宝塚歌劇出身の人には、独特の雰囲気というかオーラがあります。中田康子さん
もとても魅力的な女優さんだと思います。
一方、永田雅一社長はその図抜けた才覚と実行力は、当時の映画界の麒麟児と
もいえる男。その二人がたまたま一緒に参加した東南アジア映画祭で、初めて会
った時はどのように感じたのか、思ったのかは計り知れませんが、立場を乗り越え
て恋に落ちたのは判るような気がするのです。
永田社長の強い要望で昭和34年(1959)に東宝から大映に迎えられた彼女は、天
真爛漫に30本の大映作品に出演します。その作品系列を見てみると「関の弥たっ
ぺ」をはじめとして「アスファルト・ガール」まで、時代劇・現代劇に、加えて怪談物ま
で縦横無尽です。それは永田社長の存在があったのは勿論ですが、大映も彼女を
上手く起用して女優陣の柱の一角にしたいと思ったのは事実です。
作品的には成功とは言えなかったのですが、ブロードウェイのダンス振付師まで
呼んで製作した、本格的ミュージカル映画「アスファルト・ガール」(1964)は、私の
好きな一本てはあります。
こうした表面の一方で、永田社長と中田康子さんの愛は密かに激しく育って行っ
たのですが・・・。(次回へ)
中田さんの第二弾があるとは嬉しい限りです。「アスファルト・ガール」については、ミュージカルを作るという理念だけが先行した作品である、といったような批評を読んだことがあります。このころは東宝の「ああ爆弾」や「君も出世ができる」など、ミュージカル志向の作品が結構ありましたが、邦画では定着しにくいジャンルなのでしょうか。一番上のスチールで、川崎敬三さんはじめ乾杯している5人の男性の真ん中の方は夏木さんでしょうか。
中田康子さんは次回まで載せることにしています。
大映社員の中でも、彼女のことを酷い女だという人もいますが、私なりの気持ちで
来週も書きたいと思っています。
私も気が付きませんでしたが、写真の真ん中は夏木さんですね。