「日本とヨーロッパはいいのに、なぜかアメリカ本国だけ苦戦を強いられるんですよね」とは、ユニバーサル・ビクター時代からマイケル番で大活躍してきたベテラン・ディレクター氏の言。つまり、向こうのセールスが思うように伸びないらしい。グラミーの生涯獲得数13個のテナー・タイタンのアルバムがだ。理由は色々あるだろうが、ひとつはっきりしていること、それはBillboardのジャズ・チャートだ。遺作の『聖地への旅』(日本以外は5月22日発売)が世界各国のiTunesチャートで盛り上がっているというのに、6月2日付けのベスト15に影も形もない。またしてもマイケル・ブーブレでもないだろうと僕は思う。遺作だからよいしょしろとは言わないが、15位のジョシュアにこれが及ばないとは。ブラメのピアノをバックにしたパットのソロ・パートになると、誰のアルバムか分からなくなる、こう来るなら少しは考えてあげてもいいが。さて、その遺作を何度も再読すると、マイケルの作風が三つのコンポジションに象徴的に映っていることが分かった、と言うかそう思えてきた。それは、「アフリカン・スカイズ」と「ストラップ・ハンギン」の2曲のオリジナルに、ドン・グロルニックの「ナシング・パーソナル」。次点はオリジナル・ブルースの「ノット・エチオピア」かな。当面はマイケル・オリジナルズを振り返っていくことにする。
じわじわとオーディオに戻りつつあるが、ネタ不足ではない。2、3年前からサブリミナル効果戦法で押し続けてきたKEFのLS3/5Aが、今日、半永久貸与品になって届いた。ウチと同じ90年代中盤のリミテッド・エディションで、レイモンド・クック監修のシグネイチャー・モデルとも呼ばれるもの。同じ頃手に入れたのに、4桁のシリアル・ナンバーがウチのより1600近く進んでいる。これでやっと10年以上酷使してきたセットをオーバーホール出しできる。持つべきものは友達だ。感謝です。言いたかったのはこのこと。黒ずんでた裏側の金パネも、ゴールド・ポリッシュ・クロスで磨くとビカビカ。カサカサになり始めていたチーク材のキャビネットも、レモン・オイルを乾いては塗り拭きの繰り返しで、かなり光沢を取り戻した。これをシングルワイヤー接続して無造作に書棚に置くと、久しぶりにニア・フィールドで聴いたこともあって、歌の生々しさに呆れ返った。低音感もこんなに出ていたとは、というので、サブ・ウーファー(AB1)付きのペアと聴き比べると、どうもクロスオーバーの120Hz付近にオゾンホールみたいなものがあるのでは、という感じがしてきたが、どうなんだろうか。いつになるやら、両方のオーバーホールを終えれば分かることかも知れない。すわ、清水俊彦先生逝去の訃報が入っては、この話しはここまで。合掌。
コンピューター・ウィルスなら、まったく新型の固有種。こう言うのに少しハラハラしたが、本人は大喜び。確信もあるようだった。ギタリスト、ブライアン・ベイカー、去年5月、バークリー音大を出たての21歳。と言うと「僕はギタリストではなくミュージシャン、アーティストだ」と。これ以上は雑誌の露出を前に控えたいが、しかしまあ、ついに出てきた、過去と断絶した、前例がひとつも見当たらないギタリストが。5月21日(月)、ステップス・アヘッドの一員として大暴れするプレイをブルーノート東京で聴いた。メロディの横軸と縦軸の構成の妙に、目と耳が釘付けになった。そこで、昨日22日にインタヴュー。ネットからしか手に入らない初リーダー作『aphotic』(写真/Enilkrad Music)をもらった。これも雑誌ネタにするつもりから詳記は避けたいが、ブルーノート東京ではこんなもんじゃなかった。インタヴューで一緒になった関係氏によると、耳の早い人たちの間では2、3年前から注目の的とのこと。氏によると、「ギターのチャーリー・パーカーやコルトレーンが遂に現れた!!」。半分以上、同感だ。オフィシャル・サイトはhttp://www.bryanbakermusic.com/。ただ、今かけているのはソフィ・ミルマンの待望のセカンド『メイク・サムワン・ハッピー』。聴きながらスピーカー・キャビネットに、インタヴューの帰りに買ったレモン・オイルを塗ると、渋くいい感じの色艶がどんどん乗ってくる。目指すは材の加湿と保湿だが、鼻から癒し効果も付いてくるところがいい。オブジェと化してたテレキャスターにもあげないといけない。
