さいばい日誌

放流用のマダイやアワビなどを育てる種苗生産の現場をご紹介します。

新たな飼育方法への挑戦

2018-01-19 13:50:28 | 貝類生産
当協会では毎年、漁業者からの要望をもとに、
アワビ・トコブシ、サザエ種苗を数十万個生産しています。

以前は、スタッフも水槽の数も今よりだいぶ多かったため、
その生産数を維持できていましたが、最近ではそれが難しい
状況になっています。

そこで、今までよりも作業数を減らして、生産数を維持する
方法を日々模索し、新たな飼育方法を試行しています。


昨年度から試しているのが、この方法です。

今までは、採卵後2~3ヶ月は波板を吊るして飼育し、
剥離をして屋内のかご飼育へと移行していましたが、
この方法では、剥離をせずに、波板飼育からそのまま
直(じか)飼育を行っています。


昨年度、マダカアワビでこの直飼育を行ったところ、
とても生育が良く、生存率も高い結果が得られました。

また、大きく育ててから剥離をしてサイズ毎に
屋内水槽に収容すると、その後の成長も順調で、
低密度で収容したはずが、2~3ヶ月でシェルターから
はみ出るほどの大きさになっています。



昨夏に採卵したトコブシについても、
屋外での直飼育を経て剥離をしたところ、
成長が良く、屋内に移しても順調です。


サザエについても、直飼育を行っています。


サザエは剥離が容易なため、屋外直飼育をしながら
剥離・選別を行い、サイズ毎に収容しています。


アワビやトコブシと違って、日中も動き回っています。

一定サイズより大きくなったら、屋内水槽に移します。


現在の飼育状況

順調に成長しています。

屋外での飼育期間を長くとり、貝を大きくすることで、
剥離による死亡数が減り、選別等の回数も減らす
ことができました。

また、屋内飼育では配合飼料を使用するため、
そのコストも抑えられます。

まだ試行2年目ですが、良い結果が出るのでは、
と期待しています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マコガレイの池入れ | トップ | キャベツを利用した貝類飼育試験 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

貝類生産」カテゴリの最新記事