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札幌自由が丘学園三和高等学校入学式での式辞

今日4月20日、我が高校の入学式。この時に「式辞」を記憶のためにかかげる。

 札幌自由が丘学園三和高等学校に入学することになったた生徒の皆さん、入学おめでとう。
 全日通学コース14名、月1の在宅学習コース2名の合計16名が今回の新入生です。
 本校の生徒諸君は全日コース月1コース、そして東京学習センターに在籍している生徒、あわせて98名が札幌自由が丘学園三和高等学校の生徒数です。
 札幌自由が丘学園には他にフリースクールがあります。現在の段階で115名が札幌自由が丘学園の生徒ということで平成25年度2013年度がスタートすることになっています。
 これからいつものようにたくさんの転入生を迎えることができると思います。

 この機会に、いつも話すことですが、私たちの学園の少しの歴史と皆さんへの期待と私たちの気持ちの一端について触れることにします。

Ⅰ.札幌自由が丘学園の歴史について

 札幌市北区で「札幌自由が丘学園」というフリースクールを開きました。1993年11月のことでした。今年は札幌自由が丘学園の創立20周年の記念すべき年です。
 私たちの学園は、どうも今の学校にはあきたらない、満足できない、なじめないという子どもたちのためのフリースクールからのスタートでした。
 私たちスタッフが常に念頭においていたことは、「今の社会や学校では自分を生かすことのできない若者が少なくない。この人たちのために大人は力を尽くさなければならないのでは」という気持ちでした。「輝け子どもたち!」がスローガンでした。
 札幌自由が丘学園への期待は年々高まり今では全国で有数のフリースクールとして存在が知られるようになりました。この20年間、たくさんの有能な人たちが学園スタッフとしてはせ参じてきています。

 その後、「高等部」をスタートさせ、4年前の4月、和寒町の協力があって札幌自由が丘学園三和高等学校を開くことができました。皆さんはこの高校の第5回目の入学生です。

 まだ4年しかたっていませんが、私たちはこの和寒の皆さんに非常に大きなご支援を受けてきました。この地域を「三和菊野」地区といいますが、三和菊野の人たちからも、温かい協力やお力添いを受けたのです。
 この場を借りてお礼を申し上げたいと思っています。

 Ⅱ.自由が丘に入った生徒たちの多くが今の教育や学校にはない別のものを求めてきてい ることを私はひしひしと感じます
 
 フリースクールから進学した人もいるし、別の道をとおってここにたどり着いた人もいます。また、先日中学校を卒業して高校に来た人もいるし、他の高校を経由してわが学園に入ってきた人もいます。
 私たちの学園は、他の高校と違うところがいくつかあります。
 多くの学校は、「君はこの成績だからこの高校だよ」といわれて入ってきた生徒たちがほとんどだ。しかしここは、人数は少ないが実にいろいろ多様な生徒がいます。
 そしてこれからもいろいろな人たちがこの学園に入ってきます。
 今の時代、学校とか教育の仕組みをうんと多様に考えていこう。15歳になったら高校だ、などでなく30歳で高校生になったり、60歳で大学生になったりするのだ。
  
 勉強はまだまだ遅れていてもいい。しかし努力をしよう。「わからない」ことを恥じない。そして勉強のできる人もいます。反対に少々遅れている人もいます。よくいわれるように「がんばろう」です。少しでいいから努力をしよう。これが言いたいことの第一です。

Ⅲ.「自由と共同の学校」で元気を!

 私たちの学校を「自由と共同の学校」にしていこうと、20年前に決めました。「共同」とは、生徒どうしの共同、子どもたちを支えるスタッフや親、地域の人たちの共同、そして生徒と大人たちの共同、三和高校の「和」の意味でもあります。この自由と共同の学校でみんなが元気を取りもどしています。
 私たちの学校を訪れた人たちがよくいうのは「生徒たちは皆元気ですね」ということです。元気な若者であり続けて下さい。
 言いたいことの第二です。

Ⅳ.震災に関連して

 皆さんよく知っているように、一昨年3月11日東北地方と関東地方を直撃した大震災は、例の原子力発電所の事故と重なり合って実に深刻な問題を引き起こしています。これは現在の日本の政治経済にまで及ぶ大きな問題になっています。

 多くの日本人が今「自分に何ができるか」「どうしたら小さくても支援の力を広げることができるか」を考えています。
 不幸な事故であることはいうまでもありませんが、この大震災を通して人びとは協力し合うこと、人のために何かをし合うことを、多くの人が考えています。この考えと行動がどんどん広がれば、まさに「不幸中の幸い」と言ってもいいのではないかと思います。
 私たちの小さい学校で、地域の人たちやスタッフや父母の皆さんと共に、生徒の皆さんもぜひ「人のために何ができるのか、世の中のためにするべきことは何か」と考えていこうではありませんか。
 これは、「今一歩の挑戦を」と、「みんなで手をつなごう」というわが学園の教育目標の実現に通じます。
 世の中のために、人のためになることを考えていこう。これが言いたいことの三つめです。
 これらは結局は皆さん一人ひとりの「自分のため」になることです。

Ⅴ.父母の皆さんへ 意見要望を。 

 単なる一人の「消費者」としてではなく、学校を共同で動かす当事者という気持ちをもって臨んでいただきたい。 

 さいごになりましたが、この入学式に16名の新しい札幌自由が丘学園三和高等学校の生徒たちの前途をお祝いしてくださるためにお集まりいただいと和寒町の町長をはじめ多くの方々に、学園を代表して心からお礼を申し上げます。

 ありがとうございました。
 

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