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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

マイケル・ブレッカーの遺作

2007-03-25 17:23:37 | ●Weblog
 『Downbeat』誌07年4月号の追悼記事を読んでいるところに、遺作『Pilgrimage/聖地への旅』のアドヴァンス・ディスクと簡素なデータが届いた。オリジナル・レーベルはHeads Up、日本配給はユニバーサル・ミュージック(UCCM-1116)で、5月16日、日本先行発売。リピート・モードにして聴き続けているうち、あまりの凄さに我を忘れ、どうやら4巡目だ。全9曲すべてがマイケルのオリジナルで、前例のない曲編成(全編オリジナルのリーダー・アルバムは初めて)。メンバーはこれまで伝えられたとおり、パット・メセニー、ハービー・ハンコック、ブラッド・メルドー、ジョン・パティトゥッチ、ジャック・ディジョネットのほか、1曲に誰か不明の語り手、ほかの1曲にバス・クラリネット奏者が参加(マイケルなのかも知れない)。強烈な題のタイトル曲は、最後の9曲目。究極の9曲目とはこのことだが、曲調に悲壮感は少しもなかった。以下、9つの曲名。

1.The Mean Time
2.Five Months From Midnight
3.Anagram
4.Tumbleweed
5.When Can I Kiss You Again?
6.Cardinal Rule
7.Half Moon Lane
8.Loose Threads
9.Pilgrimage

 『Downbeat』によると、マイケル存命中のアルバム・タイトルは『This Just In』だったそうだ。ミキシングには立ち会えても、マスタリングは無理だったという。さらにその記事から分かるのは、エンジニアがジョー・ファーラ、アレンジがギル・ゴールドスタイン、PMGのスティーヴ・ロドビーも録音になにがしか係わっていたこと、など。追悼記事で面白かったのは、パット・メセニーの『80/81』のツアー中、マイケルとデューイ・レッドマンが次のやりとりをしたという話。「I wish I had your ideas」(Micheal)、「I wish I had your technique」(Dewey)。きっと大笑いになったんだろうな。
 いずれにしてもこの遺作、闘病中の音楽家の作品と思えぬばかりか、「逝去」のふた文字をこの世からなくすため、大暴れしたくなるくらいの雄編集。なぜなら、音楽のどこもかしこも、僕たちの知るマイケルの日常に彩られているからだ。

プラスティック・オノ・バンド

2007-03-24 12:57:29 | ●検索データの修正
 ブレッカー兄弟の初来日詳細が判明。情報のルートは、スティーヴ・カーン55 Records。日時と場所は、74年8月4、5日、8日~10日、福島県郡山市開成山公園内・総合陸上競技場。日本初のロック・フェス「ワン・ステップ・フェスティヴァル」。プラスティック・オノ・バンドのメンバーとして来日。以下、ヨーコ・オノ以外のメンバー。Randy Brecker(tp)、Michael Brecker(sax,fl/確かにフルートを持ってる)、Don Grolnick(p)、Steve Khan(g)、Andy Muson(b/前列右端)、Rick Marotta(ds/前列左端) Steve Gadd(ds)。ツイン・ドラムスは間違いでなく、スティーヴ・カーンによると、これがひとつの売りだった様子。写真は、そのツアー中、どこかで撮られたグループ・ショット。スティーヴ・カーンと五野代表に感謝。(Photo courtesy of Steve Khan,55 Records)