漏らしていた来日データは、93年12月、サイモン&ガーファンクル再結成公演、これは恥ずかしながらノーマークだった。もうひとつは、02年8月の第1回「東京JAZZ」。こちらは入力漏れの単純ミス。共に次回の更新に反映。『JazzLife』MOOKの『Jazz Horn』に感謝。ということと共に、ジャケ写入りのデスコグラフィーには降参。たとえば61ページの30タイトルのジャケだけ見て、さっとマイケル・ディスコだと分かったら大したもの。どこかのお店とタイアップして、全曲再生とかやってくれないものか。奇しくも週末に『聖地への旅』の本盤が届き、改めて没頭。マイケルの集中振りも凄いが、全編に及んでディジョネットが強力ムヒ。ただ、インナースリーブ裏表紙の写真には胸が詰まった。
レーザー水準器の持ち主が音信不通になってしまったので、安直なのをひとつネット通販で手に入れた(イージーレーザーラベラー BDL210S)。本体サイズは写真のようにひと握りで、見た目はいかがわしいが、単三電池を2本入れると、壁、床、ラックの上などどこにでも水平、垂直、鉛直のラインを赤のレーザー光で照射する。ラベラー本体さえきちんとセットすれば、かなりの信頼度がありそう、というので、まず、普通の固定式水準器ではばっちり水平垂直のスピーカーを鉛直測定したら、縦一直線になってなかった。SPキャビネットの天板が水平を示しているだけのことらしい(縦に走る赤色のラインがラベラーのレーザー光)。
次に、心配でハラハラだった部屋自体の水平を鉛直測定すると、どうやら大丈夫そう、なのだが、エッシャーのだまし絵の中であれこれ格闘する感がなきにしもあらず。最後に、ここ数年の懸案だったアナログ・プレーヤーにコイツを当てながら手近にセットしたものの、マグネット式のフローティング・ボード上に、フローティング・サスペンションが売りのトーレンスでは、どこかのれんに腕押しの感じが。
でも、これに付随して、LP2枚組の『ロスの週末/ジョージ・ベンソン』(Warner Bros.原盤)で僕には新発見が。ディスク・ラベルの面表示が、次の順になってたのは今まで気づかなかった。1枚目のA面が「Record1 SideⅠ」、B面が「Record1 SideⅣ」と吹っ飛んで、2枚目は「Record2 SideⅡ」「Record2 SideⅢ」だと。何か含みでもあったんだろうか。という一方、アナログでさほどに音の良いこのダブル・タイトルが、間もなく24bitリマスタリングで再発。楽しみです。
次に、心配でハラハラだった部屋自体の水平を鉛直測定すると、どうやら大丈夫そう、なのだが、エッシャーのだまし絵の中であれこれ格闘する感がなきにしもあらず。最後に、ここ数年の懸案だったアナログ・プレーヤーにコイツを当てながら手近にセットしたものの、マグネット式のフローティング・ボード上に、フローティング・サスペンションが売りのトーレンスでは、どこかのれんに腕押しの感じが。
でも、これに付随して、LP2枚組の『ロスの週末/ジョージ・ベンソン』(Warner Bros.原盤)で僕には新発見が。ディスク・ラベルの面表示が、次の順になってたのは今まで気づかなかった。1枚目のA面が「Record1 SideⅠ」、B面が「Record1 SideⅣ」と吹っ飛んで、2枚目は「Record2 SideⅡ」「Record2 SideⅢ」だと。何か含みでもあったんだろうか。という一方、アナログでさほどに音の良いこのダブル・タイトルが、間もなく24bitリマスタリングで再発。楽しみです。