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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

懲りずにアナログ

2009-10-30 21:14:43 | ●Weblog
 27日(火)に行きつけにしたくてもできない銀座のBarタリスカーに2年ぶりかに行ったところ、ヤマハのアナログ・プレーヤーが新設されていて、前はCDだけだったBGMをここしばらくはLP任せにしてきたとのこと。その次に、来る11月3日の祭日、Jazzmalの店主で大学の後輩が、音の良さそうなアナログ盤を持ってウチにやってくることに。さらにその次は今日、ふらりと近くのディスクユニオンに行くと、店内にアナログ盤の占める割合が激増しているのにびっくり仰天。そこで、さらにさらにだ。『トゥ・アゲインスト・ネイチャー/スティーリー・ダン』の中古LP6千90円也を発見、意を決して買った。これは不覚にも知らなかった。が、『モーフ・ザ・キャット/ドナルド・フェイゲン』重量盤2枚組の時のような痛い思いをせずに済んでホクホク。ただ、音調はCDそっくりなので、これの使い道は、客人をびっくりさせるためか、呑みの友にするくらいかも。ではあるが、なんか、アナログ、ヴィニール、180g、重量盤など、何らかの波は確実に押し寄せつつあり、個人的には足下から上向きなら、もうへそかあたりだと感じている。

『ライク・マインズ』のアナログ待ち

2009-10-28 00:19:18 | ●Weblog
 今、アナログ再生が面白いとか、あるいは音の良さ深さに舌を巻く、とかいう訳が、機器のグレードと違うところにもあることがじわじわ分かってきた。目下の筆頭は、トーンアームのオーバーハング調整、またはトラッキング調整。先週末は、これに全精力を費やした。もちろん、全体のラテラル・バランスとインサイド・フォースへの注意も怠らずに、『アローン/バット・ネヴァー・アローン/ラリー・カールトン』(アメリカ盤)のA面2曲目を、ちょこまかやるたび聴いた。アーム本体を微々と前後しつつ、シェルのネジを締めたり緩めたり、こういうゆくえ知らずの旅にさほど集中力を上げたのは、生まれて初めてかも知れない。が、何かの拍子にトラッキング・ゲージが内周も外周も「これで良し」とピタリだと言ってきた時の、歪み感の激減したアコGの通りと抜け、それに伴う背景の晴れ具合など、ひっくり返りそうになった次に姿勢を立て直して、耳も目もその音景に釘付け。おっと、電子針圧計もその一翼を繊細に担ってくれたのを書き漏らせない、など、でも、つまるところ、こんなこと毎週末はおろか、毎月末にもやりたくないが、カートリッジを換えた時には避けて通れない。今注目の“初LP化”は、『オール・フォー・ユー/ダイアナ・クラール』と、『ライク・マインズ/ゲイリー・バートン』の2タイトル。後者がそろそろ届いていい。

またやってしまいましたの巻

2009-10-15 21:47:54 | ●Weblog
 前項の写真をひと目見て大笑いの人も多かったはず。リード線の結線違いで、針を落とした瞬間、ステレオのLRはきちんとしているのに位相が滅茶苦茶なのにあちゃぁ~。またまた指先を振るわすこと約30分、震えに馴れてきた感じは、この先のお楽しみを推し量れるようになったかららしい。どうあれ入院させた以上、この際だからとキャビネットをアーム・ボードと同じ材のに換えてもらったら、解像度、鮮明度とも、いい方に向かって激変。音のことを思えばどうだっていい見かけも、ここまでお洒落になって帰ってくれれば嬉しいわ、だ。クリーニングを済ませておいた、ダイレクト・カッティングの『リー・リトナー・フレンドシップ』(VIDC-3)を聴いた。これが出た78年当時、アナログで一体何やってたんだろうと天を仰いだ。このシリーズこそ重量盤LPで再登場すべきだ、とも。

アナログ顛末記

2009-10-07 23:30:50 | ●Weblog
 お世話になっている毎日新聞音楽担当の匠のタイムレスな愛聴盤に、『アランフェス協奏曲/ジム・ホール』があると聞いて、ウチのABC順「Ha」棚をあたると2枚出てきた。ひとつが88年にキングが出したゴールドCD、もうひとつは、リミックスされたうえボートラやオルタネイト・テイクを加えて9曲入りのお徳用になったデジパックの輸入盤。取材のたび目先の人や音を追いかけていくより、名盤との再会のチャンスがこうしてやってくる方が、最近は楽しくてしょうがない。それが証拠に今回も、おお~っ、中でもオリジナル盤にない〈ロック・スキッピン〉を筆頭に、どこそこでパット・メセニーとかぶるのに変な笑いが止まらなくなった。これでは、アナログ・プレーヤーが退院・帰宅したら、LPも再読せねばならない。というので、オルトフォンのリード線7N-LW1を手に入れ、フェーズテック・シェルに2M Blackを取り付けた。カメラなら、レンズだけ先に揃えてボディ待ちってな感じだ。そこで少々突然だが、ミュージシャンとその音楽を知るにも書くにも、インタヴューしさえすれば何とかなる幻想を抱いている人は気をつけた方がいいと。やむを得ないことだが、音楽家も人の子、年齢を積むうち時間の記憶は揺らぎ、昔の敵も今は身方、など話はとかく波瀾万丈。なので、リード線やカートリッジが見つける真実に、これからも注意して行きたいもの、と同時に、何でここまで自前でやらねばレコード聴けないの、と泣く泣くで、果たしてこれでちゃんとイケるかも分からず勘弁、というのを接写。顛末記というのはなるほど、行き当たりばったりにこそ醍醐味がありそうだ。

物自慢に欠かせぬ「落ち」になるか

2009-10-04 22:50:37 | ●Weblog
 朝一番、アナログが左チャンしか鳴らなくなった。このクソ忙しい中、大汗して格闘することまたも半日。原因は、シェルとカートリッジを結ぶリード線チップのゆがみ。シュアーからオルトフォンに付け替える時、リードプライヤーに力を入れ過ぎたらしい。さらに参ったのは、フル・レストアからわずか12日後なのに、ターンテーブルから微かな異音が出始めたこと。目下では最悪の故障連鎖だ。こうなると、それぞれが落ち着くまで、新聞を読んでも世のことを思わず、いつも目先と手先のことばかりになるが、ただ、リオ・オリンピックだけはどうなんだろうと。熱狂一辺倒の片輪走行になると、「落ち」どころに囲まれ兼ねないからね。写真は異音の発生源と見られる付近。こういうのでターンテーブルを回して巷間のDDプレーヤーを凌ぐというのもまた、見れば見るほどなまめかしい。

アナログはやっぱり凄いな

2009-10-03 18:51:35 | ●Weblog
 シェルの次に届いたオルトフォンのMMカートリッジ2M Blackには大助かり。シェルに取り付けるのに、上からビス止めするしか手がないからだ。これで真っ先に聴いたのは、オク出しをほぽ決め込んでいた『モーフ・ザ・キャット/ドナルド・フェイゲン』の重量盤LP2枚組。するとおっとっと、売っ払うことなどもってのほか、機器のセッティングやトーン・アームの再調整次第で絶品のお宝になりそうで、1年半ぶりかにバーボンの栓を開けた。同じプレーヤー、アーム、シェルな以上、素人が想像し得る訳は、前のShure V-15 type4の上が20kHz止まりだったのが、こいつは31kまで伸びていること。それにしてもえらい違いだ。CDと切り替えながら聴くと何の遜色もないどころか、スピーカーがいなくなる感じは、LPをかけている時の方が頻繁にやってきた。写真で分かる傾きを直したらなお凄いことに。