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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

LPをグラムで買う

2009-12-29 21:24:47 | ●Weblog

 

  ちょっと前に触れたオーディオ・ファイルのネット・ショップから、最低10日に3度は「ニュー・リリース」のプロモーション・メールが来る。それだけでもヒリヒリと目をやられるのであまり奥に入らないできたが、今日、つい何かの拍子に「Vinyl」のメニュー・ページを開けて、おいおい、これではピザかハンバーグ屋のメニューだぞと吹き出しそうになった。210グラムの新カテゴリーは大食漢用だね。その唯一のタイトルが、『カインド・オブ・ブラウン/クリスチャン・マクブライド』というのもなんかお似合い。「Test Pressing」カテゴリーは、ラベルもジャケも真っ白で、昔のこっちで言うところの白盤。それがまた高いことには愕然。どこもあの手この手が止まらないようだが、来年はこの手が八方から押し寄せてきそうで怖い。同時に、重量盤の大当たりを引いて、CDなんかもういらない、となった時を思うのもまた怖い。


オフランプ

2009-12-25 23:54:09 | ●Weblog
 今年最後のライナー・ノーツを抜いた次に、今さらレヴューを倍の文字数で書いてくれという冗談じゃない話を断ったものだから、ややホッとしてECM180g盤を迎える準備を始めた。『オフランプ/パット・メセニー・グループ』のトリオ盤LPの白盤。最近、180gや200gものが多かったため、つまみ上げるとあれっというほど軽いが、ファースト・プレス・グループに属す白盤は、ただ重く頭でっかちなだけのディスクを凌ぐことが多い。という一方、パット・メセニー・グループの名録音盤って何? というのが今もって未解決なままでいることにも背中を押された。夜半の目下、微音で聴いては分からないことが多いが、そういうところまでアイヒャー氏の思いが及んでいることを願いたいものだ。アナログ・マスターのあるものは、ぜひそいつを使って、と、そんな話を田口さんとしたところ、バーニー・グランドマン・マスタリングが、日夜アナログの仕事で一杯いっぱいで、CDの方はボチボチな状態になってきたとのこと。この勢いは来年もっと加速しそうだ。

音楽と音

2009-12-24 22:22:33 | ●Weblog
 音楽さえ聴ければ音質とかはどうでもいい人かと思ってたと、先日、Y巨匠いわく。かれこれ15、16年、これでも真面目にオーディオと付き合う間、時としてPCのデスクトップSPで凌いだことがあった前科を読まれたらしい。今あるBOSEのデスクトップ用は、かれこれ5、6年前のもの。雰囲気は出せるが、ディテールを描くまで及ばないのは言わずもがな。という矢先に、友人宅でiPodドックのコンパクト・システムを聴いて、同じ憂いを感じた。具体的には、本来あるのに聞こえてこない音が多過ぎる、と。しかしその一方で、RVGもフュージョンも見境なく美形で出してくる。これを使う大方が、オーディオのサブのサブにする訳も分からなくはないが、精度高いアバウトとは実は、相手の感受性と思考をかえって翻弄していることも分かった。来春2月、ECMが180g重量盤LPを6タイトル出してくる。デジタリアンと化した古参ジャズ・ファンには、痛し痒しの出来事になるのかも。

年末のビルボード

2009-12-17 23:14:09 | ●Weblog
 ビルボードがイヤー・エンド・チャートを発表。今年、ジャズ・チャートが一本化されたせいもあり、ますます意味不明の様相に。不調の胃がいいよと言い始めたら、解読に向かおうと思う。それもあって、息抜きにディスクユニオンでアナログを物色。大収穫は、本邦ワーナー・プレスの『モダン・タイムズ/ステップス・アヘッド』が525円。音楽の面白さもさることながら、録音がジェイムス・ファーバーとグレッグ・カルビとは当時は考えもしなかったので、家で開封してハッとした。もうひとつは、Jazz Wax Recordsの180g重量盤『Groovy/Red Garland』の新品。マスタリング・レベルのあまりの高さにおののき、ユニバーサルRVGリマスターLPをAmazonで1-Clickした。アナログのモノラル環境をチェックするのに、昔からこの盤はGroovyってなことで。

球の違い

2009-12-13 12:49:41 | ●Weblog
 ギター・アンプから引っこ抜いたECC83はどうやら高ゲイン管で、オーディオのプリ・ユースには不向きな面が多いことが分かってきたので、元に戻した。分かってきたと同時に、さほどハイ・ゲインだとほかのどこかに悪さしては元も子もないからだ。歪み感はまったくないけれど、どこか歪み始める半歩手前のような、何か変なことが起こりそうな危うい気配を、このプリから立ち上らせては罰が当たる。じゃあどうしようかとネットを探ると、さすがにコアな世界、出てくる用語の大半がちんぷんかんぷんだ。これではもはや、どこぞの梁山泊でお世話になるしかないかも。もちろん、このままでも十分だが、球の違いをこれほど痛烈に体験してしまうともうダメ。
 一方、ケースを開けて見るだけでも良かったのは、IECインレットの止め方が恐ろしくヤワで、これでは電源ケーブルの聴き比べでも繰り返したら、インレットがいかれること間違いなし、ということも分かったこと。たぶん、ウチのだけではないと思う。

