千手院のBlog

タイトルそのまま・・・お寺の紹介・生活日記!冬期は墓地の積雪状況もアップしています。

貴重な晴天。

2016年11月27日 | Weblog


昨日の夕方、越後三山。
左の越後駒ヶ岳も中腹下まで雪が下りてきています。昨日は穏やかな晴天の中、ご法事がありました。

今日は一転、雨模様・・・今後も天気予報は雨マークが続いています。
これからの季節、雪国はお天気が悪い日が多く、昨日みたいな晴天は本当に貴重です。

私はお正月準備を急ピッチで進めています。
かなり印刷技術の力も借りるようになりましたが、それでも尚、千手院のご祈祷に使用する御札は手作業、手作りのものが多くあります。奉書紙を折ったり、幣束の切り込みを入れたり、それを折ったり、筆を入れたり・・・、まぁ、色々ありますね~。

先般、雑誌の取材にこられた方から「御札は何種類くらいあるのですか?」と質問されました。
その時は「数えたことがありませんが、相当な数になります。」と答えたと思いますが、お寺からお渡しする御札は、人の願いの数だけあると言ってもいいのかも知れません。数え切れないし、その時代時代でお願いの種類も多少変わってきますから。けれど、50年以上、ご祈祷と心配事相談をしてきた亡き老僧を見ていても、それを引き継いで私も18年が終わろうとしていますが、いつの時代になっても人の悩みや願いというのは、根本的にはあまり変わっていないと感じます。

進歩することは重要だが、どんなに物質的に豊かな時代になっても、技術が進んでも、人が願い、悩む部分はあまり変わらない・・・、だからこそ、その人が幸せかどうかは、最後はその人の「心のありよう」で決まるものだと、先人たちの教えと、私が目の当たりに感じていることがだんだんと一致してきたように思います。

ただ、ここ数年気になるのは、薬にどっぷりと浸かってしまっている人が多くなってきたことです。百薬と百毒です。

おっと、話がだんだん固くなってきてしまいました。

もとい、
ご祈願をする事の多い真言宗や天台宗系のお寺には御札がたくさんありますが、ご祈祷を主としない、ご供養中心のお寺にはあまり御札というのはありません。
どちらが良いとか悪いとか、という事ではありませんが、皆さんの回りのお寺さんはどうでしょうか?

本堂前

2016年11月22日 | Weblog


今晩から徐々に冬型の気圧配置になってくる予報ですね。
千手院本堂前はご覧のような感じで大部分の冬準備はできました。あとは消雪パイプの掃除と点検、お地蔵様ののぼり旗を片付けるくらいでしょうか・・・。

今は雪が自然と滑り落ちてくれる屋根、消雪パイプと防雪、防風ネットのおかげで本堂の雪囲いは本当に簡単になりました。(それでも準備は大変ですが・・・)

先人たちの労力を考えるといつも頭が下がります。

消雪のために水が流れますので、参道も本当は石畳になっていると雰囲気が良いのですが、今後できるかどうか???
木を植えるにも、灯篭などを建てるにも、何をするにも雪と水のことを頭に置かなければいけないのが、豪雪地のお寺の宿命ですね。

ちなみに、数年前の大雪の年には、参道の中頃に桜の枝を支える支柱が立っていますが、その支柱からほんの少し下の位置まで雪が積もりましたよ~。と思いきや、昨年はほとんど雪はなし。ここのところ雪の積もり方も格差があるようです。


冬の準備・・・

2016年11月21日 | Weblog
今年の心配事相談は終了させていただきましたが、日々、冬の準備に追われています。



今年は境内正面のもみじが本当にきれいで、もったいなくて雪囲いをしませんでしたが、そろそろ年貢の納め時・・・、まだまだ見ごろは終わっていませんが、枝を絞って囲いを行いました。このモミジも、今亡き、あのお檀家さんが寄付して植えてくださったものです。

以前、同じ場所には樹齢200年を超えるモミジがありましたが、原因不明で枯れてしまったのです。。。



天気の良い日に本堂屋根の一部に怪しい箇所があったので、点検と修理をしてもらいました。

千手院の本堂屋根はステンレスで葺いてあります。
ステンレス自体はまだ大丈夫のようですが、それをとめる下地の木々がかなり弱ってきているようです。

現在、雪国のお寺の屋根はほとんどがステンレスで葺いてあります。
同じ新潟でも雪があまり積もらない海岸部は瓦屋根ですが、豪雪地の山沿いではステンレスが一番です。本当は銅版葺きで緑青などがつくとお寺らしいのですが、屋根に積もった雪が屋根を滑り落ちるとその緑青を削り落としていきます。それを繰り返すとどんどんと材料が磨り減り、最後には穴が開いて水漏れをおこしてしまうんです。
屋根本来の耐久性を考えれば、今ある材料の中では、豪雪地はやはりステンレスなのでしょうね。もちろんステンレスは固いですから職人さんのうまい下手も顕著ですよ。



