映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「わたしを離さないで」

2011年03月28日 | 日記

             

     この原作こそ映像化が不可能とされてきたカズオ・イシグロの小説の映画化
     です。
     カズオ・イシグロは長崎生まれのイギリス人で、英国最高の文学賞・ブッカ
     ー賞を獲得したこともある作家です。

     へールシャムという特殊な寄宿学校で学ぶ学生たちの描写からはじまる風景
     は、極めて普遍的なのですが、ここにいる子供たちの存在理由は見ていて??
     謎・謎で、どんどん映画に引き込まれて行きます。
     そして彼らはある運命を背負った特別な存在であることが判ってきます。

     その中で一緒に育った3人の若者が、自らに課せられた過酷な運命を知り
     ながらも懸命に生き、幸せを掴もうとする儚ない恋と青春の物語とも言える
     でしょう。
     途中の経過も、ラストについても見てる者がどのようにでも解釈することが
     出来ると思われる深みがあります。

     私は静かな描写の中に、最近流行の残酷物を上回る凄惨さを感じましたし、
     やるせない想いに駆られたのですが、イギリスの田園風景や建築物、海岸
     や無機質な病院などの描写が素晴らしいのと併せて佳作と申し上げます。

     マーク・ロマネク監督は、今までビデオを手がけてきた人だそうですが、
     上手く練り上げた演出をしていて見事だし、複雑な物語の語り部でもある
     女主人公役をキャリー・マリガン・ルースが、それにキーラ・ナイトレイ、
     アンドリュー・ガーフィールドとの3人が、若手実力者の勢いをみせている
     のも、佳作になった大きな要因でしょう・・・。



コメント
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