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「原発問題」への3人の発言

大震災一年に関連して原発維持か脱原発かがますますきびしく問われていると思う。維持派は電力をどうするのか、と問う。先日「まず脱原発の方向を確立してからその後の在り方を考えるのがスジ」というような主張をした。

ドイツの首相の見解がある。ドイツのメルケル首相は10日公開の録画ビデオで、東日本大震災後にドイツが22年までの全原発稼働停止を決めたことを「正しい決断だった」と振り返った。
 首相は「我々は、先進工業国でも予想できない危機が起きる状況を目の当たりにした。その結果、私は脱原発を加速すべきだと確信した」と説明。そのうえで「再生可能エネルギー分野で、ドイツが市場の先駆者になれるチャンス」と述べ、脱原発後の新エネルギー開発での「商機」を強調した。

日本の首相は、東日本大震災一周年追悼式内閣総理大臣式辞で次のように言う。
 亡くなられた方々の御霊(みたま)に報い、その御遺志(ごいし)を継いでいくためにも、本日、ここに三つのことをお誓いいたします。
 一つ目は、被災地の復興を一日も早く成し遂げることです。
 今もなお、多くの方々が、不自由な生活を余儀(よぎ)なくされています。そうした皆様の生活の再建を進めるとともに、生まれ育ったふるさとをより安全で住みよい街として再生させようとする被災地の取組に最大限の支援を行ってまいります。
 原発事故との戦いは続いています。福島を必ずや再生させ、美しいふるさとを取り戻すために全力を尽くします。
 二つ目は、震災の教訓を未来に伝え、語り継いでいくことです。(略)
 三つ目は、私たちを取り結ぶ「助け合い」と「感謝」の心を忘れないことです。(略)

この追悼式で、臨席された天皇は次のような「おことば」を述べられた。
「…東日本大震災から1周年、ここに一同と共に、震災により失われた多くの人々に深く哀悼の意を表します。
1年前の今日、思いもがけない巨大地震と津波に襲われ、ほぼ2万に及ぶ死者、行方不明者が生じました。
その中には消防団員を始め、危険を顧みず、人々の救助や防災活動に従事して命を落とした多くの人々が含まれていることを忘れることができません。
さらにこの震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。
再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています。…」

野田首相の見解はいまいちはっきりしない。「原発事故との戦いは続いています」というだけで、事故との戦いとは何か、を言わない。
これに対してドイツ首相の見解は明確だ。天皇のお考えもまた「象徴」という立場を踏まえぎりぎりの発言ではなかったのではないか、と想像する。「安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならない」と指摘された。象徴天皇は政治的な発言はしない。だからこれはまさに限界の発言であろう。

野田首相への支持率はアップしているらしい。期待に応えた今一歩明確な政治的見解を示してもらいたい。

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