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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

電線回帰

2007-09-29 00:50:38 | ●Weblog


 オーディオ用電源ケーブルの音が百人百様とか偉そうなことを言った手前、その抑えを簡単に。昨日朝に届いたゾノトーンのグランディオをわずか丸一日だがエージングした結果、比較論としてオヤイデのTUNAMI GPXの音がボトムズ・アップ、つまり、下から上へと積み上がって音型ができている、そう聞こえてきた。屈強な足腰の上に厚い胸板、肩の上にはきりりと目鼻立ちのシャープな小顔が、みたいな感じ。それに比べグランディオは、全体がシャープに均整が取れていて、十種競技選手の体型が思い浮かんだ。アンプ用をこれにしたしまいは、たぶんPCOCC-A一色だったきつめの音景が口元を緩め、いらっしゃいませモードにシフトし始めたような、なんか相当いい感じになった。これではいずれ、田口さんのお世話になるしかないのかも。ただ、グランディオ被服の青系のカラー、機器のリア・パネル側も見え見えのウチでは、慣れるまで少々時間がかかりそう。

SHM-CD

2007-09-28 00:58:46 | ●Weblog
 昨日の夕方は、ビクター新橋ショールームで、ユニバーサル・ミュージックと日本ビクターが共同開発したCDの新方式「SHM-CD=Super High Material CD」の試聴会。ディスク素材が、通常とは違うポリカーボネート樹脂系、これは高透明性の液晶パネル素材だそうだが、これに換えただけでさほどに解像度が滑らかかつ細やかになるものなのか、というのが率直な印象。『ゲッツ/ジルベルト』のジョアンの歌が、スピーカーから迫り出てくる感じがしたのが一事が万事、コルトレーン&ジョニー・ハートマンからも共通して響いてきたのは、SACDとは趣の異なる潤いらしい。ネックになるのは、シングル・タイトルが2800円、2枚組5000円、3枚組7500円。以下、11月21日に発売になるジャズ30タイトルって別に頼まれてやってるわけではありません。しかし、この理屈だとSACDと聴き比べてもまた意味が違うのかな、とか思いつつNHKホールのメセニー・メルドー・カルテットに行くと、19時からノンストップ2時間半の長丁場。気持ちの良い疲労感は、久しぶりのサウナっぽかった。

 『バラード/ジョン・コルトレーン』『ゲッツ/ジルベルト/スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト』『プリーズ・リクエスト/オスカー・ピーターソン』『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』『三月の水/ジョアン・ジルベルト』『至上の愛/ジョン・コルトレーン』『波/アントニオ・カルロス・ジョビン』『アニタ・シングズ・ザ・モスト/アニタ・オデイ』『ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』『この素晴らしき世界/ルイ・アームストロング』『サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン+1』『ソウル・ボサノヴァ/クインシー・ジヨーンズ』『エラ・アンド・ルイ』『イパネマの娘/アントニオ・カルロス・ジョビン』『ザ・キャット/ジミー・スミス』『ストレート・アヘッド/カウント・ベイシー』『ナウズ・ザ・タイム/チャーリー・パーカー』『ア・デイ・イン・ザ・ライフ/ウェス・モンゴメリー』『クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス』『モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』『スタン・ゲッツ・プレイズ+1』『ナイト・ライツ/ジェリー・マリガン』『キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ』『アローン/ビル・エヴァンス』『スタディ・イン・ブラウン/クリフォード・ブラウン』『ナイト・トレイン/オスカー・ピーターソン・トリオ』『ライト・アズ・ア・フェザー/チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエヴァー』『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』『夢のカリフォルニア/ウェス・モンゴメリー』『ジャズ・サンバ/スタン・ゲッツ&チャーリー・バード』。

誤変換?

