真冬の滞在＠八ヶ岳西麓原村（９） 雪中行軍 with 茶々之介 別荘地で「お宅拝見」！

謹賀新年！　2010年になったらしい。　我ながらよく生きているものだと感心する。

さて、八ケ岳西麓、原村に滞在した時の話を続ける。降雪あり。山荘は雪を被る。なかなか良いものだ。ますます山荘にこもりがちになる。静かな朝を迎えた。


クルマも雪を被る。


我が家はすごい寝相のオランウータン・・・みたいな犬、茶々之介を飼っている。茶々之介は薄眼を開け、「とーちゃん、朝の散歩に行きまっか？」と聞いた。私は「ほな行きましょか」と答えた。


茶々之介：　おっ、雪やんけ。寒いやんか。足先凍るがな。裸足やねんから。とーちゃん、靴買ってんか。とーちゃん、寝たらあかん！寝たらあかん！寝たら死ぬで！さあ雪中行軍、八甲田山や！　とーちゃん、さっさと歩け！歩け！歩かんかい！
とーちゃん：　あんた、何、とーちゃんに命令しとんねん！　100年早いわ。


茶々之介：　ホンマ、寒いわ。クンクンクン。そやけど、ここちょっと前にウサギとシカが通ってますで。このニオイ、たまらんなぁ。


茶々之介：　あっ！　不思議発見！スーパーひとしくんや。これ、クマとオオカミの足跡でっせ。ここできっとクマとオオカミが戦ったんや。
とーちゃん：　何寝ぼけとんねん。これなぁ、とーちゃんとあんたがさっき付けたばかりの足跡でんがな。大きいのがとーちゃんの、小さいのがあんたのや。
茶々之介：　ホンマかっ！


茶々之介：　そやけどとーちゃんの足跡にHUNTERⓇって逆に書いてありまっせ。とーちゃんの足の裏ってけったいな形してまんな。かわいそうに。


とーちゃん：　それは長靴の底や。HUNTERはその製造会社やがな。とーちゃんの長靴や。
茶々之介：　とーちゃん、その会社のまわしもんでっか？歩く宣伝マンやな。雪の上に会社名つけて喜んでんの？へぇ～！変わっとるわ。
とーちゃん：　そや。おもろいやろ。これ、ええ長靴なんや。


茶々之介：　おっ！ログハウス工事中！　なんだかTV番組「お宅拝見」の渡辺篤志になった気分じゃ。渡辺篤志の真似するで。こや！『えーー、今日は八ケ岳山麓にお住まいのポチさんのお宅にお邪魔しています。ポチさんのお宅は森の中に建つフィンランド製のログハウス。あーーーー木の香りが素晴らしい。ポチさん、こちらにお住まいになっていかがですか？・・・」って話すんや。うまいやろ。これで小田和正のテーマ音楽流れたら、あの番組そのまんまやで。しっかし、寒いわ。涙出るわ。足先も凍るわ。


茶々之介：　クンクンクン。くさいがな。ウマの糞か？？いや違う。これ、人間の糞やな。あーー、これか。工事現場の簡易トイレ。人間ってなんでこんなもんわざわざ使ってトイレするんやろ。かわいそうに、不便な動物や。


茶々之介:　付近はログハウス村の様相を呈してまっせ。皆、かわいらしいで。マシンカットでおます。最近はこれが多いねや。使いやすいログや。


茶々之介：　あーー、これはモダンな建築。建築はこうありたい！の見本のような・・・。ガルバリウム鋼板とコンクリート打ちっぱなし。冷たい印象の物質の組み合わせ、雪景色にも映えるモノトーンな配色。シンプルさが美しさに溶けあって見事。「建物はシンプルなほど失敗は少ない」の鉄則・・・どうや、渡辺篤志みたいやったか？


とーちゃん：　どないです？大きなハンドカットのログハウス越しに見えるのは、西に諏訪盆地、北西には諏訪湖・・・と言っても、あれっ？？　吹雪で諏訪盆地なんて見えまへんな。


茶々之介：　私は届かないのでガードレールの下からのぞきますわ。はい、何も見えまへん。すごい吹雪ですわ。


とーちゃん：　でも180度振り返り、真東を見ると勇壮な阿弥陀岳が！・・・って、それも見えまへんわ。


茶々之介：　どうでっか？この1376平米の区画は。広いでっせ。「予約中」やて。ホンマかいな。前からずっと「予約中」や。


茶々之介：　この区画はもっと広いでんがな1500平米以上ありまっせ。こんだけあったら十分にドッグランが出来まっしゃろ。区画の向こうに見えるお宅も立派や。レンガづくりでっせ。レンガ言うたかて、皆たいてい薄いタイルを貼ってあるだけですけどな、ここは、重い穴開きの積み用レンガを、基礎の上に組み上げた鉄筋に通してレンガを積んでいった本物中の本物。どーです、あんさん？


茶々之介：　しかし誰も別荘地買いに来まへんな。まあ、これだけ雪やったら仕方ないわ。あーーーー、この足先の冷え具合。何とかなりませんの？凍傷になりまっせ。八甲田山よりきついわ。さあさあ、煙たなびく我が家に帰りましょ。薪ストーブで暖まりましょ。


茶々之介:　冷えた冷えた。あー寒っ。ストーブで足先乾かそっと。お宅拝見なんてどうでもええわ。