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日記 … Kametarou Blog
小説・佐々木譲作「獅子の城塞」
道新に、札幌出身の作家佐々木譲さんのインタビュー記事が載っていた。「獅子の城塞」という小説を執筆した経緯やその苦労に関してである。
この記事に触発されて、小説「獅子の城塞」を購入し、お正月休みに一応読了しえた。550ページに及ぶいわゆる大河小説といえるものだろう。
非常に面白いという感想ではないが、作者の構想力、日本とヨーロッパにまたがる歴史への洞察力などに驚嘆させられた。
いわゆる天正遣欧使節は、1582年九州の大名がローマ教皇への使節としておくった4人の少年たちを指すのだが、この使節団の中に、織田信長の密命を受けて同行した若き石工職人がいた、というのがこの物語の始まりである。
主人公次郎左は、苦労に苦労を重ね、リスボン、ローマ、そしてネーデルランド地方を歩き、与えられた城の石垣づくりの術を身につけていく。そして故国「日の本」に帰る日を夢見ながら、多くの経験と研究を積み上げながら、ヨーロッパの女性と結婚し、生まれた子どもが日の本に帰った時には日本名にシフトできるようにとニナとトビヤと名づけた。
イスパーニャとの戦い、エウロパ人との交流、など実に多彩な展開が繰り広げられる。そして、日本人傭兵たちが何人も登場する。
長崎を出てから40年以上たった。
主人公は帰国することができただろうか。その答えは書くことはできない。
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