2007-09-25 01:05:58 | ●Weblog
 まだ、どこかで「ワープロ誤変換シリーズ」って続いているんだろうか。「オイル交換=老いる高官」「一次関数=一時間吸う」「足利将軍=アシカが将軍」「バスと電車で行く=バスト電車で行く」「婦人公論=婦人口論」「家で娘と遊ぶのが何よりです=家出娘と遊ぶのが何よりです」などなど。いや、これを見て笑った次にすぐ、ジョン・コルトレーンを「じこ」、ビル・エヴァンスを「びえ」、アラン・ホールズワースを「あほ」と入れて変換する単語登録を厳しく制限した。「じこ」は「事故か自己」、「ビエ」は「ビクターエンタテインメント」、「あほ」は「阿保」にヒットすることが多くて危険極まりないったらありゃしないから。ただ、たとえば〈ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・ザ・レスト・オブ・ユア・ライフ〉とかの長い曲名を、「ほどれら」とか入れるだけで済むと結構気持ちいい。が、その「ほどれら」が記憶されているかどうかが大きな鍵ってことで、すると先日、誤変換、勘違い、思い違いなど、百歩譲っても容赦できない一件がやって来た。それは『トゥルース/ロベン・フォード』の解説原稿で、エルヴィン・ビショップとなるべきなのにエルヴィン・ジョーンズとなっているところ、このミス、というか、何だろうコレ、同じエルヴィンさんでも、これはあってはいけない、ありえない。とはいえ、ここまですとんと書かれては、メーカーの校閲だって身体検査にまで及ばないのも止むなしと思う。普段はこういうのを反面教師にしてストレッチ・モードに入るが、こればかりはバネにもならない。いい感じで頼もしかった仲間が、ひとり消えた、と僕の中では断言できる。

IEC

2007-09-22 12:37:21 | ●Weblog


 オーディオ・アンプとCDプレーヤーに、IECインレットを付ける改造が終わった。まず、アンプにオヤイデのTUNAMIで給電すると、低域の量感と力感の増え方にびっくり仰天した。音調や音質をそのままに、ピラミッドの底辺がどっしり床に食い込んだ感じだ。と同時には、サンスイOB諸氏のやってるアクアオーディオ・ラボが言う、「そんな改造したらケーブルの音になるだけで何の意味もない」には大きく異議ありだと。いや、仰るとおりではあるが、次にPSオーディオのPreludeというケーブルに換えると、低域の押し出しがスマートになり、こりゃあ一種のゲームだ、というところが、製品の設計開発に携わった人は耐えられないのだろうが、では近年、ミッド・クラス以上の機器の多くがケーブル・ゲームを礼讃しているのは何なんだとも。一方のXA7ESはというと、ひと口に言うと「音が速い」。SCD-1で聴いたSACD『ウィ・ゲット・リクエスト』のまったりグラマーな音景に比べ、こちらはスタジオ・モニター的に余計なものが何も付帯してこない感じだ。D-Clockの本領にわずかながらも近づいたのかも知れない。というわけで、「次はアンプの新調か」の邪念ともおさらば、機器の老齢化社会ともう少々向きあっていくことにした。その間聴いたのは、『ドクター・ジョー~ジョー・ヘンダーソンに捧ぐ/チック・コリア』『サマータイム/ウィル・ブールウェア』(8曲目)、『ライク・ア・ラヴァー/エミリー・クレア・バーロウ』(2曲目)、『ユニバーサル・シンコペーションズⅡ/ミロスラフ・ヴィトウス』。なお、車ならエンジンを降ろさないと整備できないような所を改造してくれたHさんには心から感謝。

ジョー・ザヴィヌルに合掌しつつ

2007-09-13 00:27:43 | ●Weblog
 ジョー・ザヴィヌルが惜しくも亡くなった翌日というのに、趣味に走った愚人とはかくも勝手なもの。ACケーブルがケースから直出しのアンプとCDプレーヤーに、IECインレットを取り付けてもらうため、さいたま市と武蔵小金井市を、昼飯の時間を入れ約220分かけて車で往復した。サンスイOB諸氏のやってるアクアオーディオ・ラボを往復するよりちょい長旅。高速や自動車専用道がないルートをカーナビなしで行くのは本当に効率が悪いが、その代わり道を覚え方向感覚が養われていい。大体、志木街道と小金井街道が交差してたなんて初耳。その一方、ネットから落とした地図では真っ直ぐのはずが、いざ抜けようとするとY字路になってたりとハプニングが2度。それでも、前の晩に小一時間かけてシミュレーションしたおかげで、おでこがアンテナになった感じだ。
 さて、古い機器を未練がましく使い続けていることへの賛辞が、半分以上お世辞なことは分かっている。が、性分というやつはいかんともし難い。もし、電源ケーブルを換えるだけでコイツが少しでもトルク・アップして走りが良くなるものなら、と思うと、サヨナラするのはしのびないわけで。
 とかいう運転中に聴いたのは、メセニー&メルドー・カルテット。34キロのアンプの運搬にすっかり気力体力を奪われBGMどころの話じゃなくなったせいで、カーオーディオに入っていた1枚のディスクは、4月にアクアオーディオ・ラボを往復した時のまま。でも良かった。今月末、間もなくMMQの初来日公演。曲名は覚えられなかったが、曲想と曲調をおでこからがっしり再記録した。今日は、ラック脚スパイク用のインシュレターが届く。デフォールトのアンプがなくても、原稿のけじめをつけたら、再度愚人の本性発揮だ。改めて、故ジョー・ザヴィヌルの冥福を祈りながら。ウェザー・リポート諸作を少しでもイイ音で聴けるようになるかも知れないので、どうかお許しを。

