婚外子のこと

親が、特に母親が正式に結婚していない場合の子どもを非嫡出子と言うが、最近は「婚外子」という場合が多いという。
「正式に結婚していない」というのは、法律上の届けを出していない場合、あるいはいわゆる不倫の場合にあてはまるだろう。

これらの婚外子も、一般の子ども(嫡出子)と遺産相続権が均しくあるという判決が行われた(9月4日最高裁)。
「どんな立場で生まれた子どもも平等」という原則である。正式婚姻関係で生まれた子どもと、まだ届けを出していない場合の男女関係のもとで生まれた子どもと差別があってはいけない、ということである。

シングルマザーという語があることから分かるように、非嫡出子は少なくない。こういう現実を反映する判決である。
こういう「どの子も平等」という見解に対して「日本の婚姻制度を壊す」という批判がある。一夫一婦制という原則がこわれるのでは、という批判である。どのような立場の母親からであっても、父親からみれば等しい子どもだ、ということになれば、いわゆる不倫女性との間の子どもも、そうでない子どもと同じ財産相続権があるとすれば、問題ではないか、という見解である。

子どもは皆平等ということ、一夫一婦制崩壊につながる、この二つの立場、さあどう考えたらいいのか。マスコミも一般の良識も、最高裁の判決(どういう立場の子どもも平等に財産相続権がある)に賛同しているが、どうも簡単にそうはいえないのでは、という見解もある。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 北大のイチョウ 「島倉千代子... »