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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

DOWNBEAT

2007-11-21 00:10:56 | ●Weblog
 アンプの試聴機を返却したらちょっとポカンとしてしまったので、2、3日前に届いた『DOWNBEAT』誌12月号を通読すると、結構楽しめた。現在、ビルボード誌ジャズ・チャート2位の『イタリア/クリス・ボッティ』が、五つ星満点のディスク・レヴューで星ふたつの惨状。ほとんど「ダメ」と言ってるね、コレ。次に、毎年恒例の「読者人気投票」で、マイケル・ブレッカーが「名声の殿堂」入り。これには「遅いよ」が正直なところ。そして、「Jazz Album of the Year」が、『メセニー/メルドー』なのは、こっちは逆に“早過ぎ”の感じ、など、つまるところ日米間ギャップの大きさが毎度ながら不思議不思議というわけで。それとは別に、ZOOMからデジタル・レコーダーの新型H2が出ていることを、52ページの広告で知って腰砕け状態に。去年の暮れに手に入れたH4は、これに比べると携帯電話一号機みたいで、引き出しから取り出してみようと思っても悔しくてできなかった。という初冬の日向でアイポ聴きしても良かったのは、『恋に過ごせし宵/カラブリア・フォーティ』(キングレコード)。「空振り、あっ、40回」じゃないよって、おやじたちの間で大評判らしい。『DOWNBEAT』の出方にも目が離せない一作だ。


ALLION Ultimate T-100

2007-11-16 23:16:17 | ●Weblog
 出水(いずみ)電器のプリメイン・アンプ新製品「ALLION Ultimate T-100」を試聴用にお借りできた。まだサイトにも載ってないうえ、取説もカタログもない初々しいニューカマー。従ってスペックも不明で、蓋を開けたりしない僕に分かるのは、音と前姿と後ろ姿だけ。フロントにあるのは、電源スイッチと入力セレクターとヴォリューム。リアは、真ん中のIECインレットをはさんで、ステレオ3系統のRCA入力と1系統のSPアウト、それに、IECインレットの両脇が「Pre Direct」で、「ほかのLine Inとの併用不可」とパネルに注記。シンプルだが、手に触れる部分の感触は、どれもどっしりしっかり。



 念のため、今までのプリメインはサンスイのAU-α907XRで、4月にアクアオーディオラボのOHを終え、9月に電源入力をIECインレットに改造してもらったやつ。言葉不足を承知で何度か盛り上がってきたが、T-100にたどり着いたのは、何かの風の吹き回しとTさんの親身のアシスト。お借りできて良かった。今まで聞こえなかった様々な音が聞こえる。これが解像度の違いってやつかとアンプで生まれて初めて体感した。しかも、最初からこれでいいのかいうほど音調がフラットなのに、きわめて音楽的だ。またもや、進化と深化の現状に愕然もいいとこ。1週間お借りして元に戻した時のことを思うと、おそらく酒量が増えること間違いなしってことで、これの200V電源仕様をお願いしてしまったが、どうなることやら。いや、こっちの使いこなしがね。

焦点なし

2007-11-14 02:09:50 | ●Weblog
 紙の手帳を止め、Outlookの予定表に移行してちょうど4年。「あれって、いつ、どこでのことだっけ?」が一発検索できて重宝極まりないが、しょっちゅう過去を振り返ってばかりいるわけではないので、入力する手間を思うと痛し痒しの一面も。でも、このデータをPDAにシンクして持ち歩く利便性には計り知れないものがあって、最初にソニーのクリエ、次にiPodとやってきて、さて今、iPod TouchかHPのGPS機能付きPDAかという選択の端境期に遭遇、日向ぼっこでホカホカになった猫二匹にタッチしながら思案することしきりの忙中閑。照明機器のことも解決しないままなのに、またまたこれが結構楽しいのは、理科系志望からやむなく文化系にスイッチした後悔が、指先か足先に残っているかららしい。とかいう間にアイポで聴いたのは、『ジン・ジン/アンジェリーク・キジョー』と『プレイグラウンド/マヌ・カチェ』。共にアコースティックなサウンドのディテールが、音楽的にもオーディオ的にも素晴らしいと思う。ちなみに、こういう時に常用するヘッドフォンが、BOSEのQuietComfort2だってどうでもいいことでしょうが、季節は今、ヘッドフォン・オーディオにぴったし。さらに、もうすぐ朝の最低気温が10度を下れば、窓を開けとけ閉めとけどころじゃなくなって、ローエンドの轟音オーディオには格好の環境が訪れる。おっと2時とは思わぬ深更、にもかかわらず武闘派三毛が帰ってこない。

