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千手院のBlog

タイトルそのまま・・・お寺の紹介・生活日記!冬期は墓地の積雪状況もアップしています。

季節感。

2011年09月06日 | 教えられたこと


境内の萩の花がきれいに咲き始めています。
先日の台風の風にも負けず、柔軟に、可憐に咲く姿にはたくましささえ感じます。

今日は1日中、心配事相談。
皆さんそれぞれにいろんな悩みを抱えています。

春は芽吹きの季節、夏は思う存分伸びる季節、秋は実り、収穫の季節、冬はじっくり充電の季節・・・年中行事を大切にしていると、自分が今何をすべき季節なのかが自然と分かるようになる。無意識の中に身体に季節感が身につくようになる・・・老僧からの教えのひとつです。

秋の浦佐城跡、薬師様も楽しみです。
今年の「にいがた狼煙プロジェクト」は10月16日(日)だそうです。また賑やかに狼煙を上げるのが楽しみです。キノコも楽しみな季節ですが、その前に登山道の草刈りも気になるところ。しばらく様子を見に行っていないので、どうなっていることやら。

今日などは急に涼しく、寒いくらいの気温になり、山を歩くのもちょうどよい感じになってきました。近々様子を見に行ってこようと思います。

自然界への儀式

2011年08月22日 | 教えられたこと
ここのところ朝晩は寒いようなお天気です。今日の日中は少し暑くなりましたが、これだけ急激な気温差があると身体もおかしくなりそうですね。

今日の午前中は地鎮祭を執り行い、午後からはたまっていた事務仕事を行いました。

地鎮祭・・・最近では行う方も少なくなりました。寂しいですが、それだけ自然界(仏様)への畏敬の念が薄れているのだと感じています。
土地に住まわせていただいている・・・そんな感覚を持つ人はほとんどいないかもしれませんね。ここは俺が買ったのだから俺のものだ・・・と。地鎮祭など面倒くさいし、して何になるんだ?そんな費用があったら他にしたいことがたくさんある・・・という人も多いと思います。たしかにそうなのですが、何か違うような気がします。

自然界(仏様)は恩恵も与えてくれるが、恐ろしい存在でもある。震災を経験して体感している人も多いはずですが、そんな心を持っている人は自然と住む土地への畏敬の念が行動に現れるよ・・・と老僧から教わりました。

そして心配事相談をしていて感じることのひとつに、自然への畏敬の念をしっかりと持っている人はとても季節感が豊かです。何気なく交わす言葉の中に季節感を感じさせるものがたくさんある。そして年中行事を大切にしている。

そのような方は風流心があって、一時期悩むことがあってもほとんど解決していきます。
どんなに仕事が忙しくても、悩んだとしても、風情をたしなむ心を忘れたくないものですね。

仏様は怖い???

2011年05月16日 | 教えられたこと


今日も外は暑いくらいのお天気になりました。
境内東側の道路沿いも芝桜が満開になりました。境内中が花のいい香りに包まれる中、今日はご詠歌の練習日でした。午後から2時間、気持ちよくお唱えできました。

先日ある方から、「私は最近、毘沙門様って怖いんだなぁ~と思うようになった」というお話を聞きました。
その時、私は老僧から言われたことを思い出しました。私が本山から帰ってきたばかりの頃、「本当の信仰心がある人というのは、神仏の怖さをよく知っている人だ・・・」と言われました。

仏様への畏怖心がある人は、仏様の恩恵があることもよく知っていて、そのバランスが大切だということだと思います。仏様は何でも良いことばかりを与えない・・・それが仏様(自然界)の真の姿なのだと。今ではそう思っています。

大掃除は進んでいますか~。

2010年12月29日 | 教えられたこと
昨日が御用納めで今日あたりは大掃除をされている方も多いのでしょうか?

