「オズの魔法使」で知られるハリウッド黄金期のミュージカル女優ジュディ・ガーランド
が、47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に行ったロンドン公演の日々を描いた伝記
ドラマです。
「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズのレニー・ゼルウィガーが、ジュディの奔放
で愛すべき女性像と、その圧倒的なカリスマ性で人々を惹きつける姿を見事に演じきり、
今年のアカデミー賞をはじめ、ゴールデングローブ賞など数多くの映画賞で主演女優賞を
受賞しました。
1968年。かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディは、度
重なる遅刻や無断欠勤によって映画出演のオファーが途絶え、巡業ショーで生計を立てる
日々を送っていました。住む家もなく借金も膨らむばかりの彼女は、幼い娘や息子との幸
せな生活のため、起死回生をかけてロンドン公演へと旅立ちますが・・・。
共演はフィン・ウィットロック、ジェシー・バックリー、マイケル・ガンボンなど。監督は
「トゥルー・ストーリー」のルパート・グールドです。
ミュージカル映画が大好きな私は、当然ながらジュディ・ガーランドのファンでもありまし
たので、早速見てきました。痛々しいほど落ちぶれた彼女の物語ですが、食らいつくような
感じで見ました。
まずレニー・ゼルウィガーがどれだけジュディに近づけたかですが、場面によっては驚くほ
ど似ているし、ジュディになり切っての熱演は主演女優賞が当然の思いです。ただ残念なの
は脚本と演出が期待したほどでなく、最後の頃のジュディだけではなく、黄金期に君臨した
彼女の挿話をもっと取り入れて上手く描くことにより、現在の物語が生きたのではないかと、
不満です。