Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

毛色の違う検索エンジン「Wolfram|Alpha」は成功するか

2009-05-18 19:37:04 | Technology

 このブログを開設してから、せいぜいMSNがどうのとか百度の進出がとか、Cuil始動くらいしかエントリーのない、実はかなりレアな話題である「新しい検索エンジン」そのものの話。目の前にそびえ立つのは、Google(日本だとYahoo!も)の高いシェアの壁。それを超えるか、とネットニュースの新着記事であおられるも、今現在の状態は・・・と言うところは共通していますね。

 つまり、GoogleやYahoo!がツールとして浸透しきってしまった今、よほど画期的でないと「新検索エンジンで天下を取ろう!」というビジネスモデルは実にリスキーってことです。少なくとも、従来型の単語一致検索式エンジンではよほどの事がない限り、大きなシェアを取ることは絶望的でしょうね。

 では、「単語一致式ではない検索エンジン」ならどうでしょうか?

Googleを超えるか? 新検索エンジン「Wolfram|Alpha」公開 ITmedia

 Googleキラーと期待される検索エンジン「Wolfram|Alpha」が一般公開された。現時点では日本語には対応していない。

 Wolfram|Alphaは従来の検索エンジンとは異なり、事実に関する質問に答えるナレッジエンジン。理論物理学者で数学ソフトを扱う米Wolfram ResearchのCEO、スティーブン・ウルフラム氏が開発した。

 事実に関する質問に答えるとは、その文言の通り、

「円周率の300けた目は?」
「obama birthday(オバマ大統領の誕生日)」

と言った質問や知りたいことを入力する事で、その答えを知ることができるというもの。

検索エンジンの専門家ノバ・スピバック氏は3月にWolfram|Alphaのデモに参加した際に、Wolfram|Alphaは幅広い質問への答えを提供し、データベースから答えを探すのではなく回答を計算するという点でGoogleよりもずっとスマートだと評価していた。

という意見もありますが、Wolfram|Alphaはあくまで「答え」を表示するのみ。関連するページに導いてくれる訳ではありません。つまり、Googleや、他の検索エンジンのように「目的のウェブページを探す」という使い方とは一線を画しています。逆に言えば、そういう使い方はできません。Googleキラーとかたいそうな見出しで元記事は書いてありますが、全く別のベクトルの検索エンジン・・・というか、ナレッジベースのゲートウェイなのです。

 と言うわけで、コンセプトを額面通りPRしていけたなら、確かに全くスマート且つ便利な道具になり得ます。自然言語解析を行っている関係上、他言語対応が難しいという面があるにせよ、数学的なものや一般的な「調べ物」をする際には大きな武器になるのではないでしょうか。