「令和改元」で何が変わるのだろう？

5月1日からの数日間、まさに改元フイーバーの感が強い。この動きはまもなく収まるのだろうが、まさに「いい世の中が来るよ」というエセＰＲのように思えてならない。

元号と天皇が替わった。それ以外は何が変わったのか。肝心の政治のありようは不変であり、この改元フイーバーを活用して安倍政権を逆に固定したいという方向を模索しているように思える。

変わる、変えるということの一つに憲法がある。自民党は改憲の意向を再確認している。だから改元フイーバの底流にこれがあるのかも知れない。しかしこの中味は少々恐ろしい。

新天皇も、上皇の踏んできた道を再確認して「象徴としての勤め」と強調されている。しかし自民党の改憲草案には、天皇を元首にすると明記している。これは天皇自身も望んでおられないことではないだろうか。

自民の改憲案第一条には「天皇は日本国の元首であり日本国民統合の象徴である」と一見矛盾する条文をもつ。そもそも元首とは何か、これは象徴と矛盾しないのか。（元首は対外的には日本のトップをいう。俗にいえば日本の親分。外国の目から見れば日本を代表するのは内閣総理大臣ではなく天皇だ、と言う意味になるのではないだろうか）。

令和改元フーバーの中で、あるいはそれのカゲで自民党は天皇を元首にする試みを公然化させようとしているのだろうか。