第8回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した中山七里の同名小説を
映画化したものです。話題の新人・橋本愛が主演する作品でもあるので期待
して見ました。
ピアニストを目指す16歳の遥(橋本愛)は、両親や祖父、従姉妹らに囲まれ幸
せに暮らしていましたが、ある日火事に巻き込まれ、一人だけ生き残ります。
全身に火傷を負い、心にも大きな傷を抱えた遥は、それでもピアニストになる
ことをあきらめず、岬洋介の指導の下でコンクール優勝を目指してレッスンに
励むのでした。
しかし周囲で不吉な出来事が続発して遂に殺人事件が・・・。
主演はこのところ「桐島、部活やめるってよ」など話題作が続いている橋本愛
で、相手役は今回が演技に本格初挑戦となる現役ピアニストの清塚信也が
抜擢されています。
更に監督は自身も俳優として活躍する「クロエ」の利重剛という新鮮なスタッ
フ・キャストで製作されました。
新鮮なメンバーで、少し変わった作品を作ろうとする意気込みは買いますが、
演出も未熟だし、俳優陣もこれといって特筆する面はありません。
この作品の一番の失敗は脚色の不味さだと思います。
ミステリー調のお話は、映画を見ている側に初めからバレバレだし、色々な
要素が盛り沢山ですが不要な挿話が多く、見る側は131分を持て余します。
スタッフ・キャストの意気込みだけで面白い映画が出来るのなら、誰も苦労
はしません。甚だ残念です。