スリル・イズ・ゴーン

2007-09-09 12:48:54 | ●Weblog


 久しぶりにベツレヘムK2HDマスタリングを傾聴。タイトルは『ジス・イズ・クリス/クリス・コナー』。01年9月発売の東芝EMI盤と聴き比べると、中でも「ザ・スリル・イズ・ゴーン」の歌のリヴァーブ、深いところと浅いところの違いがいい意味でくっきり出てきた。サビの「The Thrill is gone」の「gone」、5回目の「gone」で、ここでリヴァーブがすっと抜けるのが、まあ、実に格好良くなって最高。というか、ゾクっとくる度合いが跳ね上がった。1955年録音にして、こういうことやってたわけね、と改めて心服。これではもはや録音手法ではなく、アレンジだ。あと、「フロム・ジス・モーメント・オン」は、ダイアナ・クラールのネタ帖。ソフィ・ミルマンやアニー・セリックをはじめ、近年出てきた白人女性歌手の多くが、間違いなくクリス・コナーとペギー・リーを相当聴いてきたことも分かる。

55Hz以下

2007-09-03 23:33:03 | ●Weblog
 オーディオ・ネタばかりでどうもなあと思案しているところに、ロスのTさんから景気づけのメール。「だんだん泥沼にはまって面白くなってきましたね」と。仰るとおりですが、ラックの脚部となると、ケーブルの抜き差しのようにひょいと取っ替え引っ替えが効かず、またまた時間がかかりそう。専用のスパイクはロック式で小回りが効かないから、あてにするのはその下のスパイク受け+ボード。アコベはいいんだけど、どうもエレベが細ってしまった感じがして。SPに55Hz以下の帯域がないから、もうしょうがないのかも。ただ、定位感が明らかにちょい上がりになったのは確か。 なお、Tさんはだいぶ前からハイエンド・ケーブルの開発製作にも手を染めていて、その情報は「http://www.promediaaudio.com/products/index.html」のAllegro Power Cableに。ウチはまだアンプをどうにかしないことには、ちょっとコレは無理。でも、電源ケーブルの音の違いは正に百人百様。10日ほど前、分電盤からSPまですべての線材がPCOCC-Aで揃ったので(善し悪しあるのは承知の上で)、まずはバランス・ケーブルをベルデンの89207に戻してみるつもり。そうそう、エレベが冴えないといっても、『サマータイム/ウィル・ブールウェア』(「フーズ・ブルース」)のボナのエレベ、キャスターの時はハモンドの足ベースっぽかったのが、エッジが出たことで重さを残しながらクリアーになった。ラックの足もとが暫定的解決を見たら、次はやはりアンプなのかなあ。

足下を見る

2007-09-02 22:36:45 | ●Weblog

 締め切りが集中する真っ只中に、オーディオ・ラック(TAOC MS-3-DB)用のスパイクとプレート(SP-500)が届いた。キャスターからこれに付け替えるには、機器すべてをラックから吐き出すしかないが、やった。そして、音調が俄然澄み渡って参った。悪く言えば、滲みや淀みが減って音質はカリカリ乾いているが、アコベもシンバルも軸はどっしり野太い。SCD-1とXA7ESの違いもより一層明らかになった。それでも、田中伊佐資さんや『STEREO』誌ベテラン編集氏の話を聞くと、「フォープレイのうちからビンビンにならないで下さい」とそっけないから末恐ろしい。その上、床板と隔絶した方がいいので、何かボードを敷きましょうときては、ひとまず仕事に戻るしかない。が、以前どこかで触れた通り、これって車のサスやタイヤをチューンするのとそっくりで、こうやる前にキャブレターやプラグ・ケーブルをいくらハイエンド付近に引き上げたところで本末転倒だと確信。命を活気づかせるのは、足からだと。とはいえ、その大本になる家や部屋はどうなんだと問われると、絶句するしかないのが痛し痒し。リファレンスにしたのは、『ドクター・ジョー~ジョー・ヘンダーソンに捧ぐ/チック・コリア』。ドラムスのアントニオ・サンチェスが大活躍。