CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】南極ではたらく

2020-02-03 20:51:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
南極ではたらく  著:渡貫 淳子

南極調査隊に調理隊員として参加した人の
実録ルポでありました
読んでいて驚いたというか、この人の凄いバイタリティに
シャッポを脱いだという感じでありました
意図的でありましょうが、あまり、本人の家族が出てこないところが
ちょっと気にならなくもないんだが、
家族の了承やサポートというのが
並々ならぬものであったのでないか
1年以上も、一家の母がいなくなるとは
凄いことだなと衝撃を受けつつも、それはそれとして、
主軸である南極での日々がとても面白く描かれているのでありました

南極へ向うまでの話と、ついてからの話
大きくはその二つであったように思うのだけども、
その間、負けないというか、様々に挑戦していく姿と
がむしゃらな感じが凄い、
本人のポテンシャルが凄いというところが一番なんだろうが、
そこはさほどに触れられることもなく、淡々と
人の縁とタイミングで試験を合格したかのように見えるけど
凄いんだろうなとうっすら思ったりするのである
というか、そういうところで、女性、しかも、母親という立場の人を採用したというのが
本人の資質が尖っていたことの証左じゃないかと思ったりしたんだが
それはそれとしよう、調理の技術もどれくらいかわからないけど、
きっと、そういうことではない、もっと大きな人間としての何かが
重要なんでなかろうかと、思わされる内容でありました

さて、いざ南極にいってからの日々も
なかなか楽しい部分だけを書いていたけども
非常に不思議な空間で、それぞれ使命を持った隊員たちが、
それぞれの持ち場、そして、あるいは、その場で適切な行動を要求される
至極当たり前の話だけど、そういう状況が多々発生する、
また、それを引き起こしてしまった失敗なんかもあったり、
中では、話の合わない人間もいたりとか
人間社会のそれこれもあったりして
とてつもなく濃厚な生活を過ごしたのだろうというのが
さらりと読めるのでありました

精緻精密に書き込んだわけではないので、
具体的にどうなのかというのがあまりないんだけども、
機微だけを切り抜いたというか、情景の最小限の説明がよくて、
豆知識とあわせて、南極の生活が見えるようで面白かった

最終的に、南極から帰ってきて、腑抜けになってしまうという話が
また凄いリアルというか、それはそれで、家族と大丈夫なのかと
心配でならない感じだったんだが、そのあたりはわからないんだが、
一人の人間が、大きなミッションに携わって、
それが終わるまでを描いたルポだと思うと
なんとも、自分はそこまで何かあっただろうかと
反省ではないが、思わされる力がある
とても面白い本でありました


最新の画像もっと見る

コメントを投稿