CLASS3103 三十三組

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【読書】このせちがらい世の中で誰よりも自由に生きる

2017-11-28 21:42:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
このせちがらい世の中で誰よりも自由に生きる  著:湯浅 邦弘

老荘の本ということで読みました
内容は、だいぶ砕いてあって、
ビジネス書というか、自己啓発書みたいな印象でしたが、
謎の老人と、40代のうらぶれたサラリーマンが、
老荘を語り合うといった内容の小説仕立てで、
大変わかりやすく、その思想について
哲学考察を交えて教えてくれると
そんな本でありました

手法としては、孔子の論語と一緒といったところなんだけども、
老子のあり方が、現代の疲れたサラリーマンには
力を抜くのにちょうどよいといった感じで展開されておりまして、
少し前に流行ったアドラー心理学っぽいなと
なんとなし読んでいて感じたのでありますけども、
老子、その思想のあり方について、
少し理解を深められたように思うのである

ビジネス書というか、生き方に悩んだ人向けに書き下しているので、
実際に老子がそういっていたかどうか、
その解釈には疑問が残るものの、
あまり目立ちすぎない、あるがままであること、
さぼるのとは違う無為、というものについて、
解釈がいくつか書かれていて面白く読めたのであります
なかなかステキというか、自分もまさに
弱った40代のサラリーマンだけに、いい話だと思ったんだが
ここに描かれているほど、出世欲というものはないのだなと
そこがどうも引っかかってしまうんだが、
ともあれ、生きていくうえで、辛いと思ったら
この考え方がよろしいというのは
胸にすっと効くようでありました

個人的によいと思ったのは、
言葉を言葉の通りに受け取ってはいけない、
言葉は不自由なものだから、信じていけないという
どちらかというと、荘子にある言葉のほうで、
これは慧眼というか、敏感に人の話に反応しすぎて疲れている自分に
気付かされるというか、そんなに対応しなくていいかもなと
鈍感さを見つけられそうで、なんとなし
心地よく思えたのであります
老け込む歳ではないはずだが、そういうのを身に着けないとと
思うようになったあたり、老いは精神からやってくるのでありますな

そんなわけで、さらっと読みつつ、
その思想に触れて、東洋哲学の楽しさを
ちょっとだけ学べたようでよかったと思うのでありました
本としては、最後がちょっと納得いかないというか、
老子を読んでいれば、それが何かと
わかるような、わからないような
いや、なんだろう、そこが問題ではないとわかってんだが
本としてちょっと納得がいかんと感じたのであります
わがままかしらね


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