CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

王国~ひみつの花園~

2008-04-01 23:15:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
王国~ひみつの花園~ 作:よしもとばなな

というわけで、王国シリーズの第三弾を読みました
第一弾を読んだのが、さっきこのブログを読み返したところ
2005年の3月ということだそうで
おおお、3年ごしかよ、しかも第二弾飛ばして
諸事情があるので仕方ないのですが
ともあれ、読んだので感想文です

綿々

こんなところでありました
第二弾を飛ばしてしまったのが失敗だったと
読んで痛感したのでありますが
第一弾の時に、どうやら不倫をしていた男と
別れてしまった雫石という女の子の話

いわゆる、失恋から立ち直るまでのお話

これはいかん
個人的にシンパシーを感じるというところもあるが
もう年齢的にこれを読んで、癒されましたというには
私はあまりにも年齢を重ねすぎたし、恥ずかしい
そう思うほど、綿々と、雫石という女の子の
細かな心のひだが綴られております

第一弾を読んだ時に感じたような童話っぽさはなくて、
たんたんとした、というのかはわからないが、
自叙伝めいた、自分の心情の吐露と育まれていくものの報告
そういうのを読んだ気分になりました
全然よろしい、非常に清々しい
が、しかし、
私が今読むべきものではなかったように思う
心のどこかが、ちくちくと痛む
そういった内容でありました

美のありかた
とは違う、自然とはなにか
とも違う、一人哲学
ではない

そういう具合で、つかみどころがないのですが、
説教でもない、一人の女の子が掴んだのかもしれない何か
そういうのが、そろりそろりと書かれているのでした
事象としてはまさしく、女の子が失恋にどう向かって、
どう立ち直っていったかを克明に記しているんだが
ただのそういう愚痴とは違う、悔恨でもないそれとは異なり

一人の人生をおっている、その断片

そういう具合で随分と涼しげでありました
まぁ、何書いてるかわからなくなるのはいつものことですが、
前回の自分が書いた感想文と
ほとんど成長の形跡が見あたらないあたり
違う意味で悲しくなったのですが
ほのぼのとするのに、心地よい小説でありました