「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

ケイジャン料理@鎌倉七里ガ浜(1)ニューオーリンズの画像に触発されシーフード・ガンボ / Jambalaya♪とBlue Bayou♪

2022-04-12 04:00:17 | 食べ物・飲み物
私が中学生だった時の大ヒットアルバム、カーペンターズのNow & Then♪

そのアルバムが出た1970年代前半を起点にして、1960年代あるいはそれより前を振り返って昔の音楽を懐かしむという構成の素晴らしいアルバムだ。それゆえタイトルがNow & Thenなんだが、その時点でのNowが今ではすでに半世紀前だ。

その中にJambalaya (On The Bayou)という曲がある。皆さんもメロディにご記憶があるでしょう?


何度か繰り返される歌詞がある(↓)。最初は動画開始後50秒を過ぎたあたりで出て来るよ。

Jambalaya and a crawfish pie and filé gumbo♪

この曲でジャンバラヤってのが日本でも有名になった。中学生だった私もジャンバラヤが何であるかは当時の音楽雑誌を読んでいておおよそわかった。crawfishがザリガニを指すこともわかった。しかしその歌詞にあるgumboが何かはよくわからなかった。

この曲はやたらrhyme(韻を踏むこと)があって、末尾が「オゥ」という言葉で終わる小気味よさがある。だから歌詞のこの箇所でgumboが使われたのだろうね。ガンボと日本では書くが、発音をなぞってカタカナにすれば、ガンボゥだねえ。オゥだらけの歌詞。。。

そしてガンボが何かを理解しないまま、私は成人した。

やがて私はこの本に出会うのだった。西川治著「悦楽的男の食卓」だ。



当時から面白く、他にはない内容で、読む人を唸らせていたブルータスの編集である。

1985年つまり今から40年近く前の雑誌とは思えない内容で、世界中を旅して食べる料理専門家の西川治さんが豪華な写真とともに極端にエキゾチックな料理を紹介していた。世界のあらゆる野菜や肉のあらゆる部位を、あらゆる調理法で西川さんは食べたことがあるのではないかと思われるすごい内容だった。



その中でジャンバラヤやその他のアメリカ南部の料理の説明がある。



下の画像でたくさん写っているのはエビではない。ザリガニだ。


まあとにかくすごい本だった。私は将来読み返さない本を保存しておく趣味はなくてどんどん捨てるか売るのだが、この本は購入後40年近く経った今も自宅に保存してあって、こうやって時々見ている。残念ながら、ガンボについてはここにも解説はなかった。

これまでにジャンバラヤについてはいろいろと理解する機会があった。しかし結局ごく最近まで私はガンボを理解することがなかったのである。

ところがかつて勤めた会社で同僚だったHさん(現在サンフランシスコ在住)が最近ニューオーリンズを訪問した。そこで撮影された楽しげな画像(↓)にレストランの風景があり、そこにガンボ(左側の画像の上の方に黄色い字でGUMBOと書いてある)とあるのを見て、私は急にガンボへの興味が湧いて来た。因みに右上の画像にあるのはジャンバラヤだ。



いいなぁ。楽しそうだなぁ。。。

この画像を見たので、中学生の時に疑問に思ってから半世紀も経って初めてガンボを理解しようと思い立った私は(なんて私は怠慢なんでしょう?)、あちこちのウェブサイトを調べてみたのだった。

結局ガンボもケイジャン料理のひとつだ。ケイジャンとはコチュジャンやテンメンジャンと同じ・・・ウソ。ケイジャンはCajunと書いて、語源的にはAcadian(アケイディアン、アカディアン)からAを除いたものだ。アケイディアン⇒Aを除いてケイディアン⇒ケイジャンである。

じゃあそのAcadianとは何かということになるが、それは昔カナダの東海岸にフランスから入植した人たちの一部(ないしはその地域)を指す。英国からの圧迫を逃れ、米国のあちこちに移る人が多かったが、その頃フランス領であったルイジアナ州に移り住んだ人も多かった。そうした人たちやその子孫がその地で作った料理がケイジャン料理ということらしい。


ルイジアナ州の中心的な街がニューオーリンズだが、その綴り(New Orleans)が英語的でないのもまさにそのフランスの植民地であった歴史の反映だ。フランス語読みすればオルレアンである。内容が何だったかは覚えてなくても「オルレアンの戦い=ジャンヌ・ダルク」って、世界史で暗記した記憶がありますよねえ?

