また雪が降りましたねー。でも、止んじゃいましたねー。また写真、撮りそこねましたー。いや、寝ていたわけではないのですが(笑)。
「なんで戦争なんてするんだ!?信じられない!分からない!」
・・・多数の方が思うかもしれません。でもこれだと話が進まないので、少々長くなりますが少しだけ紐解いてみましょう。
あなたは、誰ともケンカしませんか?したことはありませんか?
今はさすがにしないよ、とおっしゃる方も、子供の頃はきっと一度や二度は。誰かにぶたれたり、ぶったり、したことだってあるでしょう。
そこらの公園に一日座って眺めていれば、仲良く遊ぶ子供たちの声に混じって、きっと泣き声だって聞こえてくるでしょう。
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砂場でAちゃん、Bちゃんが山を作っていました。二人共ワンワン泣いている。見ると、どちらの山も崩れている。
Aちゃん「Bちゃんが、貸したシャベルを返してくれなかった」
Bちゃん「ちょっとだけ貸して、ってちゃんと言ったよ。そしたら貸してくれるって、言ったんだよ」
Aちゃんが、後から来たBちゃんにシャベルを貸したらしい。
Aちゃん「でも、もう返して、って言ったのに、『もうちょっと、もうちょっと』って全然返してくれなかったんだよ。」
Bちゃん「そんなことない。『ごめんね。もうちょっとだけ待ってね』ってちゃんと言ったのに。それなのに、Aちゃんが突然怒って、私の山を踏んづけて壊したんだよ」
Aちゃんは貸したシャベルを、何度言ってもなかなか返してくれないBちゃんに癇癪を起こして、Bちゃんの山を崩してしまったらしい。
Aちゃん「でも、そしたらBちゃんが、砂を投げてきたの。それが目に入ったの。とっても痛い。ウワーン」
Bちゃん「そしたらAちゃんが、ぶったの。ウワーン」
Bちゃんも、悔しくて、思わず砂を掴んで投げつけてしまった。そしたら、そんなつもりは無かったのに、たまたまAちゃんの目に入ってしまった。そして、Aちゃんも応戦。手を出してしまった。そして、取っ組み合いに。
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さて、どちらが悪いでしょう。あなたは、二人になんと言ってこの場を鎮めますか。そして、どちらが悪いかの判断を迫られたら、どうしますか。Aちゃんが?Bちゃん?「仲良く遊びなさい」というのは簡単ですが、こんな砂場のケンカにも、それなりに理由がありまして、この場合でも、二人はお互いに「むこうが悪い」、と言うかもしれませんね。
・・・陳腐な作り話で申し訳ないですが、こんなの、世界中どこにでもある話ではないでしょうか。でもまずは、こんな砂場トラブルの延長が「戦争」なんだと覚えておいてください。人は、砂場でも、世界を舞台にしても、争うのです。
話し合いをしても(『返してと言った』『もうちょっとだけ、と言った』という段階がそれ)、解決しない場合(『でも返してくれなかった』『丁寧にお願いしたのに』)、・・・手を出してしまうことがあるのです。この例にしたって、Aちゃん、Bちゃん、どっちかが100%正しいというのは無いですよね。判断は、難しいのです。でも、大人がこんなことでケンカをしたらまずいですよね。
さて、じゃあなぜ、大人になるとなかなかケンカしないか。大人は、子供よりも理性があるから?人とは仲良くするべきだと知ってるから?半分は当たっていますが、半分は、説明不足です。大人だって、むかついたりしてるわけです。むしろ、大人のほうが、腹に据えかねることが増えてくる・・・そうでしょう?じゃあなぜ、簡単にはケンカしないか。
答えは、大人になってケンカをすると、・・・罰を受けるからです。
大人がケンカすると、警察によって罰則が与えられます。程度が酷ければ、財産(罰金)や自由が奪われます(懲役)。履歴にも前科が書き加えられますので、先々の信用も得にくくなりますし、仕事もしづらくなります。社会生活に支障をきたすことになります。へたすれば、人生崩壊です。これは怖いことなわけですよね。
