千手院のBlog

タイトルそのまま・・・お寺の紹介・生活日記!冬期は墓地の積雪状況もアップしています。

春木山

2018年03月30日 | Weblog
昭和の中ごろまで、3月12日の十二講をかわきりに、5月半ば頃まで薪等の燃料(魚沼ではボイといいます)を山から切り出す「ボイ出し」なる仕事がありました。ガスや電気が普及し始めてから一気に行われなくなりました。
浦佐では、私が生まれた昭和46年頃はまだボイ出しが行われていたそうです。

そんな春の山で働く光景を「春木山(はるきやま)」とも言います。

3月になると雪がぐっと締まり、雪の上をそれほど埋まらずに歩けるようになります。切った木(ボイ)も格段に運びやすくなります。
生活に直結していたので、多くの人が山に入り、手入れが行き届き、当時を知る人の話を聞くだけでも本当に山が活き活きとしていたことが分かります。

今でも浦佐では十二様を祀る家が多くあります。そして山中に十二様の祠がたくさん点在してもいます。
その当時をかろうじて知る人たちも高齢になり、今後、徐々に十二様の信仰が忘れられていくのではないかと心配しています。今は生活のために山に入る必要性がないのですから、登山ではなく、わざわざ木を切るために山に入る若者はほとんどいないでしょう。

しかし、日々心配事相談やご祈祷を続けていると、デジタルの世界も必要だが、私は昔のアナログの世界にとても惹かれ、癒されるんです。
悩み、迷っている人ほど、時に土をいじり、山に入り、火を使い、水に触れ、木々や草花を愛で、自然の中にゆっくりと身をおくと良いのではないかとつくづく感じます。



前置きが偉そうですいませんが、そんな訳で、生活がかかっている訳ではありませんが、今朝は早起きをして浦佐城跡下部で、雪で倒れる寸前になっていた木を切らせてもらいました。朝からチェーンソーの音で近くのお宅の方には申し訳ありません。今の山は放置された木の多くが50年ほども経っています。山が荒れれば川が荒れ、海も荒れる・・・。

私1人の力では限界がありますが、無理をせず、ゆっくりと、できる範囲で間伐を行っています。
山頂からの木を道路まで出すことは無理ですが、切った木も薪として、命が無駄にならないようにしたいと思っています。
雪解けの春木山。こんなアナログな時間がとても幸せなのです。



雪割草

2018年03月28日 | Weblog


愛好家の方からいただき、地に植えた雪割草。今年も綺麗に咲いてくれました。
かれんな花が、まるで「おひさま~!」と言って精一杯、日の光を浴びようとしているようです。かわいらしいですね~。
今日もグングン気温があがり、本当に気持ちの良い陽気でした。

今日は午前に相談事、午後からは外仕事、終わって夕方に浦佐城跡の様子を途中まで見てきました。
スノーシューをはいて山を歩くのは楽しいものです。山頂まで行く時間がありませんでしたが、途中までで数本の木が倒れていました。
雪があるうちに撤去したいと思います。

残雪

2018年03月27日 | Weblog


昨日の夕方の墓地。
浦佐の街の中は雪はなくなりましたが、山ほどに近く、消雪設備もない墓地はまだご覧のよう。

しかし、今日も1日暖かく、みるみる雪解けが進んでいます。残雪を消す一番の力は「南風」です。
墓地脇を流れる祓川も午後になると雪解けとともに流れ込んだ茶色い水になっています。

今日も心配事相談に、空いた時間は木々の雪囲い外しと境内掃除、また今年は銀杏や胡桃の木の枝をたくさんおろしたので、その後片付け。
自分でできるところは、できるだけ自分でするというのが私のモットーです。春の外仕事は楽しいものです。

お彼岸が明けて・・・

2018年03月25日 | Weblog
今年も春のお彼岸が無事に明けました。
入りの日からお参りにでかけ、明けの日の昨日はご法事でした。

春のお彼岸明けにふさわしい綺麗な青空が広がり、今日もお天気に恵まれました。
ずっとお参りが続いたので、メールでのご相談やご祈祷でお待たせしている方達には申し訳ございません。

今日はひと息つかせていただき、残雪の浦佐城跡などの雪山散策をしようと思っていましたが、お天気になるとついつい外の仕事が目に付いてしまい、結局本堂の雪囲いや木々の雪囲い外しをはじめたら、とまらなくなってしまいました。



ボタンの花壇の脇に咲くクロッカス。
この花が咲くようになると、いよいよ本格的な春になります。



境内の六地蔵様もやっと姿を見せてくれました。

全国各地、桜の便りも聞かれるようになってきました。
どこも例年より早い開花のようですが、千手院の桜はどうなるでしょう。楽しみ楽しみ!!!