834Pの球をテレフンケンに

2009-12-11 17:05:15 | ●Weblog
 3本の12AX7をテレフンケンに差し替えた。3時間ほど温めてからメロディ・ガルドーをかけると、以前のヴォリューム位置では爆音過ぎて大慌て。ゲインがどっと高くなった分SNも良くなり、CDとの切り替え試聴もこれなら音量調整なしで行ける。そのくせ素性を壊してなさそうだから嬉しい限りだ。相性の良い球に当たろうものなら一体どうなるんだろうと。一応、やってみて良かった。
 確定申告データを「真空管」で検索すると出てきた。「平成10年1月14日、アンプ用真空管、1万1,400円」。これだろう。6BQ5が4本に12AX7が3本。新たにでも12AX7を3本なら、極端に上を見ない限り、贅沢扱いされずに済みそうだ。
 その後聴き続けたのは、『ディスカヴァリー/ラリー・カールトン』『トゥ・アゲインスト・ネイチャー/スティーリー・ダン』『ワン・オン・ワン/ボブ・ジェイムス&アール・クルー』など。だんだんと低域がふくらみ過ぎな感じもしてきたけど、何かほかのワンセットを調達できればもう少し見えてくることだろう。

EARの834Pが来た

2009-12-10 18:22:51 | ●Weblog
 サンスイのプリメインから、出水電器のT-100に換えた時か、それ以上の衝撃。100V電源を200Vに上げた時にいちばん近いかも。火を入れて30分にも満たないのに、と言うのもそれ以上我慢できなかったためだが、出てきた音場のなんと大きく鮮やかで奥深く、なおかつ温かくシャープなことに、「打っ魂消た=ぶったまげた」と、これはもう漢字で書くしかない。出所はひとまず伏せておいた方が良さそうだが、何はともあれ、T先生とY巨匠に深謝、万謝。しかしその一方、こうなるとアコースティック・サウンドから来る初LP化情報に、ますますどうしていいやら、と。今日のニュース・レターでウっときたのは、『フロム・ジス・モーメント・オン/ダイアナ・クラール』。真空管の話も、テレフンケン・ブランドだからと期待するのは大間違いなことがさっき分かった。目下再生中なのは、『原始心母/ピンク・フロイド』(OP-80102)。CDよりまったく聴き疲れしないから、止めどなくどんどん行く。




君子蘭と真空管

2009-12-08 21:07:41 | ●Weblog
 写真家の土居政則クンが昨日の午後、君子蘭の大きなふた鉢を車で持ってきてくれた。チューリップの次に、今度は人呼んで「高貴な花」。きちんと開花させるには、前より上を行く心構えがいるかも知れない。オーディオにかまけ通しで来たため、デジタル一眼レフの現況の話もとても勉強になった。というところに、フォノイコがどうやら行けそうだとの吉報が。仲間の輪と言っては一方的になるものの、輪なくして君子蘭もオーディオも動き出さないのは言わずがなで、こんなにありがたい話もない。が、EARがやってくるとなると、今度は真空管の勉強だ、と勇んだ次にそういえばと10年ほど前テレフンケンに差し替えたギター・アンプの12AX7を引っこ抜くと、3本すべてが実労100時間にも満たないECC83=53052。秋葉原の太平洋のオヤジさんにお任せで買って帰った翌朝の関東が、記録的大雪になったことは前に書いたか書かなかったか。しかし君子蘭、デカい、立派。

初LP化の第何弾になるか

2009-12-06 18:17:21 | ●Weblog
 『聖地への旅/マイケル・ブレッカー』の180g重量盤LP2枚組が、今朝やっと届いた。なんか昔LPしかなかった時代よりお皿を回してる感じに、聴きながら交換針の値段がちらついてきたが、くれぐれもこれは遺作だ、銭勘定を持ち込んでは罰が当たる。CDでは9曲一気に行くのが、これはA面2曲、B面2曲、C面3曲、D面2曲。これってCDより曲名を覚えるのにいい。最近の仲間内から「C面の2曲目聴いたか?」とか来るから気を抜けないせいもある。そうこうしているところに、写真の山本巨匠から、EARフォノイコの出物ありとの朗報が。ぜひお世話頂きたいので、その後の展開はどうすか? 今すぐにでも腰を上げますが。

日の出を拝んで再び日常へ

2009-12-05 17:26:06 | ●Weblog
 先週末、親類の葬儀で千葉市とさいたま市を3往復。真っ暗の朝5時起き、6時出発という強行軍にはガチガチに緊張した代わりに、運転しながら真正面に日の出を拝める幸運に授かり、通夜の帰路はディズニーランドの花火にねぎらわれ、ほかにも真っ赤な夕陽に照らされるなど、こうでもしない限り得られぬ体験に、故人への感謝と追悼の思いを深くした。
 他方、増えずに伸びるばかりの髪をやっとそれなりに処置、度が過ぎたか厚着してもてっぺんから冷えてきていやはや。アナログ・プレーヤーは、朝起きるとお昼まで聴く聴かないを別に回しっぱなし。アンプの電源も一緒。エアコンやヒーターに比べれば、微々たる消費量なのにご容赦を、といった気分で。
 忙中閑の昨日か一昨日、ふとした思いつきで棚から取り出したLPは『ハーレクイン/デイヴ・グルーシン&リー・リトナー』の米プレス盤。それにしてもこの頃のフュージョンのアナログは、ラリー・カールトンのをはじめ、相当に音がイイ。ドン・マレイの録音、ミックスによる85年作品。ベースにもう少し肉付きがあるとなお良かったかな。裏カヴァーのリーの若いことったらない。