天皇、傘寿の誕生日

天皇は昨日80歳の傘寿の誕生日を迎えられた。そして記者会見で非常に印象深い話をされている。
「80年の道のりを振り返って、…やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです」。中国、米国、英国、オランダとの戦争などがあり「終戦を迎えたのは小学校の最後の年でした。この戦争による日本人の犠牲者は約310万人と言われています」。

そして「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、さまざまな改革を行って、今日の日本を築きました」。

私なども天皇と近い世代であり、昨日の過去への思いについてはほとんど重なり合うものがある。
政治的になりそうなことは、立場上避けているが、もっと言いたいこともあったのではないかと思う。特に犠牲者を「日本人」に限定されているが、アジアその他他国の場合の犠牲についても触れたかったのではないだろうか。
それは、戦後の平和と民主主義を「守るべきたいせつなものとして、日本国憲法を作り」というつながりから推測できる。

まさに国民統合の象徴という自覚をもった発言だったと思う。

今日の「しんぶん赤旗」は、「潮流」の中で「きのう傘寿を迎えた天皇は80年の道のりを振り返り、真っ先に戦争の悲惨さを語りました」と評価し、上に述べた「日本国憲法…」をも引用している。

この憲法を変えようとしている安倍首相の方針は天皇の気持ちにも反しているのではないだろうか。
今年の4月28日の「主権回復の日」なる式典で、「天皇陛下万歳!」と叫ぶ安倍首相は天皇の、上の言葉に込められた真意を理解できているのだろうか。

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