もとdaregaitsdoco.com

成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

ガトー・バルビエリの訃報後

2016-04-05 07:48:12 | ●Weblog

 ガトー・バルビエリ最後の来日は、確か1991年7月のブルーノート東京公演だったかと。その際、インタヴューしたはずなのに、残念ながらカセット・テープかDATの原本も、デジタル変換したファイルも見つからなかった。そこでウチにある限りのCDをリッピングしたファイルで、あれこれを聴く。面白かったのは、半ば忘れかけていたフィリップ・セスがプロデュースした97年盤『ガトー・イズ・バック』と、チャック・ローブがプロデュースした99年盤『チェ・コラソン』の2枚。インパルス期を信奉する御諸賢には異論があっても、比類なきスタイリッシュの魔力を浴びるのに、こんなにどんぴしゃのサウンドもない。ふと、マーカス・ミラーがマイルスをもてなした手際に思いを及ばせたりもした。あとは、インパルス期の未発表曲と未編集曲を入れた2枚組ベスト『ラティーノ・アメリカ』(97年盤)も、通しで付き合わせてもらった。ファイル再生にはfoobar2000のDSD変換がもっこりし過ぎだったので、素っ気ないようでいてナチュラルなTEACのHR Audio Playerに切り替えたが、吹奏の気骨はもろに「そんなこと、どうだっていいだろ!!」という感じ。『チェ・コラソン』は、「私のバイオグラフィーのようなアルバムだ」と語った労作だった。