春彼岸

2018年03月18日 | Weblog


雪がとけたところから、春を待ってましたといわんばかりにでてくるフキノトウ。やわらかいグリーンと、とっても良い香りが目も鼻も、そしてお腹も潤してくれます。

今日から春のお彼岸です。
浦佐は雲ひとつない快晴。
これからお檀家さんのところへお参りにでかけます。今年は弟たちの都合がつかず手伝ってもらえませんので、私一人でお参りさせていただきます。お彼岸の1週間をずっとお参りする予定です。

お日待~命日~出張~十二講

2018年03月13日 | Weblog
魚沼に春を告げた裸押合大祭。



3月7日、すがすがしいお天気の中、初めて毘沙門堂の扉が開けられました。いよいよ春の到来です。
古く裸押合大祭はお正月に行われていたということから、この3月7日を毘沙門堂では「お日待」と呼んでいます。
千手院では、現在は1月7日がお日待のご祈祷の初日になります。

お日待が来たかと思いきや、8日は先代老僧、賢能和尚の命日。
終わって連日の関東方面への出張。
12日は山の安全を祈る十二講のご祈祷、あいだには心配事相談など、春を告げられたかと思いきや、めまぐるしい1週間でした。
しかし春の忙しさは、晩秋とは違い、明るさがあり、日も長くなり、とても前向きになれる忙しさです。

ただ、メールやお手紙をいただいている方には、お返事が遅くなっており、恐縮しております。
明日か明後日にはきちんとお返事ができると思いますので、今しばらくお待ちください。

今日は会議で久しぶりに長岡市へ行ってきました。
年度末、そして新年度、新しい別れと出会いの季節・・・老僧も、大好きな祖母も、皆この季節の旅立ちでした。
どの季節も大好きですが、雪解けが進み、早春の草花が芽吹く季節、いつか私もこんな季節にお役目を終えたいものです。

春がくる!

2018年03月05日 | Weblog
3月3日、全国的にはひな祭り、しかし浦佐は裸押し合い祭り!

今年は近年になく最高のお天気、そして土曜日、日中も暖かく、まさに春を告げるお祭りとなりました。

私は朝から夜の御祓いが終わるまで普光寺様でお手伝いです。

日中は御護摩法要にあてた福餅が別行殿という、秘仏の毘沙門様が祀られるお堂の屋根から撒かれます。
夜になると毘沙門堂内は仏具類がすべて片付けられ、押し合いができるようになり、いよいよお祭りのクライマックスに向かいます。

堂内の上段から、福餅、金杯や御灰像などの福物が撒かれ、外の別行殿の屋根からは御弓張が撒かれます。
昼間以上に夜の撒き物は危険なくらいになります。

福物や御弓張を撒く人と、それを担ぐ馬になる人は水行を行い、御祓いを受け、それから堂内や屋根の上から撒く、という順番になり、私のお役目はその御祓いということになります。

最後の御祓いが終わると衣を取り、古山門(太子堂)の様子を見に行き、戸締りに入るのが毎年恒例の流れです。



古山門に行くと、このお祭りを取り仕切った多聞青年団員たちが、最後に全員集まり毘沙門堂内へ向かっているところでした。



遠くからですが、奥の人たちがいるところから福物は撒かれます。その奥に御前立の毘沙門天が祀られています。押し合っていると何名かの人は引き上げてもらえて、奥の毘沙門天に直接お参りすることが叶うのです。
また手前では大勢押し合っているのですが、写っていません。手前に見える洋服姿の人たちはギャラリーの方達です。



別行殿の上から御弓張が撒かれようとしているところ。弓張(提灯)にはローソクに灯がともったまま撒かれます。
これを下で待ち構えているお客さん(危ないのでほとんど男性)が取り合い、すごい迫力になります。取り合いに決着がつかないような時には多聞青年団長のもとで公平に分け与えられます。

この弓張の一部分でも得ることができると、大きな福が舞い込むと云われています。また田んぼの水を引くところに差しておくと豊作になるとも云われます。



夜も更けて、お不動様のうがい鉢も静かになりました。
この中に入って水行を行います。怪我をしないよう、まわりには藁やネコ(藁を編んだもの)が敷かれます。

今年のお祭りは本当に盛会になりました。これも関係各位のご精進の賜物でしょう。本当にお疲れ様でございました。



3月4日の朝、毘沙門堂は閉じられ、7日まで開かないのがしきたりとなっています。
観光客など、その事を知らない人は残念ですが、外からのお参りとなります。

こうやって浦佐には春が訪れます。
まだ積雪も2m近くありますが、一気に春めいてくるのです。雪の上を吹く風、雪消えのところからでてくるフキノトウ、鳥たちのさえずり、土のにおい、この雪があるおかげで春のうれしさは倍増します。年を重ねるたび、雪国に生まれて良かったという思いが増していきます。それが故郷というものでしょうか・・・。

お祭り直前

2018年03月02日 | Weblog
画像がなくてスイマセン。

魚沼に春を告げる浦佐毘沙門堂、裸押合大祭(国重要無形民俗文化財)がいよいよ始まろうとしているのに、春の爆弾低気圧が通過中。
それでも浦佐は周囲を山に囲まれているので、風からは守られ、たいした被害もないですが、今日は真冬のような雪模様・・・。

準備に追われている大祭関係者は大変です。
しかし、明日にはお日様マークがでているので、きっと良いお天気になることでしょう。

千手院も今晩7時の御護摩法要からお手伝いに伺います。
老僧の頃は普光寺様に入り浸ってのお手伝いでしたが、今では千手院の管理する古山門の整備のみで、あとは当日だけとなっています。

明治~大正~昭和の頃のお祭りの写真を見ると、本当に凄い人出でした。信心の他にも楽しみがたくさんあったのでしょう。
今も、しんこ餅やカジカ酒、おそばは少なくなったなぁ~、飴や露天商がたくさんでていますよ。

明日は是非お出かけください!