一番でなくともいいのか?

先日の教育セミナーで、ある講師が強調していた。「一番でなくともいい」という考えは戦う前から敗北していることの告白だと。

「一番でない料理を好きこのんで食べますか」「これは二番目にいい作品です」と、作者がいう訳はないはずだと。
ものを作る人は常に「一番いい物を」と思い作るだろうし「料理人も誰にでも歓ばれる一番いい物を調理」しようと努力するはずだ。
「一番でなければならないのか」という質問は愚問だ、とスゴイ勢いで強調していた。日本人がこの「二番目でよい」という負け犬になった瞬間から、国際的にも弱者の地位に陥るのだ、と。

何でも順番をつけて競わせる思想とやり方が競争序列偏差値教育に通じることはいうまでもない。しかし二番目でもいいという思想と姿勢は結局は二番目にもなれないことに通じる。

よく言われる「自分らしさ」とは何だ? 個性とは何だろう。人とは異なる「自分なりの一番を自覚する」誇りと行動といえるかも知れない。だから、二番目でいいというのはダメだろうが、かといって、常に一番を確保していくという人生論もまた疲れるし、社会的に偏ってくるのではないか。

講演を聴きながら、やはりこの観点についても「バランス」「強調は偏る」「ほどほど」が一番というヘンな理解に落ち着いた。

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