毎年恒例の門前区の消雪パイプの掃除と点検がありました。
写真は作業も終わったところですが、足元の付近からヒョンヒョンと水が出ているのが分かりますでしょうか?この消雪パイプとそこに流せる豊かな地下水があるおかげで私たちは生活できています。



そして普光寺さんの山男衆が山門(仁王門)の雪囲い作業中。
これを毎年行い、春には外すのですから、本当に頭が下がります。雪国の人間が粘り強いのも分かるような気がします。

今日は暖かく、絶好の外仕事日和・・・、恐れ入りますが、墓地のゴミ箱や境内の看板類などはほぼすべて片付けさせていただきました。お参りの方には申し訳ございませんがどうぞご容赦ください。

今年の心配事相談は終了させていただきました。

2016年11月16日 | Weblog
今日は午前中に今年最後の心配事相談、午後からは千手院に伝わる御札について、雑誌の取材を受けました。
また正式に決まったら、ブログで雑誌のことも紹介させていただきたいと思います。

昨年は11月末まで心配事相談をさせていただきましたが、今年は本日をもっていったん終了とさせていただきます。
また明年2月くらいから再開する予定でおります。

なんせ田舎の山寺・・・、できるだけ自力で冬準備をしたり、お正月のご祈祷に向けての御札作りやその他の準備があるため、すでに今から間に合うかどうか?毎年のことですが冷や汗が流れています。前年同様、何も学べていませんね。。。

今年は境内のモミジ達が例年以上に綺麗に紅葉してくれました。冬囲いをするのがもったいなくて躊躇しています。

浦佐城跡も少しずつ落葉し、山肌の見える範囲が広がっています。もう少しでチラチラ白いものが舞ってくるのでしょうね。

そうそう、今日は夕方のNHK新潟の中で、今年初めて見に行った浦佐からの雲海が紹介されました。
ここ何年も投稿する度にオンエアーしてくれています。雪降り前の11月から12月前半が一番の見ごろの時期です。
週間天気予報だと今のところ雲海がでそうな日がありませんが、機会があれば是非ご覧になってほしい光景です。

ここ数日のこと

2016年11月13日 | Weblog
10日、朝浦佐を出発し、御詠歌の全国奉詠大会に13名で参加してきました。



会場は埼玉県の本庄市。浦佐千手院支部の皆さんも高齢化が進んではいますが、できる限り参加し続けていきたいと思います。大会後は磯部温泉で1泊し、いろいろな思い出話に花を咲かせて、年に1度の楽しみの時間でもあります。

翌日はちょっとした観光をしたり、りんごを買ったりして帰ってきました。

昨日、12日は午前中に浦佐城跡の看板やロープ、のぼり旗などの片付け作業。
浦佐城・薬師様の会の皆さんで雪降り前の準備です。



皆さんのおかげで以前に比べれば本当に山がきれいに歩きやすくなりました。
帰りには天然なめこのお土産もみっけ!!!

午後はご葬儀の助法がありました。
ブログでも何回も書いていますが、高野山金剛峰寺第393世座主、関栄覚大僧正に大いに関連する方でした。100歳を超えるご生涯でしたが、暖かな、穏やかな日和の中での旅立ちでした。高野山開創1201年目、そして関御前の60回忌を迎える年・・・、これもご縁ですね。必ずやお大師様に導かれていることと思います。
あらためてご先祖方の偉大さに敬服するばかりです。そしてそのご恩に報いていかなければならないと思います。

今朝は快晴!雲海がでているようだったので今年初めて様子を見に行きました。



とってもきれいな雲海が広がっていました。カメラを持った方も5名ほどいました。
数年前までは誰もいなかった場所ですが、少しずつですが、雲海スポットとして知られ始めてきたようです。お話をすると、魚沼でもスポットがいくつかありますが、この付近が一番雲海が出やすい場所のひとつのようですし、越後三山のロケーションも抜群!

少しずつ、少しずつ浦佐の雲海ファンが増えてくれるとうれしいです。

ただ今日の雲海はきれいですが、まだまだ浅い雲海でした。
私も雲海の記録をとり始めて5、6年ほどになりますが、昨年はこの時期までに大きな雲海が5回ほどでています。
今年はまだ1回くらいです。つまりそれだけの冷え込みがないということです。

今年の3ヶ月予報は平年並みか少し低めの気温と予報されていますし、周囲の人も今年は雪が多くなりそうと言っていますが、今のところ雲海の出方だけみると、平年より暖かなような気がします。雪国ですから雪がある程度降ってくれないと困る方々もいらっしゃいますが、はたしてどうなることやら???

今晩もきれいな月夜です。明朝も雲海が広がりそうな感じです。



そして今日は1日、お手伝いの方を頼んで4名で毘沙門堂境内の古山門、千手院境内中の木々の雪囲いを行いました。

さすがはベテランの先輩方です。かなりのご高齢ですが、高いところの作業も手慣れたものです。

これはしだれ桜ですが、もう少し大きくなるまでは、こうやって枝を絞って雪囲いをしてあげないといけないでしょう。

日中は汗ばむくらいの陽気の中、作業もはかどりほぼ囲い作業が終わりました。
あとの細かい箇所は私が行いますが、これで雪が降ってきても大丈夫です。ひと安心、ひと安心!

