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「逝いて還らぬ教え児よ」

北海道高等学校教職員センター附属教育研究所の会報が送られてきた。この第117号(2014年2月号)に、「戦死せる教え児よ」とタイトルの竹本源治という人の詩が載っている。本当に久しぶりの「再会」だった。
その昔、私たちが大学の教育学部で教育の道を進もうかと考えていたころ、よく目にした詩だった。当時、ほとんどの教育学徒は知っていたのではないだろうか。


戦死せる教え児よ

逝(ゆ)いて還らぬ教え児よ
私の手は血まみれだ!
君を縊(くく)ったその綱の
端を私もまた持っていた
しかも人の子の師の名において
嗚呼!
「お互いだまされていた」の言訳が
なんでできよう
慚愧 悔恨 懺悔を重ねても
それがなんの償いになろう
逝った君はもう還らない
今ぞ 私は汚濁の手をすすぎ
涙をはらって君の墓前に誓う
「繰り返さぬぞ絶対に!」

この詩は、同会報の説明を引用すると、大正8年生まれ、高知県の元中学校教師の竹本源治さんという人が昭和27年に発表し、翌年ウイーンで開かれた第一回世界教員会議で朗読されたという。
この詩には、次の義弟竹本嗣夫さんの「反歌」も添えられているとのこと。竹本さんは1980年に亡くなっている。
「送らじな この身裂くとも 教え児を 理(ことわり)もなき 戦(いくさ)の庭に」

最近、太平洋戦争への反省を否定するムードが高まっていることが気になっている。かつての日本の教師たちの切実で誠実な叫びを今一度ふり返る必要があるというきっかけになれば竹本先生の心も活かされるかも知れない。

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