CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】中国人物伝1 乱世から大帝国へ

2018-07-02 21:35:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
中国人物伝1 乱世から大帝国へ  著:井波 律子

少し前に唐宋の勉強をするため、3巻だけ読んでいたのですが
今回、1からちゃんと読もうと手にとった次第であります
だんだんと、中国古代史、中国史について、
知識が増えてきたなぁと改めて思うところ
楽しいことこのうえないと、どこに披瀝するわけでもない
中途半端な勉強を繰り返している

何を書いているのかという感じでありますが、
ともかくも、中国古代の人物を描きながら
その時代を記していく、由緒正しい、史記や漢書と同じスタイルで
時代を読ませてくれる本でありました
五帝、四君など、なんとなく知っているというか、
あれこれ読み散らかしてきた小説で知った人たちが
様々にまとめられていて、実際そういうことだったのかと
改めて思い知ったりする次第
特に、先日読んだ李広のところで出てきた前漢の武帝については、
かなりの名君だったようで、そういうことも補完できて
いたく楽しいのでありました
というか、漢という国の成立について
項羽はともかく、劉邦があり、呂后があって、
下層階級からの成り上がりが時代を作ったというあたりの
ドラマといえばいいか、面白さが非常によかったのであります
下層階級だからこその、儒学嫌いと道教への偏愛みたいなのがまた
なんといえばいいか、
中国民間に今もって通ずるものでないかと
考えたりするのであります、それは無理があるか

春秋戦国の様々な国が立ち、
それぞれに宰相や、優れた男たちが出てというあたりも面白いが
秦が統一をはかり、そこからの大帝国時代の面白さがまた
人の活躍もさることながら、楽しい、ただただ楽しいのであります

人物伝としては、早くから任侠といえばいいか、
好漢と後に呼ばれるのであろう、義に厚い人物の生き様
刺客の生き様なんかにも触れていて、
こういうのが歴史書に残るというところも凄いと
驚くことばかりなのでありました

今回の編で一番面白いと思えた人物は、
伝説の美女西施と、何かしらゆかりがあったと思しき范蠡でありました
このあたり、名前しか知らないでどういうことか
まったくわからなかったのでありますけども、
伝説か、実在かあやふやなのはさておき、
范蠡なる、傑物であり、さらに悠々自適に人生を過ごして終えたとおぼしき生き様が
羨ましいというか、こう生きるにはどうしたらいいのだろうかしらと
ほとほと考えさせられたのであります
張良あたりも、これに近いかと思っていたんだが
もっと世俗的で、いきいきしてて好きだなぁ范蠡
どっかに小説とかなかろうかと思うのである

そんなわけで、とりあえず漢までのことをさらうことができ
よく聞くがいまいちわかってなかった、王莽が腐れ儒者で、
学者が政治家になってはいけないという典型であったようなのが
驚きというか、そういうものだなぁと
今もって習うべきことだろうと感じたのであります
次のがまた楽しみだ