来し方、行く末に思いを続けて…
日記 … Kametarou Blog
「この国はどこへ行こうとしているのか」
毎日新聞の特集である。今日は京大教授の広井良典さんという人が話している。
これまで「人口も含めて『拡大・成長』をつづけてきた」が、別の豊かさのあり方に方向転換していく岐路に立っているという。
これまでの限界を象徴的に示したのが、イギリスの欧州連合からの離脱と考える。すなわちイギリスから始まったグローバル化の流れが現代のイギリス国民によってノーを突きつけられたことは「グローバル化の終わりの始まり」、「拡大・成長」から「成熟・定常」への過渡期であることを示している」という。成熟・定常型の社会を「ポスト資本主義」と仮称する。
ではこの成熟・定常型への道はどのような展開をするか、といえば「再分配の強化・再編」と「地域への『着陸』(ローカライゼーション)」を通じた「持続可能な福祉社会」の実現にあると、広井さんは「確信」する。
そして再分配の強化・再編については、今のような7割が高齢者向けという社会保障ではなく、教育を含め若い世代に対する「人生前半の社会保障」に重きをおくことが、機会の平等を通じた格差是正、世代間の公平の観点からも望ましい、と訴える。
また「地域への着陸」は文字通りローカルに戻るのが経済構造の変化から自然な流れであるローカル志向。若い世代はローカル志向も強い。地域で生きていく道を選び始めたことに希望があるという。まさに、成長至上主義に代わる新たな価値観の創造ではないかと締めくくる。
こういう視点には大きく同意できる。問題はこのローカル志向をどれだけ早く誰の目にも見える形で進めていくのか、これを促す契機は何か、またこういう視点に立つ政治の発想をいかに創り出し社会に向けて発言していくか、ではないか。
最近、とみに現状を超克していこうという発想が提起される。誰がどのように誰に向けて発言するか、をもっと鮮明にして欲しい。今のところほぼ一般論をぶちあげているだけだ。
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