インディーズの醍醐味

2007-11-11 23:39:02 | ●Weblog
 11日(日)は、帰国中の田口晃さんと新宿で会った。突然の話だったが、いずれ電源ケーブルでお世話になるかも知れないので、自ずと姿勢は前掛かりに。さらに予定どおりなら、明後日、新製品アンプの試聴機が届く胸騒ぎにもプッシュされた。ご存知の通り氏は、XRCDの仕掛け人兼プロデューサー兼エンジニア。矢継ぎ早に飛び出すエピソードのうち、ロイ・デュナンと電話でやりとりした話がいちばん面白かったかな。デュナンはすでに業界から隠匿して長いものの、アリゾナで健在にしているという件にはホッとした。同席するはずのAさんが1時間の遅刻で鼎談は30分ほどだったが、歯に衣着せぬ格言や爆弾発言の止まらない田口さんには、10数年ぶりの再会ながら相変わらず敬服することしきり。こうでないとXRCDも電ケもビシっとした音になるわけないと痛感。
 ハイアット・リージェンシー近くのファミレスからの帰りは、新宿西口といえばヨドバシへ、という冗談を言う暇なく、仕事部屋主照明のシーリング・ライトが言うことをきかなくなってきたものだから、おふたりに嘘ついて西口本店へ。15年手つかずのままいると、どの世界もまあなんと進んでいること。タイマー付きリモコン制御、スポット・ライト付き、空気清浄機能付き、ファン付きは空調コスト低減にイイ、など、ひょいと買って帰ろうした考えが甘かった。性格が暗いものだから、部屋はかなり明るくないとダメ。今のを外すと、煙草のヤニに染まった箇所との境目が現れるから、サイズにも慎重を期さなければならない、などで、さっきからカタログ・ウォッチャーでいるけれど、そうすると今度は、活字の級数の小ささに辟易し通し。こういう時に浮上してくるのが、近所で馴染みのパパママ店。言い換えればインディーズだが、ひと昔前はこれがメジャーだったんだよなあ。

エディ・ゴメス再認識

2007-11-06 22:54:57 | ●Weblog
 アンプの電源inをIECインレットに改造することで低域がいい具合にマッチョになってから、あれやこれやベースに焦点を絞って聴いてきたが、こればかりはダメだろうと諦めていた『ザ・ビル・エヴァンス・アルバム』(SRCS-9203)をかけたら、前はエレベ風にしか鳴らなかったエディ・ゴメスのベースにアコベの箱鳴りがついてきて参った。エヴァンスがアコピとエレピを「フロム・レフト・トゥ・ライト」でもてなす手際の美しさも。学生時代、なけなしの小遣いをはたいて買ったことばかりが理由ではなく、なぜか大好きのままこれを聴き続けてきて良かった、と。テープヒスらしきノイズが多いものの、カリンとしたピアノのこの音が何より好きだ。この頃のエヴァンスは、12音階ハーモニーにハマるほか、ゴメスにエレベを薦めるなど、相当危うい境地に達していたそうだ。ローアクションのアコベにピックアップ付けてハイポジションでソロをとると、スタンリー・クラークっぽくなることをゴメスは一喜一憂した上でのレコーディングだったことも伝え聞いた。10年前の97年にソニーが日本初CD化したマスター・サウンド仕様のディスク、悪くない音だと思う。

ルグランとフェレ兄弟

2007-11-03 23:26:32 | ●Weblog
 2日(金)の国際フォーラムAでのミシェル・ルグランのコンサート、誰を突くわけではないが、あのガラガラの入りには絶句。ただ、ルグランは今の聴き手の前で、ピアニストでいるのか、映画音楽作家でいるのか、単に作曲家でいるのかということを思うと、残念ながら凡庸なのかも知れないと。
 その翌3日(土)文化の日、今日、第3回銀座インターナショナル・ジャズ祭へ。プログラムはフェレ兄弟&木住野佳子。スタートはなんと午後一の13時から。感触はいかにも「お昼から」の音楽だった。突っ込めば、ジプシー・スウィングのいい意味でのいんちきと、クラシック上がりの木住野のお茶目とは、そう易々と噛み合わない感じがした。
 その後訳あって、新宿のディスクユニオンに流れると、ネット直販だけのため買いそびれていた『Free Association/Jim Hall & Geoffrey Keezer』(artistShare)があって大収穫。日系美形歌手ヴァレリー・ジョイスの『The Look of Love/The Music of Burt Bacharach』も。ついでに新星堂ROCK INNでレモン・オイルを補充したものだから、今から大変。

あん馬

2007-11-01 22:37:08 | ●体育会系
 男子体操競技には次の6種目がある。床運動、跳馬、あん馬、吊り輪、平行棒、鉄棒。女子と共通なのは床運動と跳馬だけで、女子側には平均台と段違い平行棒の固有種目があって全部で4種。何年か前、親しい仲間との酒席で、平生に役立たない体操種目は何か、そんなのやってもしょうがないというのは何か、という話題になった。ちょっと時間をおいてすぐ結論に達したのは「あん馬」。選手諸兄には誠に申し訳ないが、理屈はこう。鉄棒と平行棒ができれば、映画『タワーリング・インフェルノ』や『タイタニック』の中で少しは長生きできる。床運動はそれこそ寝ワザ系に強くなって、吊り輪は電車のつり革で遊べたりと。跳馬は体験上、突っ込んできた車のボンネットに着地した時は、思わず見得を切るほどだった。が、あのあん馬、筋トレには最高でも、一般平民の普段に、ああいうことをやる場面はまず皆無。世界のどの国の公園に遊技場にあれがあるのかしらん、とも。あっても遊び方を知らない人が大半だろうし、生半可でやったらきわめて危ない。だからこの1種目を削って5種目にした方が競技人口増にもつながるのではないかと。あん馬が純粋培養したワザが、けっこう前から床運動に反映されてきたことだし.....。でも未だにサックスの次にやってみたいことのひとつではある。