ケンカに限らず、泥棒に入っても、強盗をはたらいても、詐欺を企んでも、警察はやってきます。逆に言えば、我々の生活は、これでかなりの安全が守られているわけです。夜道の一人歩きの場合などでも、パトカーや警察官がそばに居てくれたら安心でしょう(とんでもない警察官もいますが、この場合それは除きます)。
警察は人の(悪い)行動を抑止するわけですがから、これを「抑止力」と言います。そして軍隊は、警察のさらに強力版の抑止力だと考えてください。法律も抑止力です。誰も決して人を殺さないなら、「人を殺したらいけない」なんていう法律は、そもそもいらないのですから。人を抑止する為の法律は今でもそうしてどんどん増えて(発達して)います。
しかし、世界という大きな国に、警察は居ません。これが問題の一つです。戦争の原因そのものは民族対立、宗教対立、国土拡充、資源確保などなど、ようするに「気にくわない」とか「あいつのアレが欲しい」とか、実はそんなもんなんですが(昨日書いたケニアのケースは、「政治家の圧政とそれに対する民衆の反発」、と考えられますね。つまりある政治家の「欲の深さ」が原因でしょう)、・・・でもこれが複雑に絡んでしまってるから、後から原因を探リ出すのも大変で(一つではないケースも多い)・・・、しかしとにかくそれを止める抑止力が働かない、というのも理由の一つなんです。
アメリカが「我々は世界の警察だ」なんて言いますが、これは別な思惑もあってのことですし、おそらく「正しくは」機能しませんし、無理だと思います。宗教も問題もありますし、世界ではそこまでアメリカは信用されていません(大抵の日本人は別として)。そもそも、あんな建国以来常に戦争ばかりしている危険な国に、警察なんて怖くてお願いできません。「バカボンのおまわりさん」以上に発砲している危険な警察官ですよ(笑)。ただ、既に世界26ヶ国以上に基地が設置されて(しまって)います。勿論、日本もそのうちの一つです。しかもやたら沢山ありますね。
そして、国連。これも現実問題、警察の役割を担うほどの力は無い団体なのです。「国連決議」なんて、しょっちゅう無視されますしね、表向きはともかく、結局一部の力のある大国の思惑によって運営されているような状態でもありますから。残念ですが。立場は偉いんだけど、怒られてもあんまり怖くない先生、みたいな感じでしょうか(言い過ぎかな)。
さて、日本は軍隊を持たない、ということになっていますが、僕は自衛隊は立派な軍隊だと思っています。なぜなら、軍隊と同じことができるからです。戦車もあるし、ミサイルも打てるし、最新鋭の戦闘機も戦艦も持っています。高性能ライフルを持ったパラシュート部隊だって、いつでも出動できるように、ちゃんと訓練されています。ちなみに、日本の軍事費は世界第5位という大きなものです(つい数年間までは米、英に次ぐ第3位でしたが、現在は中と仏が上位に)。核こそ無いものの(たぶんね)、日本は、世界的に見ても、相当な軍事力を持っているのです。
さて、しかし日本の誇る憲法9条では、「国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」、ということですね。これはケンカの為には使わないけど、抑止力としての軍事力(自衛力)は持ちますよ、ということです。他の国が簡単に悪さをしてこないように。攻めないけど、いざ攻めてきたら、守る為にはキッチリやりますよ、怖いですよ、ということです。
「えー。いらないんじゃないの、そんなの。」
と「性善説」の立場で考えられる方もいらっしゃるでしょう。それはそれで素晴らしいとも思うのですけれど、ならば家の鍵を開けっ放しにして、表には「ウチは鍵を一切かけておりません」と張り紙をしてずっと生活できますか?ということなのです。
よく、「世界中の国がいっせいに武力を放棄できれば」、という話が出ますね。これも同様に、全部の家がそうしたら・・・ということなのですが、どうですか、大丈夫そうでしょうか?絶対に誰も、自分の部屋に勝手に入ってきたり、家のものを持っていかないよ、大丈夫ですよ、鍵なんて要りませんよ、と言えますでしょうか。それも、日本人だけでなく、他国から来た外国人も沢山居る中で。外から帰ってきたら、当然の様に鍵が開いている。その恐怖に、耐えられますか?
