ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




ピアノはひくものか、たたくものか、たたかうものか。

まあ、最後のは冗談としまして(いや、時にはありますね(笑))、

弾くものでもあり、叩くものでもあり、というところでしょうか。

一般的には「ピアノを弾く」と言いますし、ピアノのプレイヤーは、大抵「ピアノ弾き」であり、「ピアノ叩き」とは言いませんよね

あ、でも実際に、鍵盤ではなく、ボディーをポコポコ叩いて音を出す奏法もありますけども。

先日の来日公演で、キースもやってました。ボディをパーカッションに見立てるんですね。

響きのよいホールなどでは面白い効果があります。

でも、ボンゴやコンガと違って固い木ですからね、調子に乗って叩くと、あとで結構手が痛いのですよね(笑)。

 

ともあれ、ピアノは“弾く”、という他にも、打楽器という側面は確実にあるんですよ。

手の動きでいえば、横方向の流れと、縦方向の動き、というイメージでしょうか。

音程のハッキリした、打楽器。木琴や鉄琴などと近いですよね。

ピアノのことを「打弦楽器、」ひいては「打鍵する」という言葉は僕たちには一般的ですので(打鍵のタイミング、などといいます)、

そこから「打鍵楽器」などとも言えると思います。となれば、まさに、パーカッション。

 

考えてみると、指を使ってはいますが、その動作はスティックでドラムを叩くのとそっくりともいえますよね。

10本の指が全部スティックで、強弱を付けて鍵盤を叩いて発音させてますから。

実際のピアノはご存知のように、弦をハンマーで打ちつけて発音するんですが、

シンセなどではこの叩く速度(弾く速度、とは言わない)、をセンサーで検出して、

鍵盤が上から下まで降りてくる(わずか1センチ程度の高さですが)“打鍵の”スピードが速い=音を大きくする、“打鍵の”スピードが遅い=音を小さくする、という風に考えて発音するようになっているんですよ。

速いスピードで、小さく弾くことはできないのか、というところですが、物理的にはそれができないから、こういう発想でつくられているんでしょうねえ

 

ハモンドなどのオルガンはまた発音機構が違ってましてね、こちらは音の強弱が一切付かないわけです。

ゆっくり、やわらかーく弾いても、思いっきり叩きつけるように弾いても、ボリュームが一切変らないんですよ。

ちなみにこれは、パイプオルガンも一緒なんです。

というか、もともと、パイプオルガンのシュミレーターとして作られたわけですから、これでいいんですけれども。

 

なので、オルガンの場合は、音の強弱による表情付けは、足元のべダルで付けるんですね。

ハードロックなどでは、ボリューム最大のまま演奏することが多いんですが(相手がバリバリに歪んだギターですから、下げたら負けてしまう(笑))、

ジャズやブルース、ゴスペルなどでは、足のボリュームの表情で、全然演奏が変るんですよ。

結構難しいんですけどね。

特に、ピアノには無い機能ですから。

ピアノは、指先で全てをコントロール。

オルガンは、指先は、いわばスイッチのOnかOffだけをして、足で表情を付ける。

シンセは、色々と機種や音色によって設定がありまして、ミニモーグなどの古いアナログシンセは鍵盤だけでは音の強弱は付きません。

どうしても付けたい場合はボリュームペダルを繋いでやります。

良く、僕のセットの足元がペダルだらけになっているのは、そういった事情もあるわけです。

そして、新しいデジタルシンセは、先ほどのセンサーがついていまして、ピアノのように柔らかく弾いたり、強く弾いたりで、表情を付けられます。

でも、この表情の付き方が、メーカーや楽器によって、バラバラなんですよね。なので、慣れが必要なんですね。

初めて触るシンセとかだと、思いもかけないところで音が大きくなってしまったり、あるいは特別な効果が付いてしまったりして、

慌てることもあるので、特にシンセをメインにするキーボーディスト(あるいは、そういう現場の前)は、

「仕込み」と言って、事前のチェック(音選び、音作り、設定の確認、慣れ)などが命だったりもするんです。

まさに、今僕は、この仕込みの真っ最中という感じであります。地味な作業ですが、これをやらないと、全てが始まらない、というね。

 

その点ピアノは単純明快でいいんですよね。運べないから、運ぶ心配もないですし。

ただ、その代わり個体差があって、これが非常にドキドキものなのは、昨日も書きました。

あ、そういえば、ピアノ弾きのアーティストのベン・フォールズなんかは、

ピアノそのものを世界ツアーに持って回ってますよね。

あれができれば、ベストですよね。まあ、移動の振動で、調律は毎回狂いまくりでしょうけれども。

 

オルガンは、まあ、ハモンドがあればいいですが、大抵は無いので運ぶわけですが、

オルガン自体がC3やB3だったら、それだけでもうアレですが(笑)、

Xk-3cやCX-3などの一段鍵盤のオルガン(コンボオルガンと言います)にしたとしても、

どうしても必需品としてレスリースピーカーが必要だったりもしますので、なんといっても、重たい。運ぶのにはクルマが必需品。

というか、トラックが必要、という。

 

・・・うーん、こう考えていくと、

鍵盤弾き・・・鍵盤叩きって、

結構面倒なんですねえ

 

 

いや、僕の性格が面倒だ、という話じゃなくって(笑)。

 

大根が鍵盤に見えてきましたね。

 

・・・別に見えてきませんかね(笑)。

 

うー、はやく大根でぷ、したいー

 

そうそう、一昨日の、「夏祭りdeShow」のライブ映像が、早速トミちゃんサイトにアップされております。

http://www.youtube.com/watch?v=geFo0w-8Fhk&feature=player_embedded

一曲目なのですが、なんと、ライブのオープニングから、丸っと。

SEを最初は録音から、だんだん生演奏でトレースしていってすりかわる仕掛けと、

曲中の、原曲には無い、なんと三回もの転調が聴きものです(・・・って、僕が遊び心で作ってしまったのですが(笑))。

けっこうトリッキーでして、「でも、決まるとかっこいいよ!」といい続け、なだめ、説得して(笑)、

本番は、ご覧のとおりバッチリでした。

トミちゃんも久美ちゃんも、本当に素晴らしいシンガーです

そうそう、この曲の頭のピアノのフレーズみたいのも、弾く、というより、叩く、というニュアンスかもしれませんね。

 

これから、どの曲のビデオがアップされるのか、僕も楽しみですすすー

 

ではー。



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