このラベルにも「アメリカ・ニューオリンズの味」と書いてあるでしょ。


今日はこれも使ってガンボを作る。

ラベルを見ると、内容的には我が家にもすでにあるスパイスが多いけれど、よくわかんなから、これをそのまま使いましょう。



ガンボにもいろんな種類があることがわかった。

(1) まず食材的にあまりに多種多様だ。(2) 形態的にはスープみたいにしてすする場合もあれば、ねばりをつけてカレーみたいにして米と食べる場合もあるようだ。(3) ねばりとしてオクラを使うことが多いが、そうでない場合もある。(4) トマトを使うのも使わないのもある。

ということで、調べていても全体的にさっぱりまとまりがつかない。

本格的に米国のウェブサイトのレシピを見ていると、こちらで入手が困難な材料が多く嫌になっちゃう。結局日本語のウェブサイトをあちこち見て適当に端折って作ることにした。

前置きが長過ぎるのがこのブログの特徴だが、とにかく調理開始! 本日はガンボとライス。それだけだ。

まずはこれ、オクラを買って来た。



とろみを付ける材料として、ケイジャン料理では重宝されるらしい。

小麦粉やフィレ・パウダーなどもとろみとして利用されるらしい。

小麦粉はここでもあとで使う。

セロリとピーマン。


タマネギ。


刻んだオクラ。


オクラも不思議なものだ。昔々、英国に住んだ時に「オクラ!」と書いてオクラが売られていた時、私は「日本のオクラも有名になったものだ」と誇らしく思ったが、なんとオクラは東アフリカ原産らしい。そのオクラという名前も、もともとは東アフリカの言葉らしい。英国の方がよほど日本より早くオクラに親しんだのだろうね。

トマト。



オリーブオイルにニンニク。で、加熱。


タマネギを炒める。


これって正しいガンボなんだろか?

なにせ食べたことがないもので、よくわからない。

ドガティ君も不思議がっている。


セロリにピーマン。


小麦粉にバター。


水にトマトをぶち込んだ。


調味料は以下のとおりだ。



胡椒、塩、ケイジャン・スパイス、鶏ガラスープの素。

それらを入れる。


煮ているうちにトマトは完全に煮崩れる。


味見してみる。

へぇ~、こんな味なんだと思う。

そこでポップにするためにケチャップをちょっと加える。


軽く洗ったムキエビとホタテ。


ホタテは本場メキシコ湾岸ではさすがに食べないと思うけどねー。

しかしそれでも味は出るよね。だから入れてみよう。

味見して、胡椒とケイジャン・スパイスを追加。


ちょっとスコッチを飲む(なぜ?)。


あとは全体を煮たら、終わりだ。


ドガティ君は床を舐めている。


完成。よくわからないガンボ + タイ米。


できたなーー、ガンボ。

しかしこれが正しいのだろうか? さっぱりわからない。

だって本物を食べたことがないのだから。


私をニューオーリンズに連れてって♪

よくわからないものの、とにかく普通においしいガンボでありました。



かなりスパイシーだ。

ところで冒頭のカーペンターズの歌ジャンバラヤで、繰り返される言葉にBayouがあるが、これは川あるいは湖等で流れが極めてゆるやか、あるいは止まっているところを指す言葉だ。

私がカーペンターズの次にその言葉を聴いたのは、リンダ・ロンシュタットのBlue Bayouだった。カレン・カーペンターが学校の先生みたいだとすれば、リンダ・ロンシュタットは近所の色っぽいお姉さんみたいで、10代の私には刺激的だったのだー。

Blue Bayou

 

こちらもいい歌だから、クリックしてみてね。

様々な記憶は音楽とともに。

料理の記憶ですら、そうだねえ。
コメント (24)
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