比較的新しいBlogやSNSでさえ、数年がたっています。それらすべてを内包するかのような新しいコミュニケーションツールとして、Google Waveは開発され、私は個人的に大きな期待感を持ちました。・・・まあ、相手がいてこその話ですが、「オンラインでないと存在し得ない」「どの環境でも使える」「とりあえずこれがあれば完結する」というすべての要素を高次元で融合させた、今まで見てきた中でもっとも魅力的なマッシュアップツールに思えます。まだβでも公開されていませんが、正式版稼働の暁には是非触ってみたいものです。