雑誌「教育」が「不登校」を特集した!(1)

「教育」という雑誌は、130ページ、700円の月刊誌である。この雑誌は「教育科学研究会」が責任編集する同会の機関誌的な意味をもっているのではないか。
この会についてこれまで何度かコメントしてきた(今年3月初旬)。私自身、かつてこの会のリーダーであった方がたに多大の影響を受けてきたこともあるし、日本における重要な民間の教育団体であると認識・期待しているからである。
そういう意味をこめながら、「どうして現実の教育問題で大きな意味をもっている『不登校』問題を取り上げないのか」と指摘もしてきた。この教科研が、雑誌「教育」で「不登校はいま」という特集を組んだ。「学級崩壊」と合わせての特集ではあるが…。

同誌の「編集後記」によると、これまで2度特集テーマにしてきたという。1989年11月号と1993年3月号。だから今回は17年ぶりということになる。このような長い期間、このテーマをとりあげることに躊躇したのは、不登校が重要なテーマであると考えられなかったか、または扱い方が難しかったか、である。

「本誌上でのやや長かった空白を埋める意味もこめて、過去20年間の実践と研究の動向を振り返ってみることに主眼をおいた」と記す(編集後記)。

「扉のことば」で、この特集は到達点と課題の整理と試み、…「学校現場においても『生徒支援』の立場に立ちきった学校づくり、学校改革の方向が示されています」と特集の内容を言っている。

しかしどうもそういう理念がきちんと示されているようには思えない。
11人もの人たちが書いている論点は、それぞれ分担されているのだろうが、全体の統一的な論旨はきわめてあいまいだ。巻頭論文の横湯園子さんは「不登校・登校拒否状態にある子どもたち」を分析する。父母や現実の不登校の体験者の声などもあるし、不登校の子どもをサポートしている学校教師の発言もある、またネットワークを指向した父母の実践談もある。

そもそも、私たち(フリースクールの関係者)が言ってきたように「不登校の解決」とか「不登校を考える際のテーマは何なのか」を明確に言ってほしかったというのが総括的な感想だ。もちろんこういうテーマに関連する論述もあるにはあるのだが…。これについては改めて…。


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