浦佐は今朝から水分をたっぷりと含んだ雪が降り続きました。
浦佐スキー場も始まったようで、年末年始は賑やかになりそうですね。

千手院ではすす払い、本堂のお掃除が終わり、今日は神棚のお掃除と年始の間の飾り付けを始めました。明日は稲荷大明神様の大掃除をするのですが、これが結構大変で白虎を全部きれいな布で拭き清めます。100体近く?あるので落として壊さないように、毎年ヒヤヒヤもののお掃除になります。

しっかりと今年の汚れを落として、良い新年を迎えたいものです。

新年に良いスタートがきれるポイントのひとつに、今年中に仏壇や神棚、また信心している神社仏閣に今年の御礼参りをすることがあります。
みんな忙しくて忘れやすい行為ですが、これが実は大事だと老僧から教わりました。時間がなくて二年参りで済ませる方は、新年のお願いの前に必ず前年の御礼をすることです。

物事を必ず対にして考えること、大事な教えのひとつです。

感心させられました。

2010年12月06日 | 教えられたこと
何日か前の話ですが、玄関のチャイムがなりました。立っていたのは数年前から家を建てたいとご相談にきていたSさん。「今年無事に家を建てることができたので本尊様にお参りをさせて下さい」と、ご家族で来寺されました。

前にも同じようなことを書いたかもしれませんが、祈願をして、きちんと結果を報告に来る人は稀です。こんなことを言っている私自身がなかなかそれを実行できません。

しかし、老僧からはとても大切な事だと教えられました。物事には必ず陰陽の両極面があって、そのバランスがとれることで物事が完成すると云われます。

本尊様にご祈願をして、きちんと報告のお参りにくるという意識は本当に素晴らしくて感心させられ、勉強させられました。このような人間は必ず出世したり、立派になっていくのだろうなぁと思いましたし、その両親のもとで育てられるお子さんも将来楽しみです。

私自身が反省させられ、そして何故かうれしくなった一コマでした。

前向きな我慢

2010年11月12日 | 教えられたこと


浦佐毘沙門堂も菊祭りが終わり、境内の大ケヤキもひと風ごとに木の葉が舞い散っています。これを掃除するのも相当な重労働です。

話は変わり、昨日ふとテレビをつけるとNHKクローズアップ現代で『THE ART OF GAMAN』~我慢の芸術~という番組をやっていました。
第2次大戦中に強制収容所にいれられた日本人達が、財産も自由も奪われ、何もない過酷な環境の中でも生きる希望を捨てずに、貝殻や木の根っこなどを使って美術品を作り、少しでも人間らしい生活を営む努力をしていた姿に大変感銘を受けました。その作品を今、アメリカ・スミソニアン博物館で公開しているそうです。

日本人が持っていた尊厳・誇り高さに、自分が日本人であってよかったと思わせる内容でした。是非、アメリカの人が感動するようなものを日本でもやって欲しいものです。

「無意味なことであっても、前に向かって進しかないんだ」という当事者の言葉からは、我慢という言葉を否定的にとらえがちな私たちにとって大変インパクトがありました。「前向きな我慢」とでもいうのでしょうか・・・。

不思議と涙が溢れてきました。。。




大きく、深い世界へ・・・

2009年10月04日 | 教えられたこと

海の向こうにうっすら見える弥彦山。

柏崎石地の偉いお寺様が遷化され、今日はお通夜、明日は葬儀のお手伝いにいっています。

さわやかな太陽、波しぶき、風、とんぼ達、整備された境内・・・跡継ぎのご住職は私の友人でもあり、宗派で同じ役員を務めています。

ご住職の葬儀は檀家葬になることが多く、またお付き合いの関係も多いので、大抵は準備に相当な時間がかかります。ご遺族は気が張っていることもあるでしょうが、気力も体力も想像以上に使います。(私の場合、平成10年の葬儀の時には帯状発疹がでてしまいました。)

地域の発展と人々の安寧、先祖の安らかな供養、境内の整備・・・、人生の大半をそこに費やしてきたご住職・・・感銘を受けます。お寺はすべて法人名義、個人の所有物、財産ではありません。そこにすべてを注ぎ込むのですから、やはり普通の人にはできないと思います。

私の老僧が言った言葉を思い出します。
「人生には有形の財産と無形の財産がある。」バランスが大事だが、私たちはどちらかといえば無形の方を優先する必要がある。物の考え方、生き方、あるべき姿・・・そして無形の財産はあの世に持って行けると笑って話をしていたことを思い出した1日でした。