戸たての薬師!

2016年11月08日 | Weblog
11月8日は浦佐城跡におわす薬師如来様が冬を前に山をおりる日とされる「戸たての薬師様」です。

春、5月7日の晩に御護摩修行をして、翌8日に山にお登りになり、浦佐の住民の健康を見守っていてくださり、冬前になると山を降りるという、雪国独特の伝統がささやかにではありますが、今も受け継がれています。

春には実際に薬師如来像を信者さんが背負って山へあげますが、11月8日はお参りのみ。
昨晩、ご詠歌講の皆さんに集まっていただき、本堂にて御護摩修行を修め、今日は徐々に天候が荒れる予報だったので午前中に山へあがり、薬師様の祠の前で「山をお下りください」と、読経をして参りました。春は賑やかですが、秋はしんみりと私だけで行います。

「戸たて」とは何か?
江戸末期までは現在の祠の少し上あたりに「薬師堂」があったとの記録があり、戸たてとは、雪降り前にそのお堂を雪囲いしたことをいうのだと先代は言っておりました。



現在の薬師様の祠です。
今日はお参りの後、ヤマツツジを簡単に雪囲いしてきました。山で木を切ったりして囲い用の材料を自分で作ればよいのですが、時間もなく、あるだけのもので雪囲い、雪に耐えられるかなぁ~?ちょっと心配です・・・。

小さいですが、この祠の左手の少し高台になっているところに薬師堂はあったとされており、そこには昭和の終わりまでそれは見事な松の木が立っていました。
浦佐駅前からもよく見えて、浦佐のシンボル的な木でありましたが、松食い虫にやられて枯れ、倒れてしまいました。



晩秋の山もとっても気持ちいいです。恐竜の足(正式名称は何でしたっけ?)も、肌がかぶれて嫌われる漆の木も、きれいに紅葉していていい感じになっています。



水の手方面、北斜面に行くとほとんどのヤマモミジは黄色一色です。



今日は少しもやがかかりましたが、越後三山も上部は雪がつもり、少しずつ少しずつ雪が山をおりてきます。

毎年、戸たての薬師様の頃になると、「さて今年のお正月準備は間に合うのか?」と気ばかりが焦ってしまいます。。。

文化財の意義とは?

2016年11月06日 | Weblog
今日は午前中に心配事相談、午後からはたまってしまっていた事務仕事で終了。

本当はお隣の普光寺さんで、山門の二階に描かれている天井画の作者、板谷桂舟についての講演会が東京国立博物館の専門家を招いて開かれたので、ぜひ聞きたかったのですが、手元の仕事が間に合わず聞けませんでした。

同時に文化財保存会も設立されたとか・・・、千手院の什物類も含めて、今に残される浦佐の什物が大切に守り伝られることを願います。
普光寺さんのような新潟県を代表する規模のお寺としてはもっと早く設立されていてもおかしくないのですが、それでもスタートしたことは大変喜ばしいことだと思います。

お大師様が誕生された香川の善通寺では、今でも国宝の錫丈が毎朝使われ、勤行に参列された方々にその響きが届けられています。
文化財という存在が、今を生きる人たちに安らぎと希望を与えてくれることを祈ります

今年1番の雲海のはずだが・・・

2016年11月05日 | Weblog
今朝の冷え込み、外を見ると今年1番の雲海がでているはずだと思いましたが、残念ながら見に行くこと叶わず・・・。
風さえなければ最高の雲海が広がっていたはずです。きっといつものメンバーの方々などは見に行っていたのだろうなぁ、いいなぁ~。

車でほんの5分程度山を登ればいいのですが、今年はなかなかタイミングが合わないです。

11月に入ってからは毎日心配事相談、ご祈祷、そして秋の棚上げ(池掃除)と鯉の消毒、境内中の網戸洗い、時間を見つけて冬囲い、あとは落ち葉掃除の毎日です。



千手院には池が3つあります。(平成16年の中越地震までは4つ)
全部、お寺の脇を流れる祓川からの沢水を引き入れているため、春と秋には必ず池の掃除をして鯉たちの消毒をします。
沢水を引き入れていたり、春の雪解け水の影響もあり、なかなか錦鯉がうまく育てられないのですが、なんとかきれいな錦鯉たちが泳ぎ回る池にしたいと数年前から頑張っています。
今年の春には結構いい感じになったのですが、ちょっと油断をしていたらあっという間にやられてしまいました。



先般、埼玉県で葬儀をした方が7年前に植えてくださった紅葉。
お日様の光を通すと本当にきれいです。春に芽生えた命が、夏の盛んなさまを暑い暑いといって乗り切ると、あぁ、あの頃は確かに大変だったけど、なぜか懐かしい・・・そんな秋の季節を迎えていきます。

いつか私にも訪れる秋の季節、こんな風に真っ赤に、そして鮮やかに色づいてみたいものです。