CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ジャッジメント

2016-10-12 21:12:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
ジャッジメント  作:小林 由香

暗い話だった
復讐法なる、殺人事件において、犯人に事件と同じ方法で死を与える
そんな法律があるというお話でありました
その法の下で、殺人が、復讐という名前で正当化されてなされると
まぁそういうお話でありました
着眼点というか、なるほどなぁと思わされる一方で、
ちょっと、法律のつくりが甘いというか、
ドラマとしてはそれでいいけども、
法律としては欠陥だらけではないかという、
妙なことが起きたりしているので
なんか、設定がもったいないといっていいのか
なんとも、もやっとしてしまったのであります
凄く胸糞悪い結末の話もあるんだけども、
これは、ここで設定された法律の不備だよなぁなんて思うと
なんか、しっくりこないのである
この胸糞悪さは、本当に提起したかったそれと
違うことじゃないかしらと、思ってしまったのであります
考えて読みすぎたなぁ

そんなわけで、もうちょっと感想も単純化しますと
はたして、殺人の被害者、その遺族というポジションにおいて、
犯人に同じことをしていいですよと
そういう権利があって、はたして行使するだろうか、
はてまた、行使して、どこまでどんなことになるだろうかと
考えさせられたのであります
少なからず世の中には、本当に陰惨きわまりないというか、
反吐がでるとしか形容しえない事件があるもので、
そういうのが、少々の刑期で出てきて
安穏と暮らしているという事実はどうかと
そこは考えさせられるものの
なんだろうかな、そういうのと、この復讐というものは
同じ次元の話でないのだろうなと
思わされたりするのであります
晴らしたいということも確かにあるのだが、
それは遺族の側の話であって、
犯人側にはまた、別途の何かが必要だというはなしが
巧妙にくっつけられてしまった
そういうお話でないか、
因果応報をよしとするのは、どこか違うのじゃないかしらとか
あれこれ思わされるのであります

この本では、罪とは何かという話を
じっと考えさせられるものであるものの
なんとも、それとは違う、ただ、憎悪を起こすことが目的のような
まぁ、実際そんなやつもおるだろうしなぁとか
あれこれ考えると、うやむやになってしまうのが辛いところで
試みの小説として、なるほどと思ったのだけども
面白いとか、そういうのとは
まるで違うものでありましたと、メモっておくのでありました
なんか、陰鬱な気分だけをおいていかれたようで
やな小説だったなぁ


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