しっかり鍵を掛け、何度も確かめ、大きな財産のある人は警察の抑止力だけでは信用に足りなくて、防犯カメラを付けたり、セ○ムなどの民間警備会社とも契約しているわけですよね。これが僕達の住んでいる世界の現実です。
難しい問題です。でも、ただ「難しいので、わかりません」で止まっているということは、いざというときに「流される」ということです。人の言いなりになる、ということですから。時々一緒に勉強していきましょうね(・・・って何のブログだ?)。
現在のところ、結局は軍備、ひいては核爆弾を持つことがほぼ唯一強力な他国への抑止力になってしまっていますが、このやり方にはとても諸手を挙げてなんて賛成はできませんよね。核は、まずいです。僕達は一番それを知っていますよね。どんな国の核保有にも絶対反対していかなくてはいけないと思います。ってか、あんなもの認めては、結局僕達の将来はなくなると思います。沢山の核爆弾に守られた世界平和なんて、もはやブラックジョークですよね。
あと、私たち日本はこんなに平和なのに、アメリカをはじめ、何で世界中で戦争が起こってるのか、という疑問がありますね。これに対する一つの答えといいますか、もしかしたらご存知ない方もいらっしゃるのかも、と思うポイントを書きますが・・・、
日本の憲法9条のような、「武力行使を放棄」して「平和を約束」している国は、都市国家(=大きな国)では、「世界中で唯一日本だけ」なのです。あとの世界中の全ての国は、いざとなったら(話し合いで解決がつかなければ)戦争する用意がある、とはっきり言っているのです。永世中立国のスイスの軍隊なんてそれはそれは強い軍隊なわけで、だからこそ誰もスイスには手を出さないというのが事実なのです。とにかく、日本以外の国は、どこも戦争を放棄してないんです。怖いですよね。でも、これが今の世界の現実なんです。平和な国、日本で過ごしていると、分からなくなっちゃうんですが、基本的に世界はあんまり平和じゃないんだ、ということは覚えておいてください。日本はもう随分長いこと平和というぬるま湯の中に居ますから、大多数の人が忘れちゃってるんですけどね。
あと、こんな例があります。これはとっても素晴らしいことのなのですが、中米にあるコスタリカという国が1949年に軍隊を永久に廃止しました。これによって、コスタリカに攻め込む国は、なくなりました。こういうやり方も、あるのです。(注:ただ、万が一の非常時には軍隊を組織する、という項目はおりこまれています。・・・これは当たり前といえば、当たり前ですよね。)これも立派な戦争放棄です。世界で、日本とコスタリカだけなんですよ。
じゃあ、なぜ日本はコスタリカみたいにしないのか。なぜ、軍備(自衛隊)を放棄しないのか。
これはですね、日本は、コスタリカと違って・・・世界第二位の経済力を持つ大国だからです。つまり、欲しがる人が多い国なんです、色んな意味で(・・・自然も、人も、文化も、海外から見ても、素晴らしく魅力的な国なのですよ、わが国は)。そんな日本を手に入れて好きにできるなら、よし、ひとつ攻め込んでやろう、という国があっても全然おかしくはないのです。恐ろしいことですが。なので、現在、自衛隊と、あとは日米安保条約によって、「何かあったらアメリカが守ってくれる、代わりに戦ってくれる」という約束の下、我々の平和は成り立っているのです。しかしそれゆえ弊害もあって、あまりアメリカに強く出れない国になっています。なので、「これじゃアメリカの属国じゃないか」、とか、「日本はアメリカの51番目の州か」、などと揶揄する声も聞こえて来るのです。
でも本当に、アメリカがいなかったら、日本は寒空の下、裸同然で外に放り出されるのと一緒、というのも事実なのです。「アメリカの軍事力による抑止」が無かったら、お隣の北のあたりから、とっくに爆弾が落ちてきてるかもしれないのです。悲しいことですが、これも現実です(だから憲法を変えて、自分たちで自立しよう、という動きもあるわけですが、これは・・・)。日本は、独立国のような、実際はそうでないような、変なことになっているのです。
僕は、憲法9条は一度変えてしまったら、ズルズルと大変なことになると思っています。じゃあ、どうすんべよー、という話は・・・いくらでもするべきです。それこそ、徹底的に話し合いです。
そのためには、僕達一人一人が色々としっかり見て、知って、考えとかニャ-、と思うのであります。
ではー。