今年のアカデミー賞は「ラ・ラ・ランド」という大方の予想を覆して、作品賞ほか脚色賞、
助演男優賞の3部門を受賞した異色のヒューマンドラマです。
マイアミを舞台に自分の居場所とアイデンティティを模索する少年の成長を、少年期、
ティーンエイジャー期、成人期の3時代構成で描いており、それぞれを3人の俳優が
演じています。
物語はマイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロンの成長を通じて、LGBT(レズ
ビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)を超えた感情を映像化したもので
す。プロデューサーはアカデミー賞受賞作「それでも夜は明ける」も手がけたブラッド・ピ
ットが製作総指揮し、監督は本作が長編2作目となるバリー・ジェンキンスです。母親役
に「007」シリーズのナオミ・ハリス、麻薬ディーラー役にテレビドラマ「ハウス・オブ・カー
ド 野望の階段」のマハーシャラ・アリが配されてします。
優れた作品であることに間違いはないのですが、これがアカデミー賞作品賞を獲った作
品とは今でも思えませんし、やはり政治的な配慮があったと勘ぐる私です。
作品の背景となった異色の社会に対して、もう少し知識を持っていたら更に面白く見るこ
とが出来ただろうと、少々悔やんでもおります。
随所に見せてくれる素晴らしいカメラワーク、少年時代から青年になってからの母と子の
会話もまた素晴らしい場面ですが、私の好き嫌いで言うと嫌いな分野なので、これ以上
褒めることが出来ません。
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