地元の先輩たちに圧倒的人気の完全予約制歯科医に、昨日、初めて打診。すると、10日後まで一杯一杯とのことでガクっときたが、近所にボコボコできた新参歯医者に飛び込むのも恐いし、幸い、詰め物が落ちて噛み合わせが良くなったらしく痛みもないので、それまでじっと耐えることにして、ブルーノート東京のパット・メセニー・グループ(PMG)を聴きに。パットのほかは、ライル・メイズ、スティーヴ・ロドビー、アントニオ・サンチェス。4人の省エネ編成でやる日本公演は、初代PMGによる80年4月以来のこと。それが良かったこと、面白かったこと。ライルのノートPCからもうひとりのキーボード奏者が現れるとはいえ、基本的には4人すっぴんの意思と音のガチンコ協演。面白いことに、一番ちょくちょく間違えるのがパット。だが、そのたびに間違えって何だろうと思っているうち、音楽は次へ次へと止めどない。これぞ超精度で研ぎ澄まされたガレージ・バンドのリハーサル、ファンの機嫌を損ねないところで燃えてみせるエキジビション・マッチ。こんなことをやれるギターのグラミー・ウィナーを、僕はほかに知らない。音の方もガレージっぽいミックスで、ギターと生ピアノが超オン(on)速なのに対して、ドラムスがナマナマ、ベースはややモグモグ。このベースがもうひと唸りブ~んと来てくれれば文句なしだったかな。それにしてもパットにはこれが日本で初めての年越し。何か訳や思惑があったにしても、そう易々とできることではない。ついでに言うのもおこがましいが、僕が海外で越年したのはインドの一度だけ。次にやるなら、ニュー・ヘブリデス(バヌアツ)かフィジーにしたいもの。