お彼岸参り・・・。

2009年09月22日 | 教えられたこと
天気予報はあまり良くなかったが、特に雨に降られることもなく今日も何とかお彼岸参りが済みました。

千手院では、春秋の彼岸、夏のお盆と担当のお宅を分けて年に1回は必ず訪問させていただくという方式でお参りに伺っています。ですから、1件のお宅ごとにある程度の時間を確保してお参りさせていただいています。

なので、他のお寺さんが行っているような彼岸の中日法要などは行っていないのです。

一長一短ですが、他のお寺さんのケースを考えると、夏のお盆で全檀家をお参りに伺うが、その場合、早朝から夜は10時近くまでかかり、しかも玄関を開けるとお経を読み始め、仏壇の前でロウソクとお線香を上げる頃には読経が終了し、お茶の一杯もなく、簡単なお話もなく、次のお宅へ向かう・・・。

いいような悪いような・・・。
しかし、千手院の老僧はそんなやり方を嫌い、ある程度はお話しをしたり、最近の様子を聞いたりする時間が必要であると考えて、今の方式になりました。

私も賛成しています。
読経を上げ故人の冥福を祈り、生前できなかった功徳を後継者が積むこと・・・これはもちろん大切な仏道修行ですが、同時に今を生きている方達への配慮を行うことも重要な教えです。

そこで思うのが「バランス」です。お釈迦様は「中庸」と言いました。
どちらにも偏らない中立を保つ心の在り方、生活の仕方・・・これこそお彼岸に再確認したい教えだと思います。

しかし、これが一番難しい・・・。

実のなる季節!

2009年09月03日 | 教えられたこと


昨日は1日山仕事・・・、さすがにクタクタになりました~。
30度近くまで気温が上がりましたが、風はすでに秋模様。昼間でも山の風は心地よく、虫の鳴き声も秋のものでした。

画像はヤブコウジ。
可憐な花を咲かせたあとは、ポツンと目立つ赤い実をつけて目を楽しませてくれます。



一方で山栗も小粒ながらしっかりと実をつけていました。
落ちるまではもう少し時間がかかりそうですが、これも秋の恵み、ありがたいです。



これはミヤマガマズミの実だろうか?
春には白色の可憐な花を咲かせていたが、この季節はまた違った趣があり、これから紅葉する姿は更に魅力的だと思います。

こういった実を求めて鳥たちもやってくるだろう。
山の手入れが見直されてわずか2年・・・、ほんの少し日当たりが良くなったり、間伐されたりするだけで、本来持っていた木々の性質がどんどん花開く姿は、下草刈りなどの重労働をすっかり忘れさせてくれます。

昨年の紅葉は特別美しかったですが、今年はどうでしょう?
日照不足が気になりますが、今から楽しみですし期待したいです。

今日は相談事の1日。
皆、それぞれの立場で、さまざまな悩みを抱えています。
実がなるためには必ず花を咲かせなければなりません。花を咲かせるにはそれぞれにあった環境が必要。どんなに素晴らしい種をもっていても、その種にあった環境がなければ決して花は咲かない。

自分にはどんな環境が最適なのか?
じっくり考えてみることも大切な教えのひとつです。

「道」に迷うとぐるぐる回る???

2009年08月30日 | 教えられたこと
墓地の隅にあるクルミの実がたわわになり、枝が頭を垂れてきました。

今日は天地人も早めに放映され、8時くらいからは選挙報道一色ですね。
報道を見る限りでは、いよいよ政権交代が現実になりましたね。良い日本になるよう、活躍に期待したいと思います。

今日の日経新聞の朝刊に「道に迷うと、同じ所をぐるぐると回ると昔から言い伝えられるが、ドイツの研究者が実証した。」という記事がありました。

人は、太陽や月、山などの手がかりがないと、方向や身体バランスの感覚のズレを修正できずに、ズレが次第に大きくなってしまうためと考えられるとありました。

太陽や月など、その手がかりはすべて自然界です。
人も政治も「自然界」という手がかりを失なわないよう、常に意識しないといけないと感じました。
新たな政権が「道」に迷わないよう頑張って欲しいと思います。

個人ももちろん一緒です。
道に迷い、ぐるぐると回っている方に、お寺、仏教が少しでも役に立つよう、自分も頑張らなければいけないと肝に銘じられました。

おっと、自分自身が道に迷わないように気をつけることが大前提です。