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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

真空管の新空間

2010-01-30 20:29:32 | ●Weblog
 今日、秋葉原の真空管ショップ「キョードー」に足を運び、やっとフォノイコ用12AX7=ECC833の新たな3本マッチを手に入れた。と言っても東芝のデッドストックで、「通測用Hi-S」なるもの。足早に帰宅し、834Pの蓋を開けはじめからの3本を引っこ抜くとあれっ? 3本のうち1本が揃いじゃないことに初めて気がついた。先だってのテレフンケン3本マッチとの違いはそこに訳があったのかなとテレフンに換えたら、なぜかこの前と様相が異なり、低域が太く厚く深く、全体のピラミッド・プロポーションも抜群だ。あの時は酒を飲んでたな、どうやら、いや、間違いなく。ともあれ、しめしめと小1時間やって東芝に出番を回した。が、硬めの高域と薄い低域は、エージングが済むまで結構な時間が要りそうで、ただ、素性は良さそうだから、ECMのアナログを聴き倒してからお相手いただこうと。結局、テレフンケンのまま蓋をしてしまったが、重量盤LP3枚分したこやつら、何か面白いことでもいいから働いてもらわないことにはやってられない。左のは今日のもうひとつの収穫、XRCD24で初CD化された『Cool Struttin'』。いかなるものかは、近々、どこかの雑誌上で。フォノイコ・チェックで聴いたLPは、『ビッグ・ブルース/アート・ファーマー&ジム・ホール』A①、『グルーヴィー/レッド・ガーランド』A①、『ワン・オン・ワン/ボブ・ジェイムス&アール・クルー』B①、『アローン/バット・ネヴァー・アローン/ラリー・カールトン』B①。

久しぶりのテディ・キング

2010-01-28 11:43:08 | ●Weblog
 知らなかったのは僕だけか、1960年代初期、トーレンスのTD124(本体のみ)は日本で一体いくらくらいだったのかと。そこのところに答えまでいかなくても、さすが斯界のトップ、GREYのblogが決定的なヒントを出してくれた。おかげでこういう筋書きができた。 1960年、英国で頒価40.17ポンド+一種の消費税13.15ポンドで計約54ポンド。これは、英オーディオ誌の広告にビシっと明記。当時の1ポンドが1,018円くらいだったそうだから、円建てにすると約55,000円。1960年、日本の平均大卒初任給12,190円と照らすとその約4.5倍だ。それが日本に入ってきた時はどうだったんだろう。まあこの際、おおよそ倍の10万円だったとしよう。するとだ、初任給の8.2倍となり、今なら単純換算で160万円クラスに相当することになる。
そこで、『スイングジャーナル』誌のバックナンバーを当たってみた。中でも、テディ・キングが表紙の1960年2月号。こうなると、洋服ダンスを片づけると出てくる、底敷きの古新聞より読みでがあるから始末悪い。が、目当てはレコード・プレーヤーで、一番目に焼き付いたのが、ニート音響電気株式会社の広告。いや、詰まるところ話は価格ではなくて、LP再生が始まってから、基本は何も変わっちゃいないアナログ・メカのこと。そして、以来半世紀にもなるこのメカの理解をロクに育んでこなかった横着。ニートの広告面から警鐘の和音がゴンゴン響いてきて、今度こそ一般平民の行けるところまで行ってみよう、と。そういえば、H先生、オルトフォンは見つかりましたか?

