CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】「やさしさ」という技術 賢い利己主義者になるための7講

2016-05-25 21:23:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
「やさしさ」という技術 賢い利己主義者になるための7講  
著:ステファン・アインホルン

ビジネス書的なものかと思いきや
哲学の本に近い内容でありました
読み終わって満足度が高い、いい気分であります

ガンに関する医学の権威であった著者が、
その過ごし方、生き方のなかで、つと気づいたこと、
「やさしさ」という基準をもって生きると
より大きなやさしさに包まれて、
本当に幸せに生きることができると
こう、書くとちょっと宗教臭いようでもあるのですが、
実際、そういう運命めいたところにも
感じるところがあると書いてあるようでもあり
なかなか恐ろしく読んだのでありました
いつだかの、バシャールをより科学に近づけたような、
あのとき、これなら騙されるかもなんて
失礼なことを思った内容は、これじゃないかなんて
思ったりする

もっとも、といっていいのか、この先生については、
実地での確認も含めつつ、
そもそも「やさしさ」とは何かという定義からはじまり
その効用、仕組みを丁寧に解くように説明、
なんとなし説得力が高いと
そんな具合に思ったら、すっかり、
なるほどなぁと納得させられたのでありました

ただ、高度すぎるといってしまえばいいのか、
あるいはまだ議論の練りが甘い部分なのか、
「偽りのやさしさ」という項目がありまして、
そこでは、かのチェンバレンについて触れていて
それをもって「偽り」と断じていたわけでありまして、
これは結果を見て名づけているのではないか、
そうなると、思想的に実践が難しくないかと
思わなくもないところでありました
深い、面白い

あとは、よくある心理実験の結果が並べられていて、
これらは、割とどこかで聞いた実験内容だったりするので
なるほどなぁという具合でありまして、
優しくされると、人に優しくなれる
これをまさに実験で証明したような例が
いくつか出ていたのであります
まぁ、これも読み方によっては
そういう結果のものを集めたとも思えるから
なんとも言いがたいんだけどもなと
性根の曲がったことを考えてしまうのである

とはいえ、アフリカで圧倒的な飢餓や絶望の下に生きていると
そういったモラルのようなものが破綻するという実例もあげて、
さりとて、そのさなかで優しかった人が、
たとえばアウシュビッツにいたという話だとかで、
やさしさの強さというか、その威力について語っていたのであります
みんながそうでありたいというのが、
備わったものでないかと、信じたい、そんな風に
内容はまとまっていたのであります

なかなか面白く、同じように考えてみたいと
思うようになるのでした


最新の画像もっと見る

コメントを投稿