CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

のぼうの城

2008-07-22 22:28:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
のぼうの城  作:和田竜

話題の小説だと聞いておりました
かの石田三成忍城攻めのお話
へうげものでちょっとだけ、あの壮大な失敗劇を見ておりましたが
それを小説という形で読んだ、というか
かなり有名なエピソードなのでありますね
そうそうたるメンバーとまでは言わないにしても
石田三成、大谷刑部がいるだけで
個人的には鼻息が荒くなってしまうのでありますが

その、石田方と、忍城にこもった成田家の戦いでありました

感想としては、面白かった
これに尽きたのであります
心躍るというか、なんというか、こういう小説好きだなぁと
読んでいてにやにやできるステキなお話
一癖も二癖もある男共が出てきて、
それらを中心にして、籠城戦が描かれる
考えてみると、ただ、それだけなのでありますが
実に面白い、キャラが立ってくる様と、それらが
いよいよ戦い始めるところは、痛快で、爽快で
少々短いというか、さっぱりあっさりしすぎている感はあるものの
こんだけ、読後感爽やかならいいじゃないと
思ったりした次第であります

戦略的とか、戦術的とかじゃなくて
どことなし、ドラマの脚本めいた内容で
台詞で、結構話は進んでいくし、合戦風景は一方的で
絵巻というか、まさによいところが存分に発揮されていて
なかなかにステキ
ただ、もっちり読みたいとか、そういう欲求が強いと
薄い内容だとがっくりすることもあるやもと思いますが
ともあれ、よいキャラが、暴れ回っておりました、おしまい

そんな漫画みたいなお話でした

作者がどんな人なのかよく知りませんが、
ただ、私が思うだけなのか、文体というか、なんだろう、
進め方と台詞まわしが、どうにも司馬遼太郎臭くて
にやにやがたまらない
さくさくと調べたことが連ねられるあたりもいいなぁと思ったが
やりとりと、台詞の落とし方、地文に入れたり
台詞にしたりの、文章の散らばり方が
個人的に好きでありました

読み足らないくらいがちょうどよいかもと思ったりしつつ
ステキだったので感想をしたためておきます
もそっと、重いというか、なんかあってもいいかなと
思ったりなんだったりもします