配信とアナログだけの近未来

2010-01-20 22:33:41 | ●Weblog
 「LINN PRODUCTSは、DS製品への更なる注力のため、2009年末をもちましてCDプレーヤーの生産を完了いたします。1992年の処女作KARIK/NUMERIKより、数々の名機を発表して参りましたが、DS (Digital Streamプレーヤー)発売時に思い描いた音楽環境にまったく相違なく世界が推移していることを実感し、このタイミングでの決断となりました。」(2009年11月のプレスリリースから)。 そのくせLINNは昨年、アナログ・プレーヤーの新シリーズMAJIK LP12を新たに売り出した。「最後に残るのは、配信とアナログ・レコードだけになるのかも知れない」。しっかりした経験則からそう言う坂本龍一でさえ「かも」を付けるのに、LINNのこの戦略は「近々そうなる」と断言している。 仮にもし主流になっても今あるCDを捨てたりはしないが、買う増量はガタ落ちするだろう。マスター・クォリティで落とせる配信の方が確実に音がいいわけだから。ではその一方がなぜアナログかと言うと、配信でパッケージ・メディアが少なくなってしまうことへの最大限の反発と、好古趣味抜きのアナログ再認識の諦念とが錯綜的に合体することで、塩ビ盤への関心が揺り戻されていくように思う。 まあ、LINN派じゃないのがこれ幸いながら、アナログと付き合う時間が格段に増えたのは、こんな近未来像が見えてきたことと無縁ではない。第一、PCやデジカメと同じように日進月歩のリッピングやストリーム機器は、待てば待つほどいいものが出てくるだろう。それに比べアナログ・プレーヤーは、今なおヴィンテージものが、世話を怠らなければ元気でいてくれる。パラダイム・チェンジについて行くのはなかなか大変だが、慌てずに行くしかないってもうかなり後れを取っているのは承知の上です。写真はリンゴに釣られてやってきた、なんだろうこの鳥。

バックラッシュ

2010-01-13 20:24:50 | ●Weblog
 検索サイトのデータ更新翌日からもう、穴だらけでボコボコなのが判明。「Peterson」と「peterson」など同一データの頭文字に大小が混じると、サーバーのプログラムが前に進まなくなることも初めて知った。早速の大漏れは、ブッカー・T.ジョーンズ、矢野顕子とマーク・リーボウなどなどなど。こういう穴や誤記をまた1年がかりでコツコツ埋めていくわけだが、こればかりは人任せにできないので、毎年、同じ泣き言の連投に。という一方、記憶から消えゆく人名を引き留めるのにも、脳細胞をデフラグするにも、キー入力のプレッシャーも含めて、これがいい意味でチクチク効いてくる感じは決して悪くないけれど。
 というのも、ここのところ、何かひとつ悦に入ると、油断禁物風なバックラッシュがすぐ来る。一昨日からTD124の立ち上がりがガタ落ちになった。Greyに送ろうとも考えたが、ひとまずベンジンと綿棒を仕入れて、オイリーに見える箇所を徹底的にクリーニング。結果、やったぁ、大成功、元通りなのはいいが、買い出しも含めた所要時間およそ半日。だがしかしこれ、久しぶりに面白い時間の使い方を体験し、結構な達成感が付いてきた。次のバックラッシュを楽しみにしながら、ダイレクト・カッティングの『ファイヴ・スター/V.S.O.P.』(30AP-1036)をかけた。当時の5人が新宿PIT INNでやったらこんな感じの音になるのかも、と思った。

CUSTOMS RECORD of JAPANのデータ更新

2010-01-05 20:10:37 | ●Weblog
 年のせいかキーボードのブラインド・タッチをはずすことが多くなったのでもうやめようかと思ったところ、去年はこれでもわずかながら有用性のあることが何回か直に分かったので奮起。で、手分けして入力していった結果、いちばん嬉しい氏名のトップ賞は「Oz Noy」。みんなの名がこのくらいの文字数で済んでくれればどれだけ楽できることかと。勘弁してのひとつは「Gijs Dijkhuizen=ハイス・ダイクハウゼン」など。大体、さっと読めない。が、結論はもちろん、これでいいのだと。通貨がお国それぞれの文化や歴史そのものだったのを、ユーロが犯した合理優先の愚に思いが及ぶからだ。などとやりつつ、「桐」のTBLを「Excel」に変換し、安全のためRに焼いてadminに送付。着いた即日の更新には感謝です。そこにAmazonから待ってましたで届いたのが、目下グラミーの「Best Instrumental Arrangement」部門候補の『The Comet's Tail~Performing The Compositions of Michael Brecker/Chuck Owens & The Jazz Surge』(MAMA Records)。これはレコーディング・アカデミーのサイトを見るまで不覚にも知らなかった。音質は少々ハイ上がりだが、音楽は上出来。同部門で好敵手は、ビル・カンリフによる『Resonance Big Band Plays Tribute To Oscar Peterson』(Resonance Records